リアルジャパンプロレス12・9後楽園ホール大会直前
船木誠勝vs関本大介の一騎打ちを堪能するための2つのポイント
スーパー・タイガーと諏訪魔の刺激的初遭遇の先にある可能性とは?

 12月9日、東京・後楽園ホールでリアルジャパンプロレス年内最後の大会となる『初代タイガーマスク黄金伝説〜LEGEND OF THE GOLD V』が開催される。

(取材・文:村上謙三久)




●船木誠勝vs関本大介を堪能するための2つのポイント

 

メインイベントはレジェンド王者となった船木誠勝の初防衛戦。「ギリギリの試合がしたい」という新王者に対し、挑戦者として名乗りを挙げたのが大日本プロレスの関本大介だ。

 

「船木の技」対「関本の力」。タイプの違う2人の戦いは刺激的だが、この一戦を楽しむ上で2つのポイントを挙げたい。

 

1つは「過去の関係」。世代も歩んできた道のりもまったく違う船木と関本の間に、2011年12月に全日本マットで実現した1度きりの直接対決以外接点はないと思われていたが、船木が一時現役生活を離れ、役者として活動していた時に秘めた関係があった。

 

2005年に公開された映画『真説タイガーマスク』。哀川翔が主役を務めたこの作品で、船木はタイガーマスク役を演じている。引退して5年が経ち、格闘技生活から完全に離れていた船木は、タイガーマスクの動きを再現すべく、佐山サトル本人に師事して特訓を行った。場所は大日本プロレス道場。その相手を務めたのが関本だった。1999年にデビューした関本が大日本のデスマッチ戦線でちょうど頭角を現し始めていた時期のことだ。

 

子供の頃からプロレスファンだった関本は、“U系”も好きで、パンクラス時代の船木の試合も見ていた。一大ムーブメントを作り上げたパンクラスをけん引する船木の姿は、学生時代の関本から見て、光り輝いていたに違いない。そんな船木との練習はとにかく緊張したという。

 

船木はこの映画に出演したのが縁で、リアルジャパンプロレスの旗揚げ会見に出席。その関係が10年後のリアルジャパン参戦に繋がった。つまり、リアルジャパン旗揚げ直前に、初代タイガーマスク、船木、関本が一緒にトレーニングを積んでいたのだ。旗揚げ10周年記念イヤー最後の大会で、この2人がメインイベントで対戦するのはとても運命的である。

 

もう1つのポイントは試合に直接関係のある「浴びせ蹴り」だ。上記した全日本マットでの直接対決(2011年12月1日、名古屋国際会議場大会における『世界最強タッグ決定リーグ戦』公式戦、船木&河野真幸vs関本&岡林裕二)で、関本は船木の浴びせ蹴りを不意打ちで食らい、KO寸前に追い込まれた。

 

船木は今回の試合に向けて、「打撃で攻める」と明言している。当然、浴びせ蹴りも狙っていくはず。実際にベルト奪取を果たした9・18後楽園でのスーパー・タイガー戦でも、浴びせ蹴りが勝利の決め手となった。「浴びせ蹴り」がどこで放たれ、関本がどう対応するのか。これが勝負の分かれ目になる可能性が高い。一瞬で決まる技だけに、一秒たりとも見逃せない戦いになりそうだ。

●スーパー・タイガーと諏訪魔の初遭遇が持つ可能性

 

セミファイナルでも注目の対戦カードが実現。元レジェンド王者スーパー・タイガーが初参戦の全日本プロレス・諏訪魔とタッグで対戦する。S・タイガーはアレクサンダー大塚と、諏訪魔は佐藤光留とそれぞれ組んで激突するが、両者にとってこの試合は“出直し”の一戦となる。

 

S・タイガーは2013年12月に長井満也を破ってレジェンド王座を戴冠。船木に敗れるまで4度の防衛に成功し、1年9ヵ月間ベルトを保持していた。それ以前にも2012年7月から8ヵ月間王者だった時期があり、まさにS・タイガーにとっては“虎の子”と言えるベルトだ。そんな王座から陥落してしまったのは、大きな後退を意味する。万全ではないコンディションだったとはいえ、船木に完敗を喫したインパクトはそれほど大きい。

 

ベルトを失った以上に大きいのは、リアルジャパンをけん引する立場を船木に奪われてしまったことだろう。初代タイガーマスクの欠場という非常事態の中、リアルジャパンを背負って立とうと決意したはずなのに、通行手形であるレジェンド王座を失ってしまった。
 今回は再び高みを目指すためにも大事な再起戦。そこでS・タイガーは自ら外部との対戦に活路を開こうと団体側に働きかけ、諏訪魔との対戦が決まったのだ。

 

一方、諏訪魔も外部との戦いで辛酸を舐めたばかり。新たな刺激を求めて、昨年から藤田和之戦実現に動いたものの、舌戦ばかりが続いて泥沼化。天龍源一郎の粋な計らいで、11・15両国で行われた引退興行のセミファイナルでやっとタッグ対決(諏訪魔&岡林vs藤田&関本)が現実のものになったが、肝心の戦いは噛み合わず、激しいブーイングを浴び、パートナーを務めた大日本勢の名が大きく上がる結果となった。
 そんな状況でも、諏訪魔は対他団体の継続を決意。そこで決まった最初の試合が今回のリアルジャパン参戦だった。S・タイガーの格闘家としての実力も決して侮れない。藤田戦に引けを取らない危険な対決となる。

 

この試合はさらにその先を見据えた戦いでもある。2人ともメインイベントを強く意識。S・タイガーは当然、レジェンド王座返り咲きを目指しており、諏訪魔もこのベルトに興味を示した。両者とも内容でメインを食ってやろうと虎視眈々と狙っている。
 諏訪魔は前述した天龍引退興行で関本と対戦しており、大日本の12・20横浜大会ではタッグ結成も控えている。かつてはアジアタッグ王座を懸けて争った両雄のライバル関係が一気に燃え上がる可能性も……。もちろん船木も全日本マットでしのぎを削った仲だ。そこにS・タイガーも加われば、リアルジャパン、全日本、大日本の3団体を股にかけた抗争に発展する可能性もある。ただ、今後に繋げるためには、なにより今回の試合が激しい戦いにならなければならない。S・タイガーにも、諏訪魔にも、溜め込んだ鬱憤を晴らすような大暴れを期待したい。

●全試合注目の試合が目白押し

 

その他の対戦カードも全て注目の試合が組まれた。第4試合は藤波辰爾&柴田正人&LEONAvsグレート・タイガー&エディ・フレンチ&那須晃太郎の一戦。藤波は持病でもある椎間板ヘルニアに加えて脊柱管狭窄症も併発して、9月に腰を手術し、11月に復帰したばかり。ほぼ毎大会出場しているリアルジャパンでも9月大会を欠場しており、半年ぶりの登場となる。

 

鋭い蹴りとラフファイトを巧みに使い分けるG・タイガー、レスリングとルチャを融合させた変則的な戦いを見せるフレンチ、イキのいい蹴撃ファイターの那須と相手はくせ者揃い。まだコンディションが万全とは言えない藤波にとってやりづらい3人となるが、ここで心強いパートナーとなるのが息子のLEONAだ。急遽欠場した藤波に代わり、ドラディションの10月シリーズでは連日2試合出場のダブルヘッダーを経験。精神的に一回りも二回りも大きくなった。また柴田もリアルジャパンマットで存在感を強めており、頼りになるはず。藤波だけでなくパートナーの2人の動きにも注目したい。

 

第3試合はウルティモ・ドラゴン&田中稔vsザ・グレート・サスケ&折原昌夫のタッグマッチ。プロレス界で頂上を極めた実力のあるジュニア戦士が揃ったこれ以上にない豪華な試合だが、折原は6月大会で古傷の首を痛めて、9月大会を欠場しており、半年ぶりのリアルジャパン復帰となる。約3年ぶりの出場となるサスケとのコンビで、ウルティモ&稔の実力者タッグを破り、復帰戦を勝利で飾りたいところだが……。

 

第2試合は5分3ラウンド制という変則的な試合。関節技を得意とするタカ・クノウと長谷川秀彦が対戦する。クノウは2010年に開催された第3回世界グラップリング選手権で日本人初の王者になった猛者。一方、長谷川は元全日本サンボ王者であり、元DEEPウェルター級王者で、今年6月にリアルジャパンマットでプロレスデビューを果たしたばかり。世界レベルの関節技の取り合いがこの試合の見所となるが、同時にプロレスへの順応能力も見比べたい。

 

そして、第1試合ではスーパー・ライダー&間下隼人vsグラン浜田&“力道山三世”力のタッグマッチ。間下と力は対戦するたびに意識した戦いを繰り広げており、今回も激しいぶつかり合いでのっけから場内を盛り上げてくれるはずだ。
 今年最後のリアルジャパンプロレスでも熱く激しい“ストロングスタイル”が体感できることは間違いなし。ぜひ会場に訪れて、その目で目撃してみては?


対戦カード

【全対戦カード】
<第6試合 メインイベント レジェンド選手権 60分1本勝負>
[第8代王者]船木誠勝(フリー)
vs
[挑戦者]関本大介(大日本プロレス)

<第5試合 セミファイナル タッグマッチ 60分1本勝負>
スーパー・タイガー(リアルジャパン)&アレクサンダー大塚(AODC)
vs
諏訪魔(全日本プロレス)&佐藤光留(パンクラスMISSION)

<第4試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負>
藤波辰爾(ドラディション)&柴田正人(フリー)&LEONA(ドラディション)
vs
グレート・タイガー(国籍不明)&エディ・フレンチ(フランス)&那須晃太郎(フリー)

<第3試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
ウルティモ・ドラゴン(闘龍門MEXICO)&田中稔(WRESTLE-1)
vs
ザ・グレート・サスケ(みちのくプロレス)&折原昌夫(メビウス)

<第2試合 シングルマッチ特別試合〜5分3ラウンド制>
タカ・クノウ(チーム太田章)
vs
長谷川秀彦(アカデミア・アーザ)

<第1試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
スーパー・ライダー(リアルジャパン)&間下隼人(リアルジャパン)
vs
グラン浜田(フリー)&“力道山3世”力(リキエンタープライズ)

<特別エキシビジョン 2分×2R>
佐藤光留(パンクラスMISSION)
vs
朝倉雅也(神戸)

※出場選手は諸事情により変更となる場合もあります。

■大会名:『初代タイガーマスク黄金伝説〜LEGEND OF THE GOLDIII』
■開催日:12/9(水)
■会場:後楽園ホール (東京都)

2015-12-07 19:14 この記事だけ表示

[レジェンド王者]船木誠勝が関本大介戦への決意を告白
「得意の打撃で“肉の壁”関本選手を斬りにいく!」

 12月9日、リアルジャパンプロレス『初代タイガーマスク黄金伝説〜LEGEND OF THE GOLD V』後楽園ホール大会が開催される。年内最後の大会でメインイベントを飾るのはレジェンド選手権試合。9月大会で王座を獲得したばかりの船木誠勝が、大日本プロレスの関本大介を挑戦者に迎え、初防衛戦に臨む。決戦を控えた船木にタイトル戦に臨む決意と、現在のプロレス観を聞いた。

(取材・文:村上謙三久)




●「映画でタイガーマスク役をやった時が初遭遇」

――対戦カードを発表した記者会見で「関本選手は苦手なタイプ」と仰っていましたね。

船木 やっぱりちょっと未知数なところがあって。今までにあんまりやったことのないタイプというか。大きい選手とはやってきたんですけど、関本選手は身長からするとジュニアじゃないですか。だけど、あの体型というのは今までにないタイプですね。

――同じパワーファイターでも、全日本マットで対戦した諏訪魔選手とは違いますよね。

船木 違うと思います。逆に自分より背が低くて体重のある相手だと、ハイブリッドブラスターで持ち上げるのが難しいんですよね。苦戦するんじゃないかというイメージがあります。

――関本選手とは、2011年に『世界最強タッグ決定リーグ戦』の公式戦(12・1名古屋大会での船木&河野真幸vs関本&岡林裕二)で1度だけ対戦経験があります。

船木 岡林選手を蹴った感覚はあるんですけど、関本選手と絡んだ記憶があまりないんです。

――直接対戦はしなくても同じリングに立つことはよくありますが、関本選手の試合はご覧になっていますか?

船木 結構見ますね。正直、あまりやりたくないなと。何でも跳ね返してしまいますしね。

――関本選手は現在34歳で、デビュー16年。プロレスラーとして脂が乗っている時期です。

船木 今が最高な時じゃないですかね。業界の中で注目されているレスラーのひとりだなという感じがします。実は、彼のことを2005年に知ったんです。映画『真説タイガーマスク』でタイガーマスク役をやった時に練習相手をしてもらったんですね。大日本プロレスの道場でやっていたんですけど。

――船木さんが現役復帰をする前に役者として活動されていた時期ですね。

船木 佐山さんの指導で、関本選手を相手に1、2週間ぐらい練習をやったんです。その時に「凄い体をしてますよね」っていう話を佐山さんとしてたんですけど、それが初対面ですね。その後、2010年にプロレス復帰をしてから、彼の試合を見るようになって、「ああ、あの選手がこんなに活躍するレスラーになったんだな」って。


●「異種格闘技戦のような試合になると思います」

――戦うとなると、やはり打撃から崩しに行く作戦でしょうか?

船木 それしかないですよね。やっぱり正面から組み合ったとしても、完全に力負けすると思いますから。打撃を入れながら崩していかないと無理だなという感じがします。

――ああいう体型の選手を蹴っていると自分も疲れるのではと思うんですか。

船木 あまり鍛えている部分は狙えないですね。こっちがしんどくなっちゃうんで、要所要所で効く場所を狙っていかないと。頭を蹴っても倒れなそうな感じもしますからね。どこまで自分の打撃を受けきれるのかなという興味もあります。今まで戦ってきた選手のほとんどが自分の打撃を強烈だと言っていましたんで。

――考え方を変えれば、いつも以上に思いっきりいけると。

船木 そうですね。今回に関しては「力」対「技」というのが一番表現しやすい試合になると思います。

――船木選手がいくら蹴っても、あの強烈な逆水平チョップとの打ち合いになってしまうときついでしょうね。

船木 正直、打ち合ったら無理でしょう。まあ、自分はスタイル的にも打ち合いには持ち込ませないので。そういう意味で言うと、ちょっと異種格闘技戦のような試合になると思います。どれだけ体が丈夫だと言っても、人間なんで急所があるものなんです。普通の人であれば1発で倒れるものが、もしかしたら3発、4発、5発をかけないと倒せないかもしれないですけど、そこは根気強くやっていくしかないですね。

――狙えるなら短期決戦もありえますか?

船木 突拍子もない技がハマれば、短期決戦はありだと思います。ただ、それなりに警戒はしてくると思うので、どうですかね? 打撃で短期決戦という作戦はあんまり通用しない気がします。


●「セミを意識したらやられてしまうんで、関本選手しか見えないです」

――きつい戦いが想定されますが、それが楽しみな部分もありますか?

船木 そうですね。フリーになったので、やったことのない試合をドンドンやっていきたいという気持ちがありますんで。今年最後にこの試合が出てきて、いい仕事終わりじゃないですけど、勝って年を越したいなという気持ちがあります。

――レジェンド王座のベルトを獲った時に「何歳までもできないギリギリの試合をやりたい」と仰っていましたが、まさにそういう戦いになりそうですか?

船木 はい。今日、たまたまドリー・ファンク・ジュニアやマスカラス、ザ・グレート・カブキさんと組むんですけど(取材日は12月1日)、おそらく自分の場合は、今のスタイルでやっていくと、70歳までリングに立つことはできないと思うんです。ここまできたら、いつリングに上がれなくなってもいいような、悔いのないような試合をしていきたいですね。試合数が減った分、一戦一戦記憶に残るような感覚でやっていますんで。

――セミファイナルでは、スーパー・タイガー選手と全日本プロレスの諏訪魔選手がタッグで対戦することになりました。お二人とも船木さんと縁のある選手ですが。

船木 それこそ関本選手を含めて、タイトルに絡む可能性がある実力者が増えていけばタイトルも光ってくると思うんですよね。そういう意味では、諏訪魔選手のリアルジャパン参戦は大賛成です。

――「試合内容で勝負したい」という意識もあるようなのですが、それを受けて船木さんは?

船木 自分が一番いい試合をしたいというのはみんな思うことなんで。自分の場合、そういうことを考える時代からかなり経っているのでね。今はとにかく頑張って、最高の感覚で試合ができれば、ファンの人たちも楽しんでくれるだろうという気持ちでいます。メインを食うとか、セミに負けないとか、そういう感覚ではないです。

――やはり自分との戦いという気持ちが強いと?

船木 そうですね。他の試合に目を向けてたら、おそらく相手にやられてしまうと思うんで、関本選手しか見えないです。


●「レジェンド王座は自分のためにあるベルトじゃないかなって」

――レジェンド王座のベルトを巻いた時、最初は「実感がない」と仰っていましたね。

船木 正直、スーパー・タイガー選手がベルトを持っているなとは思っていたんですが、どういう防衛戦をやっていたのかをまったく知らなかったんで。自分がリアルジャパンに参戦した時にタイトルマッチは1回も見てないんです。そういうところで、「このベルトはどんな存在なんだろう?」と思ってました。

――ベルトを取って3ヵ月経ちましたが、自分に馴染んできた感覚は?

船木 なんか自分のためにあるベルトじゃないかなって。それぐらいに今は思っています。写真で見たら本当に似合ってたんで、凄く愛着がありますね。昔、初代タイガーマスクが巻いていたベルトのデザインと近いじゃないですか。全日本では三冠王座も獲ったことがあるし、ZERO1の世界ヘビー級王座も巻いたんですけど、どこか「他人のベルト」という感覚があって。でも、今回は「自分のベルト」という感じがするんです。

――船木さんがリアルジャパンに参戦し始めてから2年が経ちました。初代タイガーマスク選手とのタッグ結成、長井満也選手や藤原喜明選手との再会、そしてレジェンド王座奪取とドラマティックな試合が続いてきましたが、船木さんの目から見て、この団体はどんな印象ですか?

船木 やっぱり自分が15歳からやっていた新日本の源流を受け継いでいる団体だなと思いました。自分が20歳で新日本を辞めて、20年経ってプロレスに戻って来たんですが、その空白の時間がリアルジャパンには感じないですね。40歳の時に久しぶりに全日本プロレスに復帰して、武藤さんの団体だったんですけど、まったく自分の知らないプロレスが行われてたんですよ。浦島太郎みたいな感じでやってたんですけど、リアルジャパンは昔のままの源流があるなと思いました。

――全日本やWRESTLE−1での船木選手も異質な雰囲気がして良かったですが、リアルジャパンに出ると、物凄くハマるというか。

船木 なんかしっくり来るんですよね。それはたぶん、お客さんも見ててそう感じていると思います。それはタイガーマスクという存在が大きいと思います。

――現在、初代タイガーマスク選手は欠場中で、船木選手はことあるごとに「帰ってくるまで団体を守りたい」と仰っています。それだけ思い入れが強いんでしょうか?

船木 自分も46歳ですけど、30年以上前のタイガーマスクの記憶が未だにありますからね。佐山さん自身も最初はタイガーマスクをやりたいと思ってマスクを被ってなかったはずなんです。でも、それがこういう形になって、いろんな人の気持ちを動かしている。人の運や縁を感じますし、不思議だなって思います。


●「“プロ”と“モノマネでやる遊びのプロレス”は違うんです」

――リアルジャパンは“ストロングスタイルの復興”を旗印にしていますが、船木さんが思うストロングスタイルとはどんなものなんでしょう?

船木 自分が思うのは、“本当に強い人がやるプロレス”だと思っています。強くなるための練習をして育ってきた人間が行うプロレスだと思っていて。

――初代タイガーマスク選手が打ち出す考え方には共感できると?

船木 はい。それがプロレスだと思っているし、そうであってほしいですよね。じゃないと、胸を張って「自分はプロレスラーです」と一般の人に言えないと思うんです。今はお笑い芸人がプロレスをやったり、そういうイメージが強くなっているんで。でも、「プロ」と「モノマネでやる遊びのプロレス」は違うんです。本当に強い人がやることなのか。それとも強くない人が型でやっているのか。その差だと思いますね。

――プロレスに復帰して6年になりますが、いろいろと見てきて、そういう考えに至ったと?

船木 今の結論ですね。「別に強かろうが、強くなかろうが関係ないだろう」と言う人もいっぱいいると思うんですが、やっぱり戦いですから。「試合」って打っているわけですから、本当に戦い方を知らない人が型だけでやるもんじゃないと思うんです。そこは絶対に守っていきたいなと思いますね。パフォーマンスができることを最優先するんであれば、ダンサーとか、お笑い芸人とかの方がよっぽど上になっちゃうと思うんです。その人たちとの差が何かと言ったら、自分たちは戦いを見せているわけですから、強さだと思います。少なくとも、レジェンド王座に絡む相手はそういう人を選んでやっていきたいですよね。

――フリーに転向された際に「勝負するのは50歳まで」と仰っていましたが、今後はどういう戦いをしていきたいですか?

船木 できれば「若い人に倒されたい」です。ただ、自分も「倒されたい」だけでやるわけにはいかないですからね。今の自分ができる“最高”というものを常にキープしていきたいんで。それに対抗して自分を倒せる人に出てきてほしいなと思います、素直に。本当にお客さんも納得して、世代交代ができるような……。あと3、4年でそうなればなと。それが自分の理想ですね。

――ベルトを奪取した時に、前王者であるスーパー・タイガー選手との再戦を見据えた発言がありましたが、彼がそういう存在になる可能性もありますか?

船木 今だと「まだだな」という感覚があって、自分の中には勝てる自信がありますね。彼のプロレス自体が固まっていないような印象があります。スーパー・タイガーという影に潰されているような気がして。あの人の中身が出てきたら、もっと強くなりますよね。また挑戦してきてほしいです。


●「今も進化していて、昔の自分に勝てるような気もするんです」

――現役としてのゴールを見据えている中で、それでも自分が進化しているという感覚もありますか?

船木 進化はしていると思います。若い頃と比べたら、体力的には絶対に昔の方がありますけど、昔の自分に勝てるような気もするんですよ。その頃は知らなかった技や戦い方があって、今だからこそわかるものがあるんです。経験って凄い大事だなと思いますよ。ずるさで昔の自分を封じ込めれる可能性はあると思います。ドンドン無駄がなくなってきているんですよね。昔はいろんなことをやったりしましたけど、できなくなった分、本当に得意なところに集約するというか。そういう感覚ですよね。あえてあれもこれもという風にはしないようにしてます。

――復帰された直後よりも充実しているように見えます。

船木 今は自分がわかってきたというか。以前のように「どうしたらいいんだろう?」とか、「これをやった方がいいのかな?」って手探りでやっていた時はしっくりこなかったんですよね。

――今後、戦ってみたい相手はいますか?

船木 やっぱりやってない人ですね。ノアとか、新日本の選手にはほとんど触ってないんで。この間、アレクサンダー大塚選手の20周年大会でノアの選手とチラッと絡みましたけど(10・28後楽園ホール大会。大塚&モハメド ヨネvs船木&杉浦貴)、やっぱり新鮮ですよ。組むのも新鮮だし、やるのも新鮮っていう。自分もそう思うということは、ファンの人はもっと思っているはずなんです。これも組織の問題になると思うんですけど、門は常に開けておいてほしいです。諏訪魔選手が今回リアルジャパンに出ただけでも、カードに厚みが出ますから。そういう風にいろんなところにいろんな選手が出ていった方がいいと思うし、自分のその中に入りたいです。

――まさにリアルジャパンは開かれたリングで、様々なタイプの選手が出場していますから、こういうタイミングで船木さんが王者になったのも巡り合わせかもしれないですね。最後に関本戦に向けて、ファンの皆さんにメッセージを。

船木 初防衛戦なんで緊張してますけど、ベルトを守って来年を迎えたいという気持ちが強いです。自分の得意な打撃で“肉の壁を斬る”という、そういう気持ちで関本選手を斬りにいきたいと思います。応援よろしくお願いします。


対戦カード

【全対戦カード】
<第6試合 メインイベント レジェンド選手権 60分1本勝負>
[第8代王者]船木誠勝(フリー)
vs
[挑戦者]関本大介(大日本プロレス)

<第5試合 セミファイナル タッグマッチ 60分1本勝負>
スーパー・タイガー(リアルジャパン)&アレクサンダー大塚(AODC)
vs
諏訪魔(全日本プロレス)&佐藤光留(パンクラスMISSION)

<第4試合 6人タッグマッチ 30分1本勝負>
藤波辰爾(ドラディション)&柴田正人(フリー)&LEONA(ドラディション)
vs
グレート・タイガー(国籍不明)&エディ・フレンチ(フランス)&那須晃太郎(フリー)

<第3試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
ウルティモ・ドラゴン(闘龍門MEXICO)&田中稔(WRESTLE-1)
vs
ザ・グレート・サスケ(みちのくプロレス)&折原昌夫(メビウス)

<第2試合 シングルマッチ特別試合〜5分3ラウンド制>
タカ・クノウ(チーム太田章)
vs
長谷川秀彦(アカデミア・アーザ)

<第1試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
スーパー・ライダー(リアルジャパン)&間下隼人(リアルジャパン)
vs
グラン浜田(フリー)&“力道山3世”力(リキエンタープライズ)

<特別エキシビジョン 2分×2R>
佐藤光留(パンクラスMISSION)
vs
朝倉雅也(神戸)

※出場選手は諸事情により変更となる場合もあります。

■大会名:『初代タイガーマスク黄金伝説〜LEGEND OF THE GOLDIII』
■開催日:12/9(水)
■会場:後楽園ホール (東京都)

2015-12-04 21:42 この記事だけ表示

■大会名:初代タイガーマスク リアルジャパンプロレス 『貴闘力 炎の第二戦!』
■開催日:12/5(金) 開場/17時30分 試合開始/18時30分
■会場:後楽園ホール (東京都)





(構成・文:新井 宏)

初代タイガーマスク率いるリアルジャパンプロレスが12月5日(金)東京・後楽園ホールにて「貴闘力 炎の第二戦!」(開場/17時30分、 試合開始/18時30分)を開催する。

 タイトルにもあるように、この大会は4・16代々木競技場第二体育館で衝撃のプロレスデビューを実現させた元関脇・貴闘力の第2戦だ。前回は“世界一性格の悪い男”鈴木みのるを用心棒に“邪道”大仁田厚&矢口壹琅組と対戦、初陣でいきなり自力勝利をかっさらい、絶大なインパクトを残してみせた。

 46歳の遅咲きデビューながら、大相撲・元関脇の肩書は伊達ではなかった。その強さは誰が見ても認めざるを得ないほど圧倒的。そのうえ、大相撲時代にはあり得ないプロレス独特の攻めにも耐え抜いた。机、有刺鉄線を巻きつけたバットでの殴打。さらには有刺鉄線ボードに叩きつけられ大仁田から毒霧を浴びた。そして、額からの流血…。そのすべてを耐えて繰り出した矢口への強烈な張り手。フィニッシュの取れる張り手をプロレス界に持ち込み、貴闘力という男の生き様を強烈にマットに叩きつけた。これだけやれば、ネクストに期待するなという方が無理である。

 あれから8カ月、満を持して貴闘力がふたたびリングに上がる。9・18後楽園で発表されたように、パートナーには初代タイガーマスクが直々に名乗りを上げた。年内最後のジャパンプロレスで、初代タイガー&貴闘力という夢のチームが実現することになる。

 気になる対戦相手には、こちらもふたたび“邪道”大仁田が出陣を宣言した。11月6日におこなわれた初代タイガーと貴闘力の公開練習に矢口を伴った大仁田が乱入。ここから貴闘力と大仁田の“再戦”が決定し、さらにはリアルジャパン軍vs邪道軍の5対5全面対抗戦に戦火が拡大。11月11日におこなわれた会見では、リアルジャパン軍が初代タイガーマスク&貴闘力&スーパー・タイガー&アレクサンダー大塚&タカ・クノウ組、邪道軍が大仁田厚&田中将斗&矢口壹琅&保坂秀樹&リッキー・フジ組と発表された。ルールについては大仁田の要求を飲んで「ストリートファイト・エニウェアフォール10人タッグデスマッチ」に決定。デスマッチだけに凶器持ち込みも認められ、リング内はもちろん場内どこでも決着がつくストリートファイト・エニウェアフォールが採用される。 振り返ってみれば、貴闘力のプロレスデビューきっかけとなったのが昨年9月の後楽園ホール。リアルジャパンの大会を観戦していた貴闘力が大仁田に襲撃されたのが発端である。あのときの混乱が蘇ることは必至だが、今回は試合として正式に闘いがおこなわれるのだ。不意打ちを食らうはなく、こんどは遠慮なく向かっていける。4・16で見せた強さがさらに上乗せされて発揮されるのではなかろうか。

 貴闘力と大仁田の絡みに注目が集まるのは当然。しかし、この試合の見所はここだけではない。リアルジャパン初参戦となる田中将斗の闘いぶりも楽しみのひとつだ。田中は、ZERO1をホームリングとする大仁田の弟子。FMWでデビューした田中はどこのリングでも抜群のコンディションを誇る。現在、NOAH杉浦貴とのコンビでGHCタッグ&NWAインターナショナルタッグの2冠王者。また最近では師匠の大仁田と組み、電流爆破デスマッチにも出陣している。正統派の試合からハードコア、デスマッチに至るまで、どんな闘いでも最高のコンディションで臨むのだ。その田中が貴闘力とどんなコンタクトを果たすのか。両者の絡みも見逃せないポイントである。田中の弾丸ファイトと貴闘力による殺しの張り手。考えるだけでもゾクゾクする。

 また、リアルジャパン陣営からすればスーパー・タイガーにも期待したい。7・2後楽園では初代タイガーが直前の肉離れで欠場。スーパーは初代に代わり、2試合連続で闘った。頼もしい存在である一方、団体の未来を考えればいつまでもナンバー2の座に甘んじてはいられない。大きすぎるレジェンドの壁であるが、邪道軍との闘いで最も目立つことができれば、その存在感は一気に増すことができる。貴闘力に当たるであろうスポットライトをかっさらうくらいの気持ちが欲しい。この試合には、誰もが主役になれる権利がある。  なお、この全面対抗戦にリアルジャパン軍が負ければ“団体フラッグ”を邪道軍に明け渡さなければならない。この旗は旗揚げから大会、会見を問わず掲げられてきた、虎マークのロゴが入った団体の象徴。それを奪われることはリアルジャパンそのものを乗っ取られることを意味している。団体最大の危機を初代タイガーがどう乗り越えるのか。あっさりと引き渡すのか、それとも意外なヒーローが誕生するのか…。 そのほか、同大会には藤波辰爾、スーパー・ライダー、ウルティモ・ドラゴン、グレート・タイガー、百田光雄、折原昌夫、小笠原和彦、グラン浜田、若翔洋、力(力道山3世)、間下隼人ほか、精鋭陣が参戦予定。貴闘力を加えた初代タイガー軍と大仁田率いる邪道軍の全面対決がおこなわれるリアルジャパン12・5後楽園は、後世に語り継がれるレジェンドイベントになる!



■大会名:初代タイガーマスク リアルジャパンプロレス 『貴闘力 炎の第二戦!』
■開催日:12/5(金) 開場/17時30分 試合開始/18時30分
■会場:後楽園ホール (東京都)



【対戦カード】
<メインイベント 第6試合 エニウェアフォールストリートファイトデスマッチ 10人タッグマッチ 60分1本勝負>
“リアルジャパンvs大仁田軍団 5対5全面戦争!”
初代タイガーマスク&貴闘力&スーパー・タイガー(リアルジャパン)&アレクサンダー大塚(AODC)&タカ・クノウ(チーム太田章)
vs
“邪道”大仁田厚&田中将斗&矢口壹琅&保坂秀樹&リッキー・フジ

<セミファイナル 第5試合 タッグマッチ 60分1本勝負>
藤波辰爾(ドラディション)&鈴木秀樹(フリー)
vs
齋藤彰俊(プロレスリング・ノア)&柴田正人(U-FILE CAMP)

<第4試合 シングルマッチ 30分1本勝負>
グレート・タイガー(国籍不明)
vs
間下隼人(リアルジャパン)

<第3試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
ウルティモ・ドラゴン(闘龍門MEXICO)&小笠原和彦(PRO-KARATE 押忍闘夢)
vs
ブラック・タイガー(国籍不明)&若翔洋(Yamaishi Pictures)

<第2試合 タッグマッチ 30分1本勝負>
百田光雄(リキエンタープライズ)&折原昌夫(メビウス)
vs
グラン浜田(フリー)&“力道山3世”力(リキエンタープライズ)

<第1試合 シングルマッチ 20分1本勝負>
スーパー・ライダー(リアルジャパン)
vs
ベアー福田(SECRET BASE)

※出場選手は怪我その他諸事情により変更となる場合があります。

2014-12-03 11:59 この記事だけ表示