【大会直前見所特集コラム】12月11日(土)『K-1 WORLD GP 2010 FINAL』

立ち技世界最強の男を決める日が今年もやって来た。12月11日(土)東京・有明コロシアムで開催される『K-1 WORLD GP 2010 FINAL』。10月2日に韓国で行われた開幕戦で勝ち残った8名によるワンデートーナメントで、雌雄が決せられる。

『K-1 WORLD GP 2010 FINAL』
★公演日:12月11日(土)16:00試合開始
★会場:有明コロシアム
★チケット申込はコチラ!



■総合格闘技からの刺客アリスターがK-1を制圧してしまう!?

 昨年まで主役を張っていたバダ・ハリがオランダで起きたトラブルのため出場を辞退し、優勝争いはさらに混沌としてきた。そんな中、今年の主役となりそうなのが総合格闘技DREAMからの刺客であるアリスター・オーフレイム(オランダ)だ。

 この筋肉隆々モンスターはK-1ルールでも恐るべき実力を発揮。バダ・ハリ、エヴェルトン・テイシェイラ、ジャバット・ポトラック、ベン・エドワーズを全て1Rでマットに沈め、ピーター・アーツにも内容的に圧倒しての判定勝ち。ワールドGPを3度制しているレミー・ボンヤスキーには判定で敗れ、バダ・ハリにもリベンジを許しているが、今回はその天敵2人が出場していない。

 ガードの上からでも効いてしまう異常なパンチ力と総合格闘技でも数々の相手をKOしてきた打点の高いヒザ蹴りを武器に、今年はK-1を制してしまう勢いなのだ。

 今回のトーナメント準決勝ではまずタイロン・スポーン(スリナム)と対戦。スポーンは85勝(58KO)5敗1分1無効試合という驚異的な勝率を誇るテクニシャンで、現在はあの“ミスターパーフェクト”アーネスト・ホーストに師事している。ホーストが打倒アリスターのためにどんな秘策を用意しているのか、スポーンが技でアリスターの力をどう封じ込めるかが見どころとなる。

 しかし、アリスターは「スポーンの技で気をつけるもの? 特に何もないね」と自信満々だ。さらに「全試合1R2分でKOする予定だ」と全試合1RKO勝利を予告している。

 アリスターがスポーン戦をクリアしたとしても、包囲網はまだまだ続く。準決勝ではグーカン・サキ(トルコ)VSダニエル・ギタ(ルーマニア)の勝者と対戦することになる。サキは身長182cm、体重100kg(アリスターは195cm、120kg)とヘビー級としては小柄だが、その分、スピードとテクニックがあり、特に出入りの速さに関してはアリスターを苦しめる可能性は十分。ギタは正統派のキックボクサーで破壊力抜群のローキックを得意とし、アリスターも足のダメージは免れない。

 そして、決勝戦ではおそらくホーストに続いて2人目の4タイムス・チャンピオンとなった“絶対王者”セーム・シュルト(オランダ)との対戦になることが濃厚だ。K-1では2年間負けなし、昨年の決勝トーナメントではジェロム・レ・バンナ、ボンヤスキー、バダ・ハリを全て1RでKO(3試合の合計タイム=5分43秒で、これがK-1 WORLD GP決勝の最短優勝記録)するという離れ業で優勝を遂げている。このラスボスに勝たないことには、アリスターのK-1制圧という野望は達成されない。

 アリスター自身も「決勝で戦いたい相手? シュルトだ」と即答。「彼はK-1で4度優勝しているし、本物のチャンピオンになるためには現在のチャンピオンであるシュルトを倒さなければいけない」と、打倒シュルトに意欲を燃やしている。

■日本のエース京太郎はシュルト5度目の優勝をストップ出来るか?

 もちろん、シュルトもその前に2試合を勝たなければならない。準々決勝では武蔵に代わって日本のエースとなった京太郎(チームドラゴン)、準決勝ではマイティ・モー(アメリカ)VSピーター・アーツ(オランダ)の勝者と対戦する。京太郎は得意のカウンターパンチでアーツをKOした実績が光るし、アーツはシュルトに判定勝ちしたことがある。モーは初対決で敗れてはいるものの、判定にまでもつれ込んだ。

 京太郎、アーツ、モーの3人のうち、最もシュルトを苦しめるとすれば・・・、それは京太郎だろう。ヘビー級としてはスピードがあり、ヘビー級の選手はあまり使わない速いフットワークを駆使する京太郎は、これまでアーツ、モー、バンナ、サキ、メルヴィン・マヌーフを破った実績を持っている。名参謀・前田憲作チームドラゴン代表が策を授け、フットワークで動き回ってシュルトの攻撃をかわし、カウンターが狙えるタイミングを待つのではないか。もし京太郎がここでシュルトに勝つようなことがあれば、ヘビー級に革命を起こすことになる。

 シュルトが前人未到の5タイムス・チャンピオンとなるのか、それともアリスターがK-1を制圧してしまうのか? 京太郎、サキ、ギタ、スポーンが新時代の幕を開けるのか、40歳の大ベテランであるアーツが奇跡を起こすのか? はたまたダークホースのモーがサプライズを起こすのか? 一発のパンチで流れが変わるヘビー級だけに、今年も目が離せない緊張感のあるトーナメントとなるだろう。

 スーパーファイトでは日本人ヘビー級ファイターとして武蔵と共に活躍した“ブンブン丸”こと藤本祐介(モンスターファクトリー)が引退試合を行う。藤本は2007年3月4日に日本人選手として初めて武蔵を破った選手であり、ワールドGPにも日本代表として出場したことがある。ブンブンと振り回す左右のフックで相手をなぎ倒すファイトスタイルが見られるのは、今回が最後だ。

 対戦相手はワールドGP開幕戦でシュルトをあと一歩のところまで追い詰めた強豪ヘスディ・カラケス(エジプト)が用意されたが、藤本は「悔いを残さないように、僕の中の美学であるKOで勝つか負けるかの試合をする」と宣言。こちらも激しい試合となりそうである。

 他にもエヴェルトン・テイシェイラ (ブラジル)VSエロール・ジマーマン(キュラソー島)のKO決着が期待できそうなリザーブファイトと、総合格闘家セルゲイ・ハリトーノフ(ロシア)VSアジアの巨人シング“心”ジャディブ(インド)のスーパーファイトも行われる。

 また、ハーフタイムショーには昨年のAKB48に続き、人気アイドルユニット「ももいろクローバー」の出演が決定! これは今大会プロモーションのために来日したアリスターが、11月3日に都内で行われたももいろクローバーのライブにサプライズ登場し、その時にアリスターが言った「12月11日、俺が優勝するところを観に来てくれよ!」という約束を果たすため、ハーフタイムショーの出演が決定したというもの。いま最も熱い注目を浴びる6人組ガールズユニットの応援を受けて、アリスターはますますパワーアップしてしまうのか!?
 魔裟斗引退後の“主役”を決める熾烈な争いが、いま始まる! 3月27日(土)さいたまスーパーアリーナ・コミュニティアリーナで開催される『K-1 WORLD MAX 2010〜-70kg Japan Tournament〜』は、大みそか『Dynamite!!』で魔裟斗が引退し、絶対的エース不在で幕を開ける。逆を言えば誰もが魔裟斗の跡を継ぐ存在になりえるチャンスがあるということだ。魔裟斗に代わり、日本を背負うのは誰だ!?
(構成・文:GBR編集長 熊久保英幸)


★大会名:『K-1 WORLD MAX 2010〜-70kg Japan Tournament〜』
★日 時:3/27(土)17時00分開始
★会 場:さいたまスーパーアリーナ コミュニティアリーナ
★大会詳細とチケット申込はコチラ!


■小比類巻VS長島☆自演乙☆の超異色対決が1回戦で実現!

 今年で8年目を迎えるMAXの日本代表決定トーナメント。魔裟斗に継ぐ日本ナンバー2の座にいた佐藤嘉洋を除き、日本人ファイター全員が横一線からスタートする。2月19日に行われた公開抽選会でトーナメント組み合わせは以下のとおりに決定した。

城戸康裕(谷山)VS龍二(リアルディール)
小比類巻太信(BRAVI RAGAZZI)VS長島☆自演乙☆雄一郎(魁塾)
中島弘貴(バンゲリングベイ・スピリット)VS TATSUJI(アイアンアックス)
山本優弥(青春塾)VS日菜太(湘南格闘クラブ)

 準決勝は城戸VS龍二の勝者と小比類巻VS長島の勝者、中島VSTATSUJIの勝者と山本VS日菜太の勝者で争われ、決勝戦まで1日で行う1DAYトーナメント。優勝するためには1日で3試合を勝たなければいけない。過酷だ。
 2004&2005&2009年と日本トーナメント過去最多の優勝回数を誇る小比類巻は、昨年大ブレイクした長島と対戦。ミスターストイックVSコスプレファイターという正反対のキャラクターを持つ異色対決となった。この組み合わせ決定に小比類巻は「去年の時点から一番やりたくないと思っている選手とやることになりました」と苦笑。それに対して長島は「小比類巻選手とは前からやりたかったんですよ。今年は山本君ともやりたかったんですけれど、僕的にはラッキーかなと。なぜなら某掲示板のやつらが(小比類巻と)やれって言うからさ!」と、臨むところだと言わんばかり。
 小比類巻が「全く試合を見たことがないんで、これから帰って研究しようと思います」と言えば、長島は「それってツンデレでしょ? 最後は僕とやりたかったと言ってくれると思います!」と小比類巻をカリカリさせるような発言。すでに心理戦は始まっていた。トータル的には小比類巻の有利は間違いないが、長島には“一発”の破壊力と変則的なサイドステップがあり、昨年から魔裟斗のジムであるシルバーウルフにも出稽古で通っていることから、油断は出来ない。
 2008年日本トーナメント優勝の城戸は、昨年1回戦で日菜太に敗れて日本王者としては史上初めて二連覇を達成することが出来なかったという不名誉な記録を作ってしまった。その後は2連勝するも、昨年10月に佐藤嘉洋とダウンの応酬の末にKO負け。ナンバー3ということになるが、今回のトーナメント次第ではさらにランクが下がってしまう怖れもあり崖っぷちにいると言っていいだろう。
 その城戸がトーナメント抽選会で自ら1回戦の対戦相手に選んだのが、RISEの70kg級チャンピオンである龍二だ。龍二は城戸が優勝した2008年のトーナメントに出場し、城戸と決勝戦を争ったHAYATOに1回戦で判定負けを喫している。しかし、城戸が敗れている我龍真吾と菊池浩一には勝っており、侮れない存在だ。強打とローキックが武器で、手数を出して前に出るタイプなので城戸にとってはやりやすいだろうが、そのまま押し切られるようなことがあれば番狂わせが起きるかも……。

■山本優弥VS日菜太の若手対決、最年少の中島も参戦

 もう一方のブロックでも注目のカードが実現する。昨年、初の“魔裟斗抜き”となった世界トーナメントで日本人唯一の決勝トーナメント進出を果たした山本と、昨年の日本トーナメントで城戸の2連覇を阻止して10月にはマイク・ザンビディスを破った日菜太の一騎打ちだ。山本25歳、日菜太23歳と明日のMAXを担う年代同士の対決となる。トーナメント抽選会では日菜太が小比類巻と山本のどちらかを選ぶ立場だったが、日菜太は迷わず山本を選んだ。“勝算あり”ということか。
 だが、日菜太が「山本選手とは最初からやりたいと思っていました。相手は世界ベスト4の選手なんで、ダメージなくやりたかったです。胸を借りるつもりで頑張ります」と言えば、山本は「僕は小比類巻選手にリベンジしたかった。日菜太選手は僕としてはやりやすい相手だと思います」と、眼中にないとでも言わんばかり。
 日菜太は“黄金の左ミドル”と呼ばれる左ミドルキックを得意とし、山本も目立つのはパンチだが左ミドルを得意としている。さらに、キックボクシングで左ミドルが得意な選手とは闘いなれており、苦手意識もなさそう。ただ、日菜太はプロボクシングWBA世界スーパーフェザー級チャンピオンの内山高志と練習を積んでおり、左ミドル+パンチで来た場合は相乗効果で日菜太の左ミドルが活きそうだ。谷川貞治K-1イベントプロデューサーも「個人的には第4試合の日菜太VS山本優弥がポイントになると思います」とこの試合を挙げており、勝者がそのまま勢いに乗って優勝という可能性は高いと思われる。
 昨年は日菜太が最年少だったが、今年はさらに若い選手が出場する。『Krush』で行われた70kgトーナメントを制し、出場権を勝ち取った中島だ。他の出場選手を見ると小比類巻32歳、龍二31歳、TATSUJI28歳、城戸27歳、長島25歳、山本25歳、日菜太23歳と、中島の21歳はかなり若い。中島はヴァンダレイ・シウバやマウリシオ・ショーグンが所属していたシュートボクセの日本支部出身という異色の経歴を持ち、試合の時は常にシュートボクセのロゴ入りショートスパッツを着用。和製シウバさながらのパンチでの突進とヒザ蹴りを得意とする。日本トーナメント常連のTATSUJIもパンチで前に出る選手のため、期待通りのバチバチの打ち合いが見られるだろう。キャリアで優るTATSUJIがやや有利か。
 小比類巻が優勝すれば史上最多更新の4度目、城戸なら魔裟斗・佐藤嘉洋とならぶ2度目、他の選手はいずれも初優勝となる今回の日本トーナメント。魔裟斗なきMAXで新たな主役となり、世界トーナメントに日本代表として出場するのは誰になるのか?

■史上最強王者ペトロシアンに挑む佐藤嘉洋「穴が2つ見つかった」

 実力では日本勢の中で抜き出ている佐藤嘉洋は、スーパーファイトでなんと昨年の世界王者ジョルジオ・ペトロシアンとの一騎打ちが決定している。サウスポーから繰り出す左ミドルと左ストレートを始め、オールラウンドに何でも使いこなすテクニシャンであり、相手の攻撃をかわすのが抜群に上手いペトロシアンは、早くも“MAX史上最強王者”の呼び声も高い。
 しかし佐藤は「今回の試合で自分に求められているのは善戦じゃなくて勝利。確実に勝てる作戦を立ててもらって、延々とそれを練習しているところです。2個くらい穴が見つかりました」と、打倒ペトロシアンの糸口が見つかったと断言。「世間的には8:2くらいで差があると思うんですけど、何となくいける気がします」と勝利の予感があるという。ペトロシアンを破れば、世界トーナメント優勝の可能性はグッと上がり、誰もがMAXのエースと認めるだろう。ここは佐藤の勝利に期待したいところだ。
 また、今大会よりMAXにニューコンセプトが生まれる。63kg以下の選手(MAXは70kg以下)を対象とした『K-1ライト級』で、今回は2試合が組まれたのだ。ライト級は5月大会から日本人16名によるトーナメントの開催も予定しており、谷川イベントプロデューサーが「第二の魔裟斗はライト級にいるかもしれない」と期待を寄せている。
 その第一弾として、高い身体能力と空手仕込みの多彩な蹴り技を持つ小宮山工介と、かつて魔裟斗やアンディ・サワーと激闘を展開した村浜TAKE HERO(テイク・ヒーロー=武洋から改名)が激突。毎回、会場を沸かせる元プロボクシング日本チャンピオンの渡辺一久と、『DREAM』に出場した総合格闘家のDJ.taikiという異色対決も実現する。
 特に小宮山は谷川イベントプロデューサーが「ポスト魔裟斗の1人」と言うほど期待しており、本格的にスタートするライト級のエース候補である。スピードとテクニックが持ち味となるライト級が、ファンの支持を得ることが出来るかも注目のポイントだ。
 MAXの新たなる歴史がこの日から始まる! 見逃すな! 魔裟斗引退後の“主役”を決める熾烈な争いが、いま始まる! 3月27日(土)さいたまスーパーアリーナ・コミュニティアリーナで開催される『K-1 WORLD MAX 2010〜-70kg Japan Tournament〜』は、大みそか『Dynamite!!』で魔裟斗が引退し、絶対的エース不在で幕を開ける。逆を言えば誰もが魔裟斗の跡を継ぐ存在になりえるチャンスがあるということだ。魔裟斗に代わり、日本を背負うのは誰だ!?

■小比類巻VS長島☆自演乙☆の超異色対決が1回戦で実現!

 今年で8年目を迎えるMAXの日本代表決定トーナメント。魔裟斗に継ぐ日本ナンバー2の座にいた佐藤嘉洋を除き、日本人ファイター全員が横一線からスタートする。2月19日に行われた公開抽選会でトーナメント組み合わせは以下のとおりに決定した。

城戸康裕(谷山)VS龍二(リアルディール)
小比類巻太信(BRAVI RAGAZZI)VS長島☆自演乙☆雄一郎(魁塾)
中島弘貴(バンゲリングベイ・スピリット)VS TATSUJI(アイアンアックス)
山本優弥(青春塾)VS日菜太(湘南格闘クラブ)

 準決勝は城戸VS龍二の勝者と小比類巻VS長島の勝者、中島VSTATSUJIの勝者と山本VS日菜太の勝者で争われ、決勝戦まで1日で行う1DAYトーナメント。優勝するためには1日で3試合を勝たなければいけない。過酷だ。
 2004&2005&2009年と日本トーナメント過去最多の優勝回数を誇る小比類巻は、昨年大ブレイクした長島と対戦。ミスターストイックVSコスプレファイターという正反対のキャラクターを持つ異色対決となった。この組み合わせ決定に小比類巻は「去年の時点から一番やりたくないと思っている選手とやることになりました」と苦笑。それに対して長島は「小比類巻選手とは前からやりたかったんですよ。今年は山本君ともやりたかったんですけれど、僕的にはラッキーかなと。なぜなら某掲示板のやつらが(小比類巻と)やれって言うからさ!」と、臨むところだと言わんばかり。
 小比類巻が「全く試合を見たことがないんで、これから帰って研究しようと思います」と言えば、長島は「それってツンデレでしょ? 最後は僕とやりたかったと言ってくれると思います!」と小比類巻をカリカリさせるような発言。すでに心理戦は始まっていた。トータル的には小比類巻の有利は間違いないが、長島には“一発”の破壊力と変則的なサイドステップがあり、昨年から魔裟斗のジムであるシルバーウルフにも出稽古で通っていることから、油断は出来ない。
 2008年日本トーナメント優勝の城戸は、昨年1回戦で日菜太に敗れて日本王者としては史上初めて二連覇を達成することが出来なかったという不名誉な記録を作ってしまった。その後は2連勝するも、昨年10月に佐藤嘉洋とダウンの応酬の末にKO負け。ナンバー3ということになるが、今回のトーナメント次第ではさらにランクが下がってしまう怖れもあり崖っぷちにいると言っていいだろう。
 その城戸がトーナメント抽選会で自ら1回戦の対戦相手に選んだのが、RISEの70kg級チャンピオンである龍二だ。龍二は城戸が優勝した2008年のトーナメントに出場し、城戸と決勝戦を争ったHAYATOに1回戦で判定負けを喫している。しかし、城戸が敗れている我龍真吾と菊池浩一には勝っており、侮れない存在だ。強打とローキックが武器で、手数を出して前に出るタイプなので城戸にとってはやりやすいだろうが、そのまま押し切られるようなことがあれば番狂わせが起きるかも……。

■山本優弥VS日菜太の若手対決、最年少の中島も参戦

 もう一方のブロックでも注目のカードが実現する。昨年、初の“魔裟斗抜き”となった世界トーナメントで日本人唯一の決勝トーナメント進出を果たした山本と、昨年の日本トーナメントで城戸の2連覇を阻止して10月にはマイク・ザンビディスを破った日菜太の一騎打ちだ。山本25歳、日菜太23歳と明日のMAXを担う年代同士の対決となる。トーナメント抽選会では日菜太が小比類巻と山本のどちらかを選ぶ立場だったが、日菜太は迷わず山本を選んだ。“勝算あり”ということか。
 だが、日菜太が「山本選手とは最初からやりたいと思っていました。相手は世界ベスト4の選手なんで、ダメージなくやりたかったです。胸を借りるつもりで頑張ります」と言えば、山本は「僕は小比類巻選手にリベンジしたかった。日菜太選手は僕としてはやりやすい相手だと思います」と、眼中にないとでも言わんばかり。
 日菜太は“黄金の左ミドル”と呼ばれる左ミドルキックを得意とし、山本も目立つのはパンチだが左ミドルを得意としている。さらに、キックボクシングで左ミドルが得意な選手とは闘いなれており、苦手意識もなさそう。ただ、日菜太はプロボクシングWBA世界スーパーフェザー級チャンピオンの内山高志と練習を積んでおり、左ミドル+パンチで来た場合は相乗効果で日菜太の左ミドルが活きそうだ。谷川貞治K-1イベントプロデューサーも「個人的には第4試合の日菜太VS山本優弥がポイントになると思います」とこの試合を挙げており、勝者がそのまま勢いに乗って優勝という可能性は高いと思われる。
 昨年は日菜太が最年少だったが、今年はさらに若い選手が出場する。『Krush』で行われた70kgトーナメントを制し、出場権を勝ち取った中島だ。他の出場選手を見ると小比類巻32歳、龍二31歳、TATSUJI28歳、城戸27歳、長島25歳、山本25歳、日菜太23歳と、中島の21歳はかなり若い。中島はヴァンダレイ・シウバやマウリシオ・ショーグンが所属していたシュートボクセの日本支部出身という異色の経歴を持ち、試合の時は常にシュートボクセのロゴ入りショートスパッツを着用。和製シウバさながらのパンチでの突進とヒザ蹴りを得意とする。日本トーナメント常連のTATSUJIもパンチで前に出る選手のため、期待通りのバチバチの打ち合いが見られるだろう。キャリアで優るTATSUJIがやや有利か。
 小比類巻が優勝すれば史上最多更新の4度目、城戸なら魔裟斗・佐藤嘉洋とならぶ2度目、他の選手はいずれも初優勝となる今回の日本トーナメント。魔裟斗なきMAXで新たな主役となり、世界トーナメントに日本代表として出場するのは誰になるのか?

■史上最強王者ペトロシアンに挑む佐藤嘉洋「穴が2つ見つかった」

 実力では日本勢の中で抜き出ている佐藤嘉洋は、スーパーファイトでなんと昨年の世界王者ジョルジオ・ペトロシアンとの一騎打ちが決定している。サウスポーから繰り出す左ミドルと左ストレートを始め、オールラウンドに何でも使いこなすテクニシャンであり、相手の攻撃をかわすのが抜群に上手いペトロシアンは、早くも“MAX史上最強王者”の呼び声も高い。
 しかし佐藤は「今回の試合で自分に求められているのは善戦じゃなくて勝利。確実に勝てる作戦を立ててもらって、延々とそれを練習しているところです。2個くらい穴が見つかりました」と、打倒ペトロシアンの糸口が見つかったと断言。「世間的には8:2くらいで差があると思うんですけど、何となくいける気がします」と勝利の予感があるという。ペトロシアンを破れば、世界トーナメント優勝の可能性はグッと上がり、誰もがMAXのエースと認めるだろう。ここは佐藤の勝利に期待したいところだ。
 また、今大会よりMAXにニューコンセプトが生まれる。63kg以下の選手(MAXは70kg以下)を対象とした『K-1ライト級』で、今回は2試合が組まれたのだ。ライト級は5月大会から日本人16名によるトーナメントの開催も予定しており、谷川イベントプロデューサーが「第二の魔裟斗はライト級にいるかもしれない」と期待を寄せている。
 その第一弾として、高い身体能力と空手仕込みの多彩な蹴り技を持つ小宮山工介と、かつて魔裟斗やアンディ・サワーと激闘を展開した村浜TAKE HERO(テイク・ヒーロー=武洋から改名)が激突。毎回、会場を沸かせる元プロボクシング日本チャンピオンの渡辺一久と、『DREAM』に出場した総合格闘家のDJ.taikiという異色対決も実現する。
 特に小宮山は谷川イベントプロデューサーが「ポスト魔裟斗の1人」と言うほど期待しており、本格的にスタートするライト級のエース候補である。スピードとテクニックが持ち味となるライト級が、ファンの支持を得ることが出来るかも注目のポイントだ。
 MAXの新たなる歴史がこの日から始まる! 見逃すな!
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 今年も“世界最強の男”を決める季節がやってきた!17年目を迎えるヘビー級立ち技世界最強決定トーナメント『K-1 WORLD GP 2009 FINAL』が、12月5日(土)神奈川・横浜アリーナで開催されるのだ。

 9月26日に韓国・ソウルオリンピック第1体育館で開催された『K-1 WORLD GP 2009 IN SEOUL FINAL16』を勝ち抜いた8名により、2009年の世界チャンピオンが争われる。準々決勝の対戦カードは以下のとおり。注目カードがズラリと並んだ。
(構成・文:GBR編集長 熊久保英幸)


【大会概要】
★大会名:『K-1 WORLD GP 2009 FINAL』
★日 時:12月5日(土)17時00分
★会 場:横浜アリーナ
■大会詳細とチケット申込はコチラ!


▼FINAL8 K-1ルール 3分3R延長2R
ルスラン・カラエフ(ロシア/フリー)
VS
バダ・ハリ(モロッコ/ショータイム)

▼FINAL8 K-1ルール 3分3R延長2R
アリスター・オーフレイム(オランダ/ゴールデン・グローリージム)
VS
エヴェルトン・テイシェイラ(ブラジル/極真会館)

▼FINAL8 K-1ルール 3分3R延長2R
ジェロム・レ・バンナ(フランス/Le Banner X tream Team)
VS
セーム・シュルト(オランダ/正道会館)

▼FINAL8 K-1ルール 3分3R延長2R
エロール・ジマーマン(キュラソー島/ゴールデン・グローリージム)
VS
レミー・ボンヤスキー(オランダ/チーム・ボンヤスキー)


■DREAMからの侵略者アリスターがK-1を破壊する!?

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 K-1が大ピンチを迎えている。総合格闘技イベント『DREAM』が送り込んだ刺客アリスター・オーフレイムの存在だ。アリスターは1回戦で“ミスターK-1”ことワールドGPを3度制したピーター・アーツと対戦し、信じられないようなパワーとスピードでアーツを圧倒。文字通り“ボコボコ”にして勝ち上がった。アーツとしてはミスターK-1として、この侵略者を撃退するために立ち向かったのだが、逆にアリスターの強さを際立たせることになってしまったのである。

 昨年の大みそか『Dynamite!!』ではバダ・ハリを1Rでマットに沈め、今年3月には昨年のワールドGP王者レミー・ボンヤスキーに判定で敗れるもほぼ互角の勝負を演じた。丸太のような太い腕から繰り出されるパンチと、装甲車のように頑丈なボディを武器に、「K-1をぶっ壊してやるぜ!」と息巻いているのだ。アーツ戦での圧倒的な強さを見せ付けられると、K-1制覇も決して夢物語ではない。

“ストップ・ザ・アリスター”として今大会で最初に立ちはだかるのは、極真空手の現役世界チャンピオンであるエヴェルトン・テイシェイラだ。あのフランシスコ・フィリオに継ぎ、史上二人目の外国人極真世界チャンピオンになったテイシェイラは、昨年4月にK-1デビュー。いきなり武蔵と並ぶ日本のツートップであった藤本祐介からダウンを奪って勝利を収め、続いて『K-1 JAPAN GP』に出場して優勝。決勝戦では現K-1ヘビー級チャンピオンの京太郎を破っている。さらにはワールドGP初出場にしてベスト8に残るという快挙を達成した。

 昨年は極真で鍛えられた鉄拳に初めてグローブをはめて臨んだテイシェイラだが、デビュー1年目にしてこの快進撃はまさしく驚異的。2年目となる今年はさらなる進化を遂げ、3月大会ではあのジェロム・レ・バンナからも勝利を収めた。

 極真で鍛え上げられた打たれ強い肉体とパワー、そしてなんと言ってもスタミナがテイシェイラの武器。急激にウェイトアップしたアリスターはおそらくスタミナに難があるため、延長戦まで持ち込めば勝機が見えてくるだろう。加えてテイシェイラはヘビー級らしからぬ軽快なステップを持っているので、動き回ってアリスターを疲れさせたいところ。序盤ならKOでアリスター、序盤でポイントを失わなければテイシェイラが延長戦でこの侵略者を撃退する姿が見られるかもしれない。


■新世代の旗手バダ・ハリが今年こそ世代交代を完結させるか?

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 K-1新世代の旗手であるバダ・ハリは、ルスラン・カラエフと準々決勝で激突。両者は過去2度対戦しており、1度目はカラエフが1R僅か52秒でKO勝ち、2度目はハリが2RでのKO勝ちでリベンジに成功している。1勝1敗で迎える決着戦となるが、現在の勢いを考えればハリ有利と言わざるをえない。ヘビー級でナンバーワンのスピードを誇ると言われているカラエフとはいえ、ハリのスピードもヘビー級とは思えないほど速い。

 昨年は準々決勝でアーツを2RでTKOに破って世代交代を果たし、準決勝ではエロール・ジマーマンとの新世代対決になりダウンを奪われるも3RにKO勝ち。このまま優勝間違いなしと思えるほどの快進撃だったが、決勝戦で転倒したボンヤスキーにパンチと顔面踏み付けの反則をやってしまい、K-1史上に残る失態を演じてしまったハリ。だからこそ、今年こそは……との想いが強く、今年5月にはかつて“K-1の絶対王者”と呼ばれたセーム・シュルトを1R僅か45秒でKOするほどの勢いを持っている。

 必殺の右ストレートは一打必倒の破壊力を誇り、同じく右フック、右ボディストレートなど右のパンチでKOを量産してきた。打たれもろい一面もあり、攻撃に集中するあまり防御がおろそかになって一発もらって倒れることもあるが、キャリアを積んで成長してきているだけに今回はそういったポカはおかさないのではないだろうか。


■怪物シュルトを倒し、バンナが悲願の初優勝を遂げる可能性は……

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 復活したシュルトと対戦するのは、K-1の強さの象徴的存在であるバンナだ。両者は過去3度対戦し、いずれもシュルトが勝利している。バンナのパンチが当たればシュルト攻略も不可能ではないのだが、長い手足から繰り出されるジャブ、前蹴り、ヒザ蹴りの前に苦杯をなめさせられ続けている。

 K-1の象徴でありながら一度もワールドGPで優勝経験のないバンナも、そろそろ現役生活のゴールが見え始めている。ハリを始めとする若い選手たちの台頭に突き上げられているため、今回がワールドGPで優勝するラストチャンスかもしれない。しかし、そのためにはまず準々決勝で天敵シュルトを撃破する必要があるのだが……過去の試合を見る限り、バンナの勝率はかなり低いだろう。今までのように正面からパンチで行っていたのでは、シュルトの三種の神器(ジャブ、前蹴り、ヒザ蹴り)を潜り抜けるのは不可能に近い。戦略面でシュルトをあっと言わせなければ、順当にシュルトが勝ち上がってしまうことになる。


■ホーストの持つ大記録に挑む昨年の覇者ボンヤスキー

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 そして、昨年の覇者であるボンヤスキーは、今大会でアーネスト・ホーストと並ぶ大記録“4タイムス・チャンピオン”に挑む。ワールドGPを4度制したことがあるのは歴代でホーストだけ。27歳でK-1を初制覇し、その翌年も優勝して2連覇を達成。ホーストの記録を破るのは時間の問題かと思われたが、3度目の優勝まで4年間もかかってしまった。とは言え、まだ33歳。今年も優勝すれば前人未到の5タイムス・チャンピオンも充分に可能である。K-1ヘビー級ファイター随一のディフェンステクニックを駆使し、必殺の飛びヒザ蹴り&飛び蹴りでトーナメントを勝ち上がりたいところだ。

 そのボンヤスキーに待ったをかけるのが、ハリと並ぶK-1新世代の“エロジマン”ことエロール・ジマーマンである。ジマーマンの持ち味は何と言ってもスピードとタイミングのいい右ストレート。昨年は準決勝でハリに敗れたが、ダウンの応酬でファンを熱狂させた。今回の8人の中では最も意外性のある選手だけに、ボンヤスキーを破る大番狂わせを起こす可能性を持っている。

 以上の準々決勝を勝ち上がった4名が、カラエフ×ハリの勝者VSアリスター×テイシェイラの勝者、バンナ×シュルトの勝者VSジマーマン×ボンヤスキーの勝者で準決勝を争い、その勝者が決勝戦で世界一の座を決する。過酷なワンデートーナメントを制するのは誰か? ボンヤスキーがホーストと並ぶ偉業を達成するのか、シュルトが王座に返り咲いて史上4人目の3度目の優勝を成し遂げるのか、ハリ、ジマーマン、テイシェイラ、カラエフら新世代が初優勝して世代交代を完結させるのか!? 

 それともバンナ悲願の初優勝なるか、アリスターがK-1を制圧してしまうのか! 見どころたっぷり、テーマ満載の『K-1 WORLD GP 2009 FINAL』は、今週土曜日に横浜アリーナで開催。歴史的瞬間をライブで目撃しよう!