■大会名:プロレスリング・ノア GREAT VOYAGE 2014 in Tokyo vol.2
■開催日時:7/5(土)
■会場:有明コロシアム (東京都)




 プロレスリングNOAHが7月5日(土)午後5時より、東京・有明コロシアムにおいて「GREAT VOYAGE2014 in Tokyo vol.2 方舟進章〜有明夏の陣〜」を開催する。今年3月以来、4カ月ぶりにおこなわれるビッグマッチだ。

 大会のサブタイトルには、方舟マットの新たなる決意が込められている。KENTAが新たなるステージへ進むためNOAHを退団、5・17後楽園ホールで別れを告げた。それはすなわち、NOAHの新章到来も意味していることになるのだろう。KENTAが夢をかなえるために前進するなら、NOAH自身も前進する覚悟を示さなければならない。今大会ではそれを象徴するように、GHC4大タイトルマッチが組まれた。新たなる風景が現出するのか。ベルトをかけた闘いでは、そこが見どころとなりそうなカードばかりだ。

 もちろんメインはGHCヘビー級選手権試合。王者は新日本プロレスの永田裕志で、今年2・8後楽園で森嶋猛を破って以来、KENTA、杉浦貴、マイバッハ谷口、モハメドヨネを破り4度の防衛に成功してきた。そして今度が5度目の防衛戦。そこに名乗りを上げたのが丸藤正道である。

 言ってみれば、丸藤は方舟マットにおいて最後の砦である。このところGHC戦線では前面に立たず、どちらかといえば他団体での活躍のほうが目立っていた。同王座に挑戦するのはちょうど1年ぶり。このときは王者がKENTAだった。そのKENTAがいなくなったいま、永田の浸食を止めるのは丸藤しかいない。丸藤がGHCの頂点に立ったのは2006年のこと。ジュニアのカテゴリーからヘビーのベルトを奪取しプロレス界の常識を超えた。あれからもう8年もの月日が経過。丸藤はいま、新しいNOAHの時代を切り開く覚悟を背負った。そういった意味でも、ベルトは絶対に必要。永田はこの試合を制した後には「次は中嶋勝彦だな」という発言もしている。中嶋はBRAVEだがあくまでもDIAMOND RING、所属選手からは一歩引いたスタンスだけに、丸藤を破ればNOAHに相手はいないということになるのだろう。NOAHファンからすれば、有コロ大会のエンディングでナガダンスは見たくない。丸藤にはもちろん、団体全体にとっても絶対に負けられない闘いなのだ。

 GHCタッグ選手権試合は、新王者の“弾丸ヤンキース”杉浦貴&田中将斗組に“TMDK”マイキー・ニコルス&シェイン・ヘイスト組が挑戦することになった。杉浦&田中はNOAHとZERO1を往来する越境チーム。グローバル・タッグリーグ戦を制すと、5・31ディファ有明では“超危暴軍”森嶋猛&マイバッハ谷口組も撃破し、NWAインターコンチネンタルタッグ王座と併せタッグ2冠に輝いた。NOAHでもZERO1でもベルトを巻く。その勢いは弾丸のごとく加速しているのだ。

 これに待ったをかけようと名乗りを上げたのが、元王者のTMDKだった。タッグリーグ戦では弾丸ヤンキースに敗れたTMDKだが超危暴軍に奪われるまで3度の防衛に成功。森嶋組との再戦も敗れたのだが、闘いぶりからすればベルトに最も近い位置にいるチームと言って過言ではないだろう。現在も個々の実力がアップ中なのは、マイキー&シェインの体つきを見れば明らか。常時コンディション抜群の田中との攻防は大きな見どころ。TMDKがファンの後押しのなか新日本からベルトをNOAHに奪還した有コロ大会からちょうど1年。GHCタッグの歴史に新たなる名勝負数え歌がスタートするのか、これは見逃せない。

 GHCジュニアヘビー級選手権試合は、原田大輔が超危暴軍のみちのくプロレス・拳王を迎え撃つ。原田は石森太二のX11を阻止し2度の防衛に成功。二桁防衛はまだまだ先のことになるが、NOAHジュニアの新しい顔として石森と並ぶためにもさまざまな対戦相手から防衛していかなければならない。拳王は超危暴軍として反則三昧だが、実際には日本拳法で数々の実績を残した実力者。みちのくプロレスでは妥協なき強さが売りだったにもかかわらず、NOAHではまだその強さは存分に発揮されていない。現在は自身の成長のため、あえてヒールに徹し、強さの部分を温存していると思われるが、「そろそろ強さを出して闘う」と宣言した。原田にとって脅威となることは間違いない。超危暴軍にふたたびベルトをもたらすために、秘めたる強さを解禁するのではなかろうか。もちろん、原田にとっては超危暴軍による反則攻撃も警戒しなくてはならない。3度目の防衛戦にして最大のピンチが到来しそうである。

 GHCジュニアヘビー級タッグ選手権試合は、小川良成&ザック・セイバーJr組に石森太二&小峠篤司組が挑戦。一言で表すならば、テクニックの王者組にスピードの石森組が挑むという図式になるだろう。石森&小峠は3・21後楽園で小川組から王座を奪取するも23日天下で小川組に敗れてしまった。こんどのタイトルマッチでリベンジし再度ベルトを巻くのか、それとも小川&ザックのテクニックに翻弄され返り討ちにあうのか。今後のジュニアタッグ戦線を占う意味でも重要な闘いとなるだろう。7・5有コロが終われば、「第8回日テレG+杯争奪ジュニアヘビー級タッグリーグ戦」が待っている。もちろん、両チームともエントリー。王者としてジュニアタッグの祭典に出場するのは、いったいどちらか!? また、スペシャルマッチも2試合行われる。新日本プロレスから後藤洋央紀と柴田勝頼がタッグを組み齋藤彰俊&中嶋と対戦。マイバッハ谷口は大日本プロレスの関本大介と一騎打ち。4大タイトル戦以外も目が離せない!

 このように、見どころ満載の“方舟進章”。新たなる進撃のスタートを見逃すな!

(構成・文:新井 宏)

2014-06-27 16:00 この記事だけ表示

7月7日、有明コロシアムで7年前のベストバウトが再び!“カリスマ”KENTAと”天才”丸藤正道が、GHCの頂点をかけて運命の一騎打ち!


■公演名:『GREAT VOYAGE 2013 in Tokyo』
■開催日時:7/7(日) 15時試合開始
■会場:有明コロシアム
>>詳細・お申込はコチラ


 あれから7年の7月7日、その年のベストバウトに輝いた至高の闘いが、方舟のリングに還ってくる。KENTAvs丸藤正道のGHCヘビー級選手権試合が、プロレスリングNOAHの7・7有明コロシアム大会「GREAT VOYAGE2013 in TOKYO 七夕決戦〜みんなの願い〜」(試合開始15時)でおこなわれるのだ。

 小橋建太の引退で新たなる航海へと旅立った新生NOAH。武道館大会翌日の5・12後楽園は、まるで新団体旗揚げのような雰囲気に包まれていた。つづく6・13後楽園は、三沢光晴さんの命日にあたる「メモリアルナイト」。この大会でメインをつとめたのは、丸藤と杉浦貴。三沢イズムを継承する壮絶な一戦を制したのは丸藤のほうだった。

 試合後の丸藤は、KENTAへの挑戦を表明。王者が受けて立ったことで、くしくも七夕での一騎打ちが決定した。もちろん、KENTAが保持しているGHCヘビー級王座をかけての頂上決戦である。

 7年前の一騎打ちでは、丸藤のほうがGHCヘビーのベルトを巻いていた。当時、ジュニアとしてヘビー級の頂点に立ったのが丸藤。この革命的出来事から、ジュニア同士による史上初めてのヘビー級王座戦が実現した。この試合はウェートが落ちたぶん小粒になるどころか、いわゆる四天王プロレスを凌駕するようなスピードと意外性で大観衆を魅了、誰もが認める2006年のベストバウトとなった。この試合をきっかけに、これまで軽視されがちだったジュニアの地位が上がったと言えるだろう。プロレス界の流れを変えたのが、丸藤vsKENTAだったのだ。

 以来、このカードは何度かおこなわれている。GHCジュニアvs世界ジュニアダブルタイトル戦の60分時間切れ引き分けとなった2010年10月25日以降、どちらかがケガで欠場し、その復帰戦で組まれることがほとんどだった。このカードが決まったとき、KENTAは「やっとお互いの復帰戦以外で会える時が来た」とコメントした。もちろん丸藤も、思いは同じである。しかも、GHCヘビー級王座という頂点をかけてのタイトルマッチ。7年前はKENTAが挑戦者だったが、今回はNOAHを牽引する立場、同時に、ジュニアからヘビーへの挑戦を成功させたうえで丸藤を迎え撃つこととなる。それだけに、いまが最高の時期と言っていい。7年前からはるかにバージョンアップしての一騎打ちであり、どちらからも「楽しみにしている」という声が聞かれるとあっては、期待しないわけにはいかないだろう。

 KENTAが4度目の防衛か、それとも丸藤が2度目の最高峰戴冠を果たすのか。カリスマと天才。ふたつの巨星が方舟の新たなる進路を照らす!

 KENTA、丸藤ともに時代を築き上げてきたジュニアのカテゴリーでは、新生NOAHジュニアを引っ張る石森太二が、スペル・クレイジーを迎え撃つ。今年1月の大阪大会で闘龍門時代の先輩、近藤修司を乗り越えてGHCジュニアヘビー級王座を奪取した石森は、NOAHジュニア再建のため、防衛記録更新を目標に挙げた。もちろん、団体内外からさまざまな挑戦を受け、それをくだしつづけての新記録を狙っている。そうすることで初めて、NOAHジュニアに石森ありと印象付けられるのだ。

 今回のクレイジー戦は、小峠篤司、リッキー・マルビン、平柳玄藩、野橋太郎に次ぐ5度目の防衛戦。記録は2011年に鈴木鼓太郎が樹立した7回が最高であり、今回防衛に成功すれば、金丸義信、KENTAと並ぶ2位の6度防衛に王手をかけることになる。石森には、絶対に負けられない闘いだ。

 しかしながら、クレイジーはNOAH参戦以来ずっとファンを味方につけてきたナチュラルベビーフェースである。いくら石森とはいえ一瞬で王者がヒール、挑戦者がベビーのポジションになってしまう可能性もあるだろう。場内の雰囲気で流れがガラッと変わってしまう危険性を石森は意識して闘わなくてはならない。会場を広く使えばクレイジーの独壇場。王者にとっては長期政権に向けての試練到来だ。

 GHCタッグ王座戦では、王者の新日本プロレス矢野通&飯塚高史組にTMDKマイキー・ニコルス&シェイン・ヘイスト組が挑戦する。この試合は、5・12後楽園の再戦だ。新生NOAHに入団し、方舟の乗組員となったのが、オーストラリアからの留学を起点に日本に定着したニコルスとシェインだ。入団初戦となった5月の後楽園ではCHAOSをあと一歩まで追いつめながらも獲物を逃した。そこでベルトをNOAHに奪還していれば大ヒーロー誕生だったのだが、勝負事はそう思い通りには運ばない。しかしながら、両チームの戦績は1勝1敗。有コロでのタイトルマッチが真の決着戦となるのだろう。

 TMDKとはThe Mighty Don‘t Kneel(力は決して屈しない)の意味。やりたい放題の矢野組からベルトを引っぺがし、GHC王座にH(HONOR=崇高さ)を取り戻すのが所属となった彼らの役割である。こんどこそ、NOAHらしいハッピーエンドを期待したい。

 そして、7・7有明ではNOAHらしからぬ闘いもおこなわれることになった。邪道再臨、大仁田厚がふたたび方舟マットに乗り込んでくるのである。

 昨年12・9両国国技館でKENTA&マイバッハ谷口&山善廣組と遭遇した邪道軍(大仁田&矢口壹琅&保坂秀樹)。以来NOAHでは鳴りを潜めていたのだが、リアルジャパンで初代タイガーマスクvs丸藤がおこなわれ、そこに姿を現したのが大仁田だった。このときの大仁田のターゲットは初代タイガーだったものの、丸藤への接近から方舟への帰還を思い立ったのか。6・13ではあくまでも三沢さんへのあいさつとして会場にやってきたという大仁田だが、KENTAを挑発することも忘れなかった。そこでKENTAは「オマエの相手をしている暇はない」と一蹴、丸藤との頂上決戦に意識を向けた。

 しかしながら後日、大仁田の相手として杉浦が名乗りを上げることとなる。杉浦は「暇なんで大仁田厚の相手をします」と、KENTA発言から自虐的ともとれるコメントで邪道軍との対戦をアピールした。もちろんこれには“自分が2度とNOAHのリングに上がらせないようにしてやる”との思いが込められているのではなかろうか。

 試合は、山善廣、平柳玄藩と組んで“新生NO MERCY”での邪道軍征伐。しかも形式が、“ストリートファイトトルネード6人タッグデスマッチ”と発表された。「タッチ、反則裁定、場外カウントなしの完全決着ルール」しかも「デスマッチ」としっかり明記されている。(※前回も同じ形式でした)そのデスマッチへと足を踏み入れる杉浦がどんな表情で大仁田と対峙するのか、そして試合後にはどんな風景が待っているのか。NOAHに選手生命を捧げただけに、一発で答えを出すことが求められている。頼もしいぞ、杉浦!そう思わせたら大成功だが…。

 また、NOAHのリングで左足首を負傷した“ど演歌ファイター”越中詩郎が、1年ぶりに帰ってくる。藤波辰爾との“ドラゴンボンバーズ”を復活させ、「やってやるって!」とばかりに復帰戦をおこなうのだ。

 相手が小川良成&井上雅央といううるさい2人だが、越中は「(有明コロシアムから)東京湾まで(ケツで)吹っ飛ばしてやりますよ!」と、早くもヒップアタック全開を予告。しかもパートナーが新日本時代に組んでいた藤波だけに、「意気に感じる」越中にとってこれ以上のパートナーはいないだろう。「ケガした大会がNOAHさんだったから倍返ししないといけないでしょ。有明コロシアムにいちばんの風を吹かせてやりたいと思います」。1年分の鬱憤を晴らさんとする越中が、大会の台風の目になりそうだ。

 このように、どれもが見どころ満載のカード編成となった7・7有明コロシアム。「方舟新章」として迎える初めてのビッグマッチでもある。新キャッチフレーズは「心に残るプロレス」。歴史的瞬間の数々を、脳裏に刻もう!

(構成・文:新井 宏)



■公演名:『GREAT VOYAGE 2013 in Tokyo』
■開催日時:7/7(日) 15時試合開始
■会場:有明コロシアム
>>詳細・お申込はコチラ

【全対戦カード】
▼GHCヘビー級選手権試合
 <王者>KENTAvs<挑戦者>丸藤正道
 ※第19代王者、4度目の防衛戦。
▼GHCタッグ選手権試合
 <王者>矢野通&飯塚高史vs<挑戦者>マイキー・ニコルス&シェイン・ヘイスト
 ※第28代王者、3度目の防衛戦。
▼GHCジュニアヘビー級選手権試合
 <王者>石森太二vs<挑戦者>スペル・クレイジー
 ※第26代王者、5度目の防衛戦。
▼ストリートファイトトルネード6人タッグデスマッチ
 杉浦貴&山善廣&平柳玄藩vs大仁田厚&矢口壹琅&保坂秀樹
▼NOAHvsDIAMOND RINGスペシャルシングルマッチ
 モハメドヨネvs中嶋勝彦
▼越中詩郎復帰戦 タッグマッチ
 越中詩郎&藤波辰爾vs小川良成&井上雅央
▼シングルマッチ
 マイバッハ谷口vs齋藤彰俊
▼6人タッグマッチ
 小峠篤司&ザック・セイバーJr&カイザー
 vs原田大輔&スレックス&ペサディーヤ
▼シングルマッチ
 熊野準vsマイバッハSUWAJr

2013-07-03 20:49 この記事だけ表示
5月8日、NOAHが有明コロシアムでビッグマッチ開催!
杉浦 貴vs鈴木みのるの頂上対決。強いのは、どっちだ!!
(構成・文:新井 宏)

◆大会名:GREAT VOYAGE 2011 in Tokyo vol.2
◆日 時:5月8日(日)15時00分開始
◆会 場:有明コロシアム
◆詳細&チケット申込はコチラ!

 プロレスリングNOAH、今年2度目のビッグマッチが5月8日(日)、午後3時から東京・有明コロシアムで開催される。

<GHCヘビー級選手権試合>
“2010年度プロレス大賞MVP”杉浦 貴
vs
“世界一性格の悪い男”鈴木みのる

メインは、“2010年度プロレス大賞MVP”杉浦貴vs“世界一性格の悪い男”鈴木みのるのGHCヘビー級選手権試合。鈴木も2006年にプロレス大賞を獲得しており、それ以来ずっとプロレス界の中心人物として君臨している。それだけに、団体の垣根を越えた頂上対決にふさわしい一戦だ。

それにしても、杉浦は王者としてたくましく成長した。当初こそ短命も考えられた杉浦政権だが、防衛を重ねるごとに力強さを増していく。内外を問わずあらゆるタイプの挑戦者たちを退け、最近では大型外国人(バイソン・スミス、ジャイアント・バーナード、トレバー・マードック)の3タテに成功。10回連続防衛の記録を打ちたて、あとは小橋建太の13回連続防衛にどこまで迫れるかというところまでやってきた。現在のNOAHを背負って立つ、実に頼もしい王者に成長したのだ。

そして、ここにきての鈴木みのるである。杉浦の指名により、久しぶりに方舟マットに足を踏み入れた鈴木。3・27ディファ有明での6人タッグマッチは当然、来るべきタイトルマッチへの前哨戦と見られていた。

ところが試合後、杉浦が鈴木に敗れた以上の衝撃的シーンが現出する。鈴木が杉浦の発言に対し、試合以前の感情を露わにしたのだ。3月11日に発生した東日本大震災への対応について、両者の考えが著しく異なった。自衛隊出身の杉浦は現実を凝視し、プロレスで元気付ける段階ではないとした。これについて拒絶的な反応を示したのが鈴木だった。鈴木も全日本プロレスの大会に向かう途中で被災しただけに、当時の状況はよく理解している。それでも、現在の杉浦はプロレス界を代表するチャンピオン。だからこそ、弱気な発言はしてもらいたくなかった、自分が背負っているジャンルに自信をもってほしかった。王者がプロレスに自信をもたずして、ほかのレスラーがプロレスに誇りを持てるだろうか…。「レスラーが胸を張って、オレたちの声で立ち上がれって、なんで言えねえんだよ!」。この瞬間、鈴木vs杉浦のタイトルマッチは凍結、実現は難しくなったのだ。

しかし、「グローバル・タッグリーグ戦2011」が開幕した4・16後楽園ホール大会で、事態は急展開を見せる。杉浦の試合後に鈴木が登場。エプロンに上がり、「オレのほうがオマエより強い。オマエのベルトをかけてオレと闘おう!」と、GHCヘビー級王者に宣戦布告したのである。これを聞いた杉浦も、「どっちが強いか弱いか、勝負しようぜ。やってやるよ!」と返答。急転直下、5・8有明での一騎打ちが正式決定となったのだ。

ここでは、どちらの考えが正しい正しくないの問題ではない。勝ったほうが正しく、負けたほうが間違っているということにもならない。3月11日以降、おそらくすべての日本人が自問自答を繰り返したのだと思う。これはいまするべきなのか、自粛したほうがいいのか。すべての物事には両面からの考え方がある。プロレスラーも例外ではない。人前に出るジャンルだからこそ、考えたと思う。プロレスをするべきなのか、プロレスで人々を勇気付けることは可能なのか。悩みに悩んだ時間だった。

そして、杉浦と鈴木の出した結論は、闘うということだった。どちらが正しいかではなく、単純に2人が闘ったらどちらが強いのか。試合をやると決めた以上、どちらが強いのかが、プロレスの答えだ。

8月27日(土)には日本武道館にNOAH、新日本、全日本の主要3団体が集まり、震災復興チャリティー大会「ALL TOGETHER」がおこなわれる。この主要団体の最高峰タイトルは現在、それぞれの団体の所属選手が保持するかたちになっている。もちろん、杉浦もGHCヘビー級王座をもったままこのリングに上がるつもりでいるだろう。チャンピオンでいれば当然、それ相応のビッグカードが組まれるに違いない。そのためにも、鈴木戦は大きな関門。11度目の防衛戦を乗り越えれば、小橋の記録と8・27武道館が見えてくるはずだ。

<1対3ハンディキャップマッチ>
モハメドヨネvsKENTA&金丸義信& 平柳玄藩

杉浦vs鈴木が正統派の大一番なら、5・8有明コロシアムで実現するもうひとつのビッグカードは、NOAHとしてはかなり異色のマッチメークである。それは、モハメドヨネvsKENTA&金丸義信&平柳玄藩の1対3ハンディキャップマッチ。Dis obeyから追放されたヨネが、Dis obeyをディスオベイ(背く)したKENTAたちとたった一人で闘うのである。

KENTAが衝撃のDis obey入りを発表したとき、その理由は明らかにされていなかった。しかしながらKENTAと金丸の間には密約が交わされていたようで、その真相が、ヨネの追放だったのだ。不発軍団と揶揄されたDis obeyに見切りをつけ、KENTAたちはNO MERCY(ノー・マーシー)を結成。その名のとおり、情け容赦ない攻撃を続けている。

NO MERCY対ヨネの3番勝負では勝敗度外視でヨネをいたぶり続けたKENTA&金丸&平柳。これに業を煮やしたヨネが、1対3のハンディキャップマッチも辞さずの構えを見せた。考えようによっては、5・8への前哨戦すべてが1対3だったようなもの。杉浦とのチームで出場した「グローバル・タッグリーグ戦2011」で浮上のきっかけをつかんでいるだけに、ハンディキャップマッチはリスクが大きいながらも不発から大爆発への大チャンスといっていい。

一方、これ以上ヨネにかまっている暇はないというのが、NO MERCYの主張である。GHCジュニアヘビー級タッグ王者の丸藤正道を欠場に追い込み、一気にヘビー級戦線への介入も狙っている模様。現状の3人だとどうしてもジュニアの枠組みでマッチメークされてしまうため、KENTAたちはそんな状況を快く思っていない。シリーズ中にはヘビー級選手の加入を示唆し、高山善廣を勧誘する動きを見せていたが、5・8有明コロシアムでは新体制が見られるのか、そして、NOAH本隊にどう切り込んでいくのか。NO MERCYの出方が、今夏の行方を決めるといっても過言ではない。

<GHCジュニアヘビー級選手権試合>
鈴木鼓太郎vsリッキー・マルビン

そして、鈴木鼓太郎vsリッキー・マルビンのGHCジュニアヘビー級選手権試合も追加決定。磐石の防衛ロードを走っている鼓太郎に、NOAHジュニアを知り尽くしたリッキーが挑戦する。祖国メキシコマット以上に、NOAHでのキャリアが長くなっているリッキーだが、意外にも、シングルのベルトはまだ巻いていない。かつては鼓太郎とのコンビでGHCジュニアヘビー級タッグ王者に君臨したリッキーだが、空中分解によりタッグを解消。遺恨のある相手とあって、よけいに気合が入っている。4・24札幌でのリッキーのアピールからシングルが実現したのだが、ダブルフォールの末、延長でも決着がつかなかった。2年ぶりの挑戦で3度目の正直を狙うリッキーは、日本の集大成としてこの試合に臨んでくるはず。そのあたりを鼓太郎がどうかわしていくのかが、勝負の分かれ目になるだろう。

今回も見どころいっぱいの、NOAH有明コロシアム大会。2011年下半期におけるプロレス界を読むためにも、5・8有コロは見逃せない!