禁断の対抗戦がついに闘いの火蓋を切る! 11月23日(月・祝)東京ドームシティ内のJCBホールで開催される『プロフェッショナル修斗公式戦 REVOLUTIONARY EXCHENGES 3』は、その大会名通り“革命的交流”のリングとなった。
(構成・文:GBR編集長 熊久保英幸)

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プロフェッショナル修斗公式戦
『REVOLUTIONARY EXCHANGES III』
11/23(月・祝)JCB HALL 
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[決定対戦カード]
■初代世界フライ級チャンピオン決定戦 フライ級 3回戦
田原しんぺー(総合格闘技道場STF) VS ランバー・ソムデートM16(M16ムエタイスタイル)
■ミドル級 3回戦
山下志功(パラエストラ札幌) VS 和田拓也(SKアブソリュート)
■ウェルター級 2回戦
朴 光哲(KRAZY BEE) VS 坂口征夫(JPN/坂口道場 一族)
■バンタム級 3回戦
神酒龍一(GUTSMAN修斗道場) VS 菅原雅顕(和術慧舟會Duroジム)
■フェザー級 3回戦
田澤 聡(GUTSMAN修斗道場) VS 勝村周一朗(リバーサルジム横浜グラウンドスラム)
■ウェルター級 3回戦
児山 佳宏(パラエストラ松戸) VS 加藤鉄史(PUREBRED SAIPAN TRENCH TECH)
■ウェルター級 2回戦
杉江”アマゾン”大輔(ALIVE) VS パオロ・ミラノ(パラエストラ東京)
■バンタム級5分3R
グスタヴォ・ファルシローリ(AUS/マッハ1) VS 田村一聖(JPN/KRAZY BEE)
■バンタム級5分3R
マモル(JPN/シューティングジム横浜) VS 清水清隆(JPN/SKアブソリュート)
■フライ級5分2R
藤井 恵(JPN/AACC) VS ウィンディー智美(JPN/パンクラスism)


■熱狂を生み続けてきたJCBホール大会

 日本総合格闘技界の草分け的存在であるプロフェッショナル修斗が、またもビッグマッチを開催する。今年5月10日に同会場で開催したプロ化20周年記念大会『修斗伝承 ROAD TO 20th ANNIVERSARY FINAL』は、約6年ぶりの参戦となった元PRIDEライト級チャンピオンの五味隆典VS修斗世界ウェルター級チャンピオンの中倉隆志(※現在は王座返上)を筆頭に、王者・リオン武VS挑戦者・佐藤ルミナの世界ライト級タイトルマッチ、初の“DREAM VS 戦極”となった廣田瑞人VS石田光洋などの激戦が続き超満員の観客を熱狂させた。
 続く10月30日には修斗と別コンセプトの伝説的イベント『VALE TUDO JAPAN』を約10年ぶりに復活させ、五味隆典VSトニー・ハービーをメインイベントに、リオン武VSアレッシャンドリ・フランカ・ノゲイラ、佐藤ルミナVSコーリー・グラントなどの熱戦でこちらも超満員のファンを大満足させている。


■総合格闘技のパイオニアがついに激突!修斗VSパンクラス

 修斗公式戦も組まれた『VALE TUDO JAPAN』を入れれば今年3度目のJCBホール大会、今回の目玉は何といっても修斗VSパンクラスの対抗戦だ。
 1989年5月18日にプロ大会第一戦が行われた修斗が日本総合格闘技界の草分け的存在なら、1993年9月21日に旗揚げされたパンクラスも老舗的な存在。特に新日本プロレスやUWFで活躍した船木誠勝、鈴木みのるらが中心となって始めたパンクラスは当時大きな話題と人気を呼び、総合格闘技を一般に広めるきっかけとなったのである。
 老舗同士が格闘技界活性化のために手を結ぶのは喜ばしいニュースなのだが、この対抗戦がなぜ“禁断”と呼ばれるのか? それは過去に様々なトラブルがあり、決して交わることのない二本の線だと思われていたからだ。両陣営の軋轢で最も代表的なものは2002年5月11日、当時修斗のトップ選手の一人であった三島☆ド根性ノ助がパンクラスの大阪大会に出場したことにより、修斗コミッションと修斗協会が「パンクラスの大会に出場し寄与した日本在住プロ選手、及びプロ予備選手は、修斗の普及、発展の妨げを助長したとして、ライセンスの剥奪(交付不許可)」をすると発表したこと。以後、修斗のリングを去ってパンクラスに参戦する選手も複数おり、冷戦状態が続いていたのである。
 お互いの成り立ちやイデオロギー、大会に関する考え方などで相容れないものがあり、また過去の因縁から両陣営が交わることなどはないと思われていただけに、今回の対抗戦実現はまさしく衝撃的であった。これまで修斗の選手がパンクラスに定期参戦、もしくはスポット参戦することは多々あったが、パンクラスの選手が修斗のリングで試合をするのは男子では今回が初。パンクラスとしては敵地に乗り込むようなもので、修斗のファンがパンクラスの選手に対してどのような反応を示すのかにも興味津々と言えるだろう。


■対抗戦は5対5か?両陣営の看板を賭けた熱き闘い

※パンクラスism大石幸史は欠場。朴光哲の対戦相手は、坂口征夫(JPN/坂口道場 一族) に変更(11/16発表)

 現在、対抗戦のカードは2試合。ウェルター級キング・オブ・パンクラシスト和田拓也(SKアブソリュート)VS前・修斗世界ライトヘビー級チャンピオン山下志功(パラエストラ札幌)、パンクラスのライト級1位・大石幸史(パンクラスism)VS修斗世界ウェルター級8位・朴光哲(KRAZY BEE)の2試合が決定している。
 大会を主催するサステインの坂本一弘代表は「老舗のパンクラスさんと総合格闘技を盛り上げていけたらと思います。(対抗戦は)まだ組みます。勝ち負けがハッキリするように5試合組みたいと思っています」と、本格的な対抗戦図式を予告。まだカードが増える可能性がある。また、「対抗戦は今後も続ける可能性はあります。パンクラスさんの選手に勝ってもらって、ランキングに入ってタイトルマッチをやって、チャンピオンになって欲しいと思います。対抗戦というより、パンクラスの選手が修斗という競技をやるということなので、ぜひチャンピオンを獲って欲しい」と、坂本代表はパンクラスにエールを送ると共に、パンクラスの選手が勝ち残っていけばタイトルマッチもありうるとした。
 現在決まっているカードは、パンクラスの現役チャンピオンVS修斗の前チャンピオン、パンクラスのトップランカーVS修斗の下位ランカーという図式になっており、これをクリアしなければタイトル挑戦には程遠い。なおかつ、もしパンクラス勢が負けるようなことがあれば、実力査定として修斗の方がレベルが高いという証明にもなってしまう。パンクラスにとってリスクの大きな闘いとなるが、負けた方のリスクが大きければ大きいほど盛り上がるのが対抗戦。両陣営の看板を賭けた熱き闘いに期待したいところだ。


■最軽量級の世界最強が決定!ムエタイ戦士ランバー出陣

 現在6階級の世界タイトルがある修斗に、新たなる世界チャンピオンがこの日、誕生する。最軽量級(52kg以下)の初代世界フライ級王座決定戦がいよいよ行われるのだ。名誉ある初代王座を目指して闘うのは、世界同級1位の田原しんぺー(総合格闘技道場STF)と世界同級2位のランバー・ソムデートM16(タイ/M16ムエタイスタイル)の両雄。ランバーはムエタイ出身の選手で、ムエタイの殿堂であるタイ国ルンピニースタジアム認定フライ級2位にまで上り詰めた実力者。日本でのキックボクシング戦績は8戦全勝4KOで、日本チャンピオンたちをことごとくKOで打ち負かしている。2000年11月1日には『K-1 WORLD MAX』の前身である『K-1 J-MAX』にも出場経験あり。その後、総合格闘技に転向して通算戦績は6勝2敗、修斗では3戦全勝でタイトルマッチにまで辿り着いた。
 両者は2008年9月28日に対戦しており、この時はランバーが田原をローキックでダウン寸前にまで追い詰め、打撃で翻弄しての圧勝を収めている。7勝3敗1分とキャリアで上回る田原が、前へ前へと出る攻撃的スタイルでのタックルからのパウンドでリベンジを果たすのか、それともランバーが返り討ちにしてタイ人初の修斗世界チャンピオンとなるのか。両者共にアグレッシブな試合を身上としているだけに、激闘が予想される一戦だ。初代王座に就くのはどっちだ!?


■ZST、ブラジリアン柔術から選手がカムバック

 他の注目カードとしては、ZSTで所英男の盟友として活躍し、『HERO’S』で“リアル・タイガーマスク”として注目を浴びた勝村周一朗(リバーサルジム横浜グランドスラム)が約5年ぶりに修斗凱旋、フェザー級世界6位の田澤聡(GUTSMAN・修斗道場)と対戦する。ブラジリアン柔術の日本トップ選手として君臨する杉江“アマゾン”大輔(ALIVE)も約4年ぶりに参戦してパオロ・ミラノ(イタリア/パラエストラ東京)と激突。他団体・他競技で名を馳せた選手たちが、再び修斗のリングに上がるというのも見どころのひとつである。
 威信を懸けた対抗戦、世界タイトルマッチ、凱旋試合など“勝負論”が際立つ今大会。正統派・真剣勝負を見たければ、11月23日はJCBホールへGO!だ。
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伝説の総合格闘技イベントが約10年ぶりに復活!

『VALE TUDO JAPAN 09』は10月30日(金)東京・JCBホールで開催される。

『VALE TUDO JAPAN』(バーリトゥード・ジャパン)は通称“バリジャパ”と呼ばれ、総合格闘技『修斗』が本戦とは別コンセプトで行っていた大会。テーマはVS世界にあり、1994年に開催された第1回大会ではあのヒクソン・グレイシーが日本で初めて試合をしたことでも知られる。ヒクソンは第2回にも出場し、第3回には弟のホイラー・グレイシーがやはり日本初ファイトを行った。

 彼らの他にもランディ・クートゥアー、フランク・シャムロック、フランク・トリッグなどの強豪外国人選手が参戦。それを“修斗のカリスマ”佐藤ルミナ、“大和魂”エンセン井上、桜井“マッハ”速人、宇野薫らが迎え撃った。1999年に第1回大会が開催された『PRIDE.1』より5年も前に、ワールドワイドな総合格闘技イベントが存在していたのだ。

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■これで見納め?五味隆典が「日本での試合は最後になるかも」

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 約10年の時を経て、再び開催される今回のバリジャパのメインイベントには、“天下無双の火の玉”五味隆典が出場。1999年に開催された最後のバリジャパに、21歳の若手のホープとして出場した五味は今や押しも押されぬ日本のトップエース。PRIDE武士道や戦極を経てたくましく成長した男が、大将戦のポジションを務める。

 元々、五味が総合格闘技を始めたのは1996年に開催されたバリジャパを観戦に行ったのがきっかけだったという。バリジャパのメインで世界の強豪と闘い、世界一強い男になることが五味の最初の夢だった。その夢が実現したわけだが、今回の試合には特別な想いを持って臨むことを記者会見で明かしている。それは「日本での試合はこれが最後というくらいの覚悟で試合をしようと思っています」ということで、今後は全米進出にチャレンジしたいというのだ。「またオファーがあれば、そして挑戦者がぜひ自分にチャレンジしたいと言うのならばその時に考えます。挑戦者に戦極のプロモーターの方が動かざるをえない熱意があれば、いつでも受けて立ちます」と、戦極再登場の可能性も匂わせているが、もしかしたら今回が本当に日本で五味の試合を見られる最後の機会になってしまうかもしれない。


■危険な相手と五味が激突!大波乱が起きるのか?

 そんな覚悟を持って臨む五味だが、対戦相手には“危険度MAX”の強豪が用意された。アメリカの金網総合格闘技大会キング・オブ・ザ・ケージのライト級チャンピオンである、トニー・ハービー(アメリカ)だ。ハービーはアメリカ・ミシガン州出身の24歳。身長173cm、格闘技歴はレスリング、テコンドー、キックボクシングがあり、戦績は11勝(7KO・4S)4敗。会見前に披露された映像では、サウスポーからのスイッチヒッターでムエタイがかなり出来る上にテコンドー特有の足技を使いこなす、ヘッドスリップとウィービングを駆使してパンチをかわすのが上手く、軽快なステップからの打撃で勝負するタイプだが、弾丸のようなタックルから勢いのあるパウンドも使う、などの特徴が確認できた。また、一階級上のスーパーライト級の選手にもTKOで勝っている。

 坂本代表は「ハービーのファイトスタイルは黒人特有のバネがあり、アグレッシブで非常に危険な相手という気がします。ナメてかかれない相手だというのが正直な感想。本当に危険な相手。やりにくい相手です。スイッチをやり、相当バネがあってテコンドーの蹴り技もある。無名の強豪ですが、これから相当アメリカでの知名度も上がっていくと思う」と警鐘を鳴らし、「バリジャパは波乱が起こるところがあるが、もしかしたら今回もあるかも。五味自身が危険なことは察知していると思いますよ。本当の強豪です」と、“まさか”もありえるとした。

 五味自身も「苦手なタイプかもしれない」としていることから、日本での知名度がないとはいえ全く油断できない相手となった。ハービーも五味を倒して自分の知名度を上げようと野望を燃やしているだろう。1Rから目が離せない展開となりそうだ。


■世界チャンピオンのリオンが伝説のチャンピオンを迎え撃つ

 5月の修斗JCBホール大会でメインイベントを務め、佐藤ルミナをKOした修斗世界ライト級チャンピオンのリオン武は、もはや伝説のチャンピオンと言っていいだろう、第4代同級チャンピオンのアレッシャンドリ・フランカ・ノゲイラ(ブラジル)との対戦が決まっている。ノゲイラは得意のギロチンチョークを武器に、当時の日本人トップランカーを総なめ、ライト級の“絶対王者”として君臨していた。リオンはノゲイラが返上したタイトルの王座決定戦でチャンピオンになったため、直接対決は今回が初。

 真のチャンピオンであることを証明するために、ノゲイラはぜひとも倒しておきたい相手。リオンは「ペケーニョは強いと思いますが、強かろうが強くなかろうが僕がKOしないと修斗が盛り上がらないので、最低でもKOしたい。顔面を踏みつけてやりますよ」と、“最低でもKO勝ち”との目標を掲げた。

■“修斗のカリスマ”佐藤ルミナも参戦、相手はレスリングエリート

 約10年ぶりに開催される今大会には、ミスターバリジャパこと“修斗のカリスマ”佐藤ルミナの参戦が決定。対戦相手はアメリカの名門チーム・クエスト所属のコーリー・グラント(アメリカ)。

グラントはレスリングとアメリカンフットボールのキャリアがあり、高校時代にはアメフトで州の最優秀ディフェンダーに選出。レスリングでも大学進学後に4年連続で代表チーム入り、オール・アメリカンやミシガン大学の優秀スポーツ選手に選ばれる活躍を見せている。ウォーレンとは大学の同窓生であり、グラントも2007年にチーム・クエストに入門。翌年にプロデビューを果たすと、ここまで3戦3勝の成績を残している。

 当初は山本“KID”徳郁を『DREAMフェザー級GP』で破ったジョー・ウォーレンとの対戦が予定されていた佐藤ルミナだが、ウォーレンが練習中に左膝を負傷。左膝靭帯損傷による全治1カ月と診断され、ドクターストップがかかり、今大会を欠場することとなった。しかし、グラントはそのウォーレンが、「代わりに出場するコーリー・グラント選手はレスリング時代からの私のチームメートでもあり、チームクエストでのトレーニングパートナーで、非常に潜在能力の高い選手です。MMAは4試合目ですが、私がデビュー2戦目で山本KID徳郁選手を破ったようにコリー選手も、佐藤ルミナ選手に勝つ事ができる選手だと思います」と推薦する選手である。

 10年ぶりのバリジャパで、修斗のカリスマは勝利の雄たけびを挙げることが出来るのか!?


 なお、今大会のルールは5分3Rまたは5分5R、踏み付けと4点ポジションでの頭部へのヒザ蹴りは有効(サッカーボールキックは禁止)という、修斗より制限の少ないものになっている。

 バリジャパルールではなく修斗公式戦として、世界ウェルター級王座決定戦のヴィラミー・シケリム(ブラジル)VS冨樫健一郎(パラエストラ広島)、マモル(シューティングジム横浜)VSジェシー・タイタノ(アメリカ)の2試合が行われることも決定した。

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 日本人初のチャンピオン誕生なるか!? 10月6日(火)横浜アリーナで開催される総合格闘技イベント『DREAM.11フェザー級グランプリ2009 決勝戦』で、日本人ファイターたちがDREAMの命運を背負っての大勝負! 青木真也、所英男、川尻達也、ミノワマン、高谷裕之らが日本を背負って立つ。
(構成・文:熊久保英幸 最強格闘技WEBマガジン GBR編集長)

★大会名 :『DREAM.11 フェザー級グランプリ2009 決勝戦』
★開催日時:10/6(火)18:00開始
★会  場:横浜アリーナ

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★対戦カード:
<ライト級タイトルマッチ>
・ヨアキム・ハンセン vs 青木真也
<フェザー級GP決勝戦>
・準決勝の勝者 vs 準決勝の勝者
<フェザー級GP準決勝>
・高谷裕之 vs 所英男
・ジョー・ウォーレン vs ビビアーノ・フェルナンデス
<フェザー級GPリザーブマッチ>
・DJ.taiki vs 宮田和幸
<ライト級ワンマッチ>
・川尻達也 vs メルカ・バラクーダ
・中村大介 vs X
<スーパーハルクトーナメント準決勝>
・チェ・ホンマン vs ミノワマン
・ソクジュ vs ボブ・サップ


■所英男はDREAMのサンドウィッチマンになれるのか?

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 今年3月から開幕した63kg以下級世界最強決定トーナメント「フェザー級グランプリ」が、今大会でいよいよ決勝戦を迎える。軽量級初のこのトーナメントはまさしく波乱の連続だった。優勝候補の一角であった所英男が1回戦でDJ.taikiに敗れ、そのDJ.taikiが負傷により2回戦を辞退して所が敗者復活。注目の外国人選手であったチェイス・ビービがデビュー戦のジョー・ウォーレンに負けるという意外な展開。そして、満を持して2回戦から登場した優勝候補の大本命である山本“KID”徳郁が、そのウォーレンに敗れてまさかの初戦敗退。優勝候補が次々と姿を消し、優勝戦線は混沌としてきた。

 今回の決勝トーナメントは準決勝と決勝の2試合が1日で行われる。注目は『M-1』のサンドウィッチマンのように、敗者復活からの逆転優勝を狙う所だ。前述のように1回戦で敗れて一度は脱落した所だが、対戦したDJ.taikiの負傷棄権により復活。「誰も期待していない」状況下で迎えた2回戦でエイブル・カラムに鮮やかな一本勝ちを飾り、決勝トーナメントへ勝ち上がったのである。

 しかし、「高谷選手以外なら誰でもいい」と準決勝の相手に外国人選手を希望していたにもかかわらず、その願い虚しく準決勝の相手は高谷との日本人対決に決定した。野球少年としてスポーツに生きてきた所とは正反対に、高谷は地元である千葉のみならず関東にもその名を轟かせていた筋金入りの不良。“喧嘩番長”の異名通り、相手を殴って殴って殴り倒すスタイルで格闘技界を生き抜いてきたリアル・アウトサイダーである。

 所は関節技や絞め技などの寝技で強さを発揮し、高谷は打撃オンリーでスタイルは正反対。普段の所がおっとりとして物静かな性格であるのに対して、高谷は気性が激しく荒々しい。所の応援団長がバナナマンの日村勇紀なら、高谷はあのEXILEが所属している芸能プロダクションに所属しているなど、こちらも対照的だ。

 寝技VS打撃の分かりやすいファイトスタイルの違い、性格も水と火くらい違い勝敗はどっちに転がるか分からない。所も『K-1 WORLD MAX』世界トーナメントで日本人唯一の決勝トーナメント進出を果たしている山本優弥が絶賛するほどの打撃センスを持ち合わせており、高谷は寝技になっても殴り続ける強烈なパウンドを持っているため、スタンドとグラウンドでどっちが有利かというのも甲乙付けがたいのである。それでも、スタンドで打撃が当たれば高谷、寝技に引き込めば所という図式になるだろう。いかに自分のフィールドで勝負をかけるかが勝利へのキーポイントとなる。


■レスリングと柔術の世界王者同士が宿命の対決!

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 日本人対決のためどちらが勝っても決勝戦に日本人ファイターが進出することになる。もう一方のブロックでは、今大会で波乱を巻き起こしているグレコローマンレスリング世界選手権優勝&全米レスリング協会最優秀選手に選ばれたこともあるウォーレンと、ブラジリアン柔術世界王者ビビアーノ・フェルナンデスが激突。レスリングVS柔術の宿命の対決という図式だ。予想では上からでも下からでも極めることが出来るビビアーノが有利だが、ウォーレンのテイクダウン能力とパワーはそれさえも凌駕するものがあり、こちらもどちらが勝つか分からない。

 ウォーレンとビビアーノのどちらが決勝へ進出してきても、日本人ファイターは苦戦を強いられるだろう。過去、DREAMで行われてきたライト級、ウェルター級、ミドル級のトーナメントではいずれも外国人が優勝しており、いまだ日本人のチャンピオンは誕生していない。所か高谷のどちらかに、日本人初のチャンピオン誕生の期待がかかるところだが……。

 ただ、ウォーレンもビビアーノもパーフェクトな強さを持っているわけではない。両者とも秀でた部分は日本人の二人を圧倒的に凌駕しているが、総合格闘技として見た場合には“穴”がある。ウォーレンは寝技のディフェンス、ビビアーノは打撃にそれぞれ欠点があるのだ。日本人ファイターが外国人ファイターの持ち味を殺しつつ、その欠点を突くことが出来れば奇跡は起こるかもしれない。


■世界超人選手権でミノワマンとチェ・ホンマンが激突!

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 今大会ではもうひとつのトーナメントの準決勝も2試合行われる。“超人”を決定する「スーパーハルクトーナメント」だ。5月に行われた1回戦は、スーパーヘビー級の闘いらしく全試合が1R決着。今回の準決勝も白黒ハッキリつける闘いが予想される。

 こちらも日本人チャンピオン誕生の期待がかかっている。超人ミノワマンだ。1回戦ではあのボブ・サップに、体格差をものともせずアキレス腱固めで一本勝ち。今大会ではK-1の大巨人チェ・ホンマンと対戦する。ホンマンは“60億分の1の男”エメリヤーエンコ・ヒョードルとも総合格闘技ルールで闘っており、敗れはしたもののパンチで顔を腫らすことに成功している。体格差のあるミノワマンがホンマンの打撃をもらったらひとたまりもないだろう。しかし、寝技に持ち込んでしまえばミノワマンの勝率はグッと上がる。あの巨体をなんとかねじ伏せ、首か腕を極めたいところだ。

 準決勝もう1試合はPRIDEで旋風を巻き起こした南アフリカの“キリンをも倒す男”ソクジュと、ゲガール・ムサシの負傷欠場で敗者復活となったサップが対戦する。大晦日の『Dynamite!!』で行われる決勝戦へ駒を進めるのは誰か?


■日本人初のDREAM王者誕生なるか? 青木VSハンセン

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 さらに、日本人チャンピオン誕生の期待がかかる試合がもう1試合ある。DREAMライト級チャンピオンのヨアキム・ハンセンに、青木真也が挑戦するタイトルマッチが組まれているのだ。両者は過去2度対戦し、1勝1敗のイーブン。今回が決着戦となる。2006年にPRIDEで行われた初対決では、青木が1Rにフットチョークで一本を奪う快勝。2008年のライト級グランプリ決勝戦での再戦では、今度はハンセンが1RにパウンドでTKO勝ちを収めている。

 ただ今回は、青木にいい風が吹いていることは確かだ。ハンセンは昨年の大晦日でJ.Z.カルバンと対戦する直前に大怪我を負い、今回が復帰戦。さらに前回の対戦で青木はトーナメント準決勝における宇野薫戦で、判定までもつれ込むフルタイム戦を演じた後だったということ。ハンセンにブランクがあり、ダメージや披露のない状態で闘うワンマッチであることを考えると、青木有利の予想が立つ。

 7月の試合ではビトー・シャオリン・ヒベイロとファンが期待した寝技対決を避け、キックオンリーで闘ってブーイングを浴びてしまった青木だが、今回は持てるテクニックを駆使して悲願のベルト奪取に挑むだろう。タイトルマッチにふさわしい世界最高峰のテクニック合戦となることは間違いなく、その上で青木が日本人初のDREAMチャンピオンになる可能性は高い。要注目のタイトルマッチである。

091006_dream11_06.jpg そして、その青木に「タイトルを奪って俺と大晦日で闘おう!」とメッセージを送っている川尻達也もワンマッチで出場する。対戦相手はレスリングの世界選手権にも出場した経験を持つメルカ・バラクーダ。J.Z.カルバンをも破った川尻にとっては格下と言ってもいい相手だが、そこは格闘技の世界。何が起こるかは分からない。しかし、この一戦をクリアして青木がタイトルを奪取すれば、大晦日での日本人エース対決はほぼ決定となるだけに、絶対に落とせない試合となる。

 いずれもタイトルが関係してくる試合になった日本の主力たち。大晦日を前にした大一番の連続である。日本人初のDREAMチャンピオンとなるのは青木か、所か、高谷か? そしてミノワマンと川尻は大晦日に繋ぐことが出来るか? それとも、圧倒的な力を持つ外国人選手たちが日本の夢を粉砕するのか!? DREAMはいよいよ2009年のクライマックスに突入する!