総合格闘技イベント『DREAM』が、昨年9月25日の『DREAM.16』以来、約8カ月ぶりに大会を開催する。待望の2011年の第一弾大会は5月29日(日)さいたまスーパーアリーナで開催されるFIGHT FOR JAPAN『DREAM JAPAN GP〜2011 バンタム級日本トーナメント〜』。新設されたバンタム級(61kg以下)で日本最強を決定すべく8人のトップファイターが集まり、トーナメントを争う。
(構成・文:熊久保英幸)

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★大会名:FIGHT FOR JAPAN『DREAM JAPAN GP〜2011 バンタム級日本トーナメント〜』
★日時:5月29日(日)16時00分開始
★会場:さいたまスーパーアリーナ
★詳細・チケット申込はこちら!

■バンタム級の日本人最強決定トーナメントが開幕!

 DREAMに7つめとなる新たなる階級が誕生した。最軽量級となるバンタム級だ。この階級は日本人の選手層が厚く、国内最激戦区と言えるだろう。近年、外国人選手の急速なレベルアップと元からの日本人を凌駕するフィジカルの強さから、日本人ファイターがなかなか勝てなくなった状況がある。しかし、ボクシングの例を見るまでもなく、格闘技で日本人が強さを発揮し、体格的にも合っているのは軽量級だ。国内で凌ぎ合い、勝ち残ってきた選手たちによってさらにトップが争われるバンタム級は、日本の逆襲が大いに期待できる階級である。

 今回のトーナメントにエントリーしたトップ選手は以下の8名。
・所 英男(リバーサルジム武蔵小杉 所プラス)
・今成正和(Team Roken/DEEPバンタム級王者)
・大沢ケンジ(和術慧舟會HEARTS)
・大塚隆史(AACC/元DEEPフェザー級王者)
・ダレン・ウエノヤマ(アメリカ/ハウフグレイシー柔術アカデミー/FILA Grappling世界選手権62kg級優勝)
・藤原敬典(秋本道場Jungle Junction/チームZST/ZSTバンタム級王者)
・前田吉朗(パンクラス稲垣組/元パンクラスフェザー級キング・オブ・パンクラシスト)
・山本 篤(KRAZY BEE/2004年パンクラス・ネオブラッドトーナメント・フェザー級優勝)

 4月20日にトーナメント組み合わせ公開抽選会が行われ、大沢vs大塚、今成vs藤原、前田vs所、ウエノヤマvs山本が決定。1回戦4試合はいずれも初対決という組み合わせになった。実力伯仲のメンバーではあるが、あえて優勝候補をあげるとすれば、“足関十段”の異名を持つ今成だろう。
 組み合わせ抽選会で一番最初にトーナメントの枠を選んだ今成の隣を、最後まで誰も選ばなかった(藤原は順番が最後だったため自動的に今成との対戦となった)ことからも、出場選手全員が警戒していることが窺える。今成は「みんなに嫌われて寂しいです。今回で最後になってもいいぐらいの試合をします」とコメント。

 対する藤原は「今成選手はZSTの先輩なので(今成はZSTの初期に所らと共にZST四兄弟と呼ばれる常連選手だった)打ち破りたいと思います。自分は夢を叶えるために来ました。多くの人々に夢を与えられるよう、夢を持てるように、自分が引っかき回したいと思います」と、観念したように打倒・今成を宣言。今成は寝技系、藤原は打撃系のファイターで、どちらが自分のフィールドに持ち込むかの戦いになる。


■所英男は前田吉朗を破り世界トーナメントに勝ち残れるか?

 人気・知名度ともにトップの所は、自ら前田との対戦を選んだ。抽選会では抽選会前に行ったツィッターのつぶやきで、ファンが最も見たいカードとしてダントツだったのは今成vs所だったことがアナウンスされたが、所は「前田選手は素晴らしい戦績を残していて、いつか試合をしたいと思っていたので思い切って前田選手を選びました」と、元ZST四兄弟対決を避けた理由を語る。

 選ばれた前田は「僕が勝った選手、負けた選手がここにはいるけど、次にやると違うものが来ると思って用意しています。自分が一番強いという自信はあります。楽しみにして下さい。HERO’Sで活躍していた所選手がめざわりでした。選んでくれてありがとう」と不敵な笑みを浮べて挑発した。
 格闘技マニアの間で「これは実力者同士の好カード」と評価が高いのは、大沢vs大塚の試合だ。大塚はDREAMでこそ勝ち星はないが、DEEPで一階級上のフェザー級タイトルを獲得したこともある。レスリングをベースとし、優れたフィジカルで選手・関係者からその強さが認められている。
「相手は誰でも良く、今成選手でも良かった。バンタム級で一番強いということを証明します」と豪語する大塚に対し、大沢は「(大塚は)ビッグマウスなので、僕のことは呼び捨てにされると思う。だから僕は徹底的に敬語で行こうと思います。大塚選手のペースで行かないようにいきます」と相手をケムにまくような発言。大沢もまた、アメリカの総合格闘技イベント『WEC』で活躍し、DREAMでは前田吉朗にも勝っている実力者だ。

 今大会、唯一の外国人出場選手ウエノヤマはFILA主催のグラップリング世界選手権で優勝し、昨年10月には修斗世界フェザー級王者の勝村周一朗を相手にパウンドでTKO勝利。2002年には修斗初代世界フライ級王者のランバー・ソムデートM16も破っている。「山本“KID”徳郁選手と対戦することが夢なので、山本選手を倒します」と、KIDの愛弟子である山本戦に意欲を燃やす。迎え撃つ山本は「1人でも多くの人に元気を与えられるように頑張ります。早く試合がしたいのでここ(1回戦第1試合)を選びました」とこちらもやる気十分。

 今大会ではトーナメント1回戦と準決勝(今成vs藤原の勝者と大沢vs大塚の勝者、前田vs所の勝者とウエノヤマと山本の勝者が対戦)が行われ、7月に予定されている次回大会で決勝戦と3位決定戦を行う。その上位3名が7月以降に開催される「世界トーナメント」に日本代表として出場することになる。


■青木真也、菊野克紀、宇野薫、ヨアキム・ハンセンも参戦

 ワンマッチでは日本の大黒柱、DREAMライト級チャンピオンの青木真也が参戦。アメリカの総合格闘技大会『IFL』に、アントニオ猪木率いる東京サーベルズ所属として4戦全勝の活躍を見せたアントニオ・マッキー(アメリカ)と対戦する。青木は4月9日にアメリカの『ストライクフォース』で試合をしたばかりで、短いスパンでの連戦となるが、「終わってからすぐに練習を再開しましたし、新しいものを取り入れました。格闘技の本質の部分を見つめ直すことができました。小細工ではなく、本質の部分で強くなれたと思います」と力強くコメント。ただ、5月●日現在、マッキーが怪我をしたとの情報もあり、対戦相手が変更になる可能性もある。(←マッキーはヒザの怪我により欠場となり、リッチ・クレメンティが青木と対戦することとなった)

 注目の日本人対決が3試合。菊野克紀vs中村大介、宇野薫vs西浦“ウィッキー”聡生、リオン武vs松本晃市郎である。特にリオンvs松本は元・修斗世界ライト級チャンピオンと現DEEPフェザー級チャンピオンの対決で、リオンは「DEEPの王者には絶対に負けたくない」と対抗意識をメラメラと燃やしている。松本も「DREAMフェザー級は日本人がどんどん集まっていてレベルが高いけど、自分はそこでも勝てると思っています」と自信満々。お互いに打撃系ファイターであり、噛み合う試合が見られそうだ。

 青木、川尻に続くDREAMライト級ナンバー3の男と目されている菊野だが、中村は「天才的な打撃と強い寝技を持ち、本来ならもっと評価されていい選手です。実力に世間の評価が追いついていません。ライト級3強とそこまで差はない、それくらい菊野選手にとって危険な選手」(笹原圭一DREAMイベントプロデューサー)とまで評価されている。変化自在な寝技を得意とする中村だが「打ち合っても負けるつもりはありません」と言い放ち、菊野は「1秒でも早く切り落としたい。一方的に、一瞬で終わらせたい」と瞬殺する心積もり。緊張感のある試合が期待される。

“総合格闘技のパイオニア”と呼ばれる宇野だが、2008年5月の石田光洋戦を最後に勝ち星から遠ざかっており、今回が正念場。西浦は「宇野選手はいつかはぶっ潰したい選手でしたので、スッキリ終わらせます。悪いけど、もう宇野選手たちの時代じゃない」と世代交代宣言をしている。お互いの意地がぶつかり合う試合となるだろう。

 また、石田光洋vsヨアキム・ハンセン(ノルウェー)のワンマッチも決定している。
 リスクの高い日本人対決が数多く組まれた今大会。生き残りを懸けた熾烈なサバイバル戦を見逃すな!

★大会名:FIGHT FOR JAPAN『DREAM JAPAN GP〜2011 バンタム級日本トーナメント〜』
★日時:5月29日(日)16時00分開始
★会場:さいたまスーパーアリーナ

【決定対戦カード】
<バンタム級日本トーナメント1回戦 第1試合>
★ダレン・ウエノヤマ(米国/ハウフグレイシー柔術アカデミー)
vs山本篤(日本/KRAZY BEE)

<バンタム級日本トーナメント1回戦 第2試合>
★前田吉朗(日本/パンクラス稲垣組)
vs所英男(日本/リバーサルジム武蔵小杉 所プラス)

<バンタム級日本トーナメント1回戦 第3試合>
★今成正和(日本/チーム・ローケン)
vs藤原敬典(日本/秋本道場ジャングルジャンクション・チームZST)

<バンタム級日本トーナメント1回戦 第4試合>
★大沢ケンジ(日本/和術慧舟會 HEARTS)
vs大塚隆史(日本/AACC)

<バンタム級日本トーナメント準決勝 第1試合>
★1回戦第1試合の勝者
vs1回戦第2試合の勝者

<バンタム級日本トーナメント準決勝 第2試合>
★1回戦第3試合の勝者
vs1回戦第4試合の勝者

●<ライト級ワンマッチ>
★菊野克紀(日本/ALLIANCE−SQUARE)
vs中村大介(日本/U−FILE CAMP)

●<フェザー級ワンマッチ>
★宇野薫(日本/UCS)、
vs西浦“ウィッキー”聡生(日本/STGY)

●<フェザー級ワンマッチ>
★石田光洋(日本/T−BLOOD)
vsヨアキム・ハンセン(ノルウェー/ヘルボーイ・ハンセンMMA)

●<フェザー級ワンマッチ>
リオン武 vs 松本晃一郎

●<ライト級ワンマッチ>
★青木真也(日本/パラエストラ東京/Evolve MMA)
vsリッチ・クレメンティ(アメリカ/Team Voodoo)
12月26日(日)『亀田祭り2010』
大会直前見所特集!


12月26日(日)埼玉・さいたまスーパーアリーナで開催される『亀田祭り2010』。三兄弟が初めてリングで揃い踏みとなる、今年最後の世界戦でいま新たなる伝説が生まれようとしている。

今年2月、次男・大毅が3度目の世界挑戦で難敵デンカオセーンを下して悲願のWBA世界フライ級王座を獲得。長男・興毅は昨年11月に内藤大助からWBCフライ級王座を奪取していたため、日本ボクシング史上初の兄弟世界王者が誕生した。その後、興毅は3月に行なわれた暫定王者ポンサクレックとの王座統一戦で敗れて王座を失ったものの、大毅は9月に元WBAフライ級王者の坂田健史との日本人対決を制して初防衛に成功。大毅は同級13位のシルビオ・オルティーヌ(ルーマニア)を相手に2度目の防衛戦に臨むこととなる。

前出で触れた通り、ポンサクレックとの王座統一戦に敗れ、プロ23戦目にして初黒星を喫した興毅。しかし、今年最後となる一戦でこれまで日本人では誰も達成することができなかった世界三階級制覇というビッグチャンスが興毅に転がり込んできた。ポンサクレック戦での敗戦以降、日本人初の三階級制覇を目指していた興毅が狙うのは、7度の防衛に成功したアンセルノ・モレノがスーパー王者に昇格したために現在空位となっているWBCバンタム級王座だ。最新ランキングで同級2位にランク入りした興毅はフライ級から2階級上となるバンタム級での王座決定戦に挑む。

一方、興毅の対戦相手となるのは同級5位で元WBAスーパーフライ級王者のアレクサンデル・ムニョス(ベネズエラ)だ。ムニョスは過去にセレス小林(元WBAスーパーフライ級王者)、川嶋勝重(元WBCスーパーフライ級王者)、名城信男(元WBAスーパーフライ級王者)ら日本人との世界戦で7度対戦して全勝(3KO)の日本人キラー。今年2月に一度は引退表明をしたムニョスだが直後に引退を撤回して復帰。興毅との王座決定戦でムニョスは二階級制覇に挑むこととなる。デビュー以来23連続KO勝利を記録し、8割近いKO率の強打でエクスプロシーボ(爆薬の意)の異名を持つムニョスを相手に、興毅はスピード、テクニックで試合の主導権を握りたいところ。対するムニョスも今年10月の再起戦では苦戦を強いられての判定勝ちとなったが、ボクサー人生をかけて挑む今回の一戦には並々ならぬ覚悟で臨んでくることは言うまでもない。興毅にとってこれまでの対戦相手の中で紛れもなく最強の敵となるが、ムニョスを倒した先に見えるのはかつてファイティング原田、井岡弘樹という名チャンピオンも挑んで涙をのんだ夢の三階級制覇だ。

そして、亀田三兄弟で唯一の現役世界王者である大毅は今回が2度目の防衛戦。対戦相手となるのは、欧州フライ級現役王者の同級15位シルビオ・オルティーヌだ。戦績11勝(5KO)3敗のオルティーヌは、2005年1月のプロデビューから3連敗を喫したものの、それ以降は負け知らずで11連勝を記録。オルティーヌの試合映像を見た興毅は、「小さくてファイター型。パンチを当てるのが難しそう。KOは難しいかも」と分析しているが、はたして大毅は兄の予想を覆すファイトを見せることができるのか。

その一方で、大毅にとってもうひとつの敵となるのが減量だ。身長168cmで上半身の筋肉も発達してきた21歳の大毅は、リミット50.8キロまでに落とすために今回は10キロ以上の減量を強いられている。直前に予定していた公開練習では、過酷な減量で体力が消耗していることから練習の公開を急遽キャンセルした大毅。今回の防衛戦で勝っても負けても階級を上げて興毅に続く二階級制覇を目指すことを公言している大毅だが、ここはしっかりと防衛を成功して来年以降の偉業達成へと向かいたいところだ。

二人の兄が世界戦に臨むなか、これまで国外で着実にキャリアを積んできた三男・和毅は昨年9月以来となる日本国内での試合に臨む。今年に入り、1月にWBC中米カリブバンタム級王座、5月にWBCカリブ級王座、7月にWBCユースインターコンチネンタルスーパーバンタム級王座と立て続けに3つのベルトを獲得した和毅は、8月にメキシコでステファン・ヤモイェ(ベルギー)を下してWBCユースバンタム級王座を奪取。プロデビュー以降、16戦16勝(11KO)と無敗レコードを伸ばしている和毅は、タイバンタム級10位のピチットチャイ・ツインズジムと対戦する。

和毅の対戦相手であるピチットチャイは現在6連勝中の右ボクサーファイター。まだ20歳と若いものの既に29戦を経験しており、18勝のうち11勝をKOで勝っているだけにあなどれない相手だ。しかし、来年の世界挑戦を見据える和毅にとっては勝つことも当然のことながら、目の肥えた日本のボクシングファンの前で闘う今回の一戦は内容も求められる。最近3戦は判定での勝利となっている和毅だが、ここはキッチリとKO勝利を飾って二人の兄に最高のバトンを渡したいところだ。

亀田三兄弟にとっては大きな転機となった2010年。同じ日に兄弟揃って世界戦に臨む興行も初めてであれば、長男・興毅が王座決定戦で悲願を達成したあかつきには日本ボクシング界に新たなる金字塔を打ち立てる日となるのが12月26日、『亀田祭り2010』だ。三兄弟にとっては、これらの偉業もまだ夢の途中経過でしかないのかもしれないが、それでも今年最後となるこの大一番から新たなる扉が開けることは間違いない!
『Fujiwara Festival 〜藤原祭り2010〜』 
12月1日(水)東京・後楽園ホール

ムエタイ500年の伝統を打ち破り、二大殿堂のひとつラジャダムナンスタジアムにおいて、タイ人以外で初めてチャンピオンの座に就いた不世出の天才キックボクサー藤原敏男の偉業を称えるイベント『Fujiwara Festival 〜藤原祭り』が今年も開催される。
(構成・文:熊久保英幸)

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 12月1日(水)東京・後楽園ホールで開催される藤原敏男スポーツジム後援会『Fujiwara Festival 〜藤原祭り2010〜』は、団体の垣根を越えて有名キックボクサーたちが多数集結。もちろん、藤原敏男会長の魂を受け継いだ藤原ジム所属の選手たちも出場する。

 メインイベントでは、藤原会長の一番弟子・前田尚紀が駿太(谷山ジム)を迎え撃つ。前田はこれまで全日本キックボクシング連盟(現在は消滅)に所属し、駿太はMA日本キックボクシング連盟所属であったことから対戦は実現しなかった。今回が注目の初対決となり、実力者同士の一戦はキックボクシングファン垂涎の好カードだ。

 前田は“闘う修行僧”の異名を持ち、ストイックなまでに過酷な猛練習で自分を追い詰めるキックボクサーで、藤原敏男魂を最も体現している。追い詰められてからの猛反撃による逆転勝利で幾多の名勝負を生み出していることから「名勝負製造機」とも呼ばれ、いま最もアツいキックボクシングの試合を見せてくれる選手の一人。

 対する駿太は、神奈川県下一の暴走族で特攻隊長を務めていたという経歴を持っているが、現在は“打倒ムエタイの旗手”と呼ばれ、タイの国技で地上最強の立ち技格闘技であるムエタイの強豪と数多く対戦、勝利を収めてきている。打倒ムエタイは藤原会長が現役時代を通して突き詰めていたテーマであり、現在において同じテーマで闘っている駿太と藤原会長の弟子・前田が激突するのは意義深い。

 両選手とも最後まで諦めないハートの強さを持ち、右ストレートと強烈なローキックを得意としている。しかし、本能をむき出しにして最初からガンガンと攻める情熱的なファイトを身上とする前田に対し、駿太は冷静沈着にじっくりと攻めて行き、ダメージを的確に与えていくという闘い方。どちらもローキックでダメージを与え、右ストレートのカウンターを狙うタイプであり、さらに前田は逆転勝ちが多いことから、どんな展開になっても最後まで勝負の行方は分からないスリリングな試合展開が期待できそうだ。

 前田が「最後は倒して勝ちたい」と言えば、駿太も「圧倒的にKOして勝ちたい」と両者揃ってKO宣言も飛び出している。

 セミファイナルには、藤原会長と同じ姓を持つ藤原あらし(バンゲリングベイ・スピリット=ただし、読みは“ふじわら”ではなく“ふじはら”)が参戦、ムエタイで二階級制覇を達成しているクワンピチット・13コインエクスプレスと激突する。

 藤原は日本軽量級最強のキックボクサーの称号を持つ選手で、左ミドルキックのキレは天下一品。ムエタイスタイルではあるが、判定勝ちを狙うスタイルではなくパンチでもヒジ打ちでも常にKOを狙って行くスタイルで、日本の軽量級トップ選手をことごとくマットに沈めている。そんな藤原もタイの強豪相手には勝率が悪いが、今回は「強い相手と闘えることが光栄です。全力で倒しに行きます」と、藤原会長の目前での打倒ムエタイを誓っている。

 対戦相手のクワンピチットは、ほんの数年前までタイトルを保有し、ムエタイのトップブランドイベント「スック・ワン・ソンチャイ」で活躍していた強豪。最近では、ボクシングを盛んに行い、タイ国バンタム級5位にランキング。今年のボクシング戦績は4戦4勝4KOとハードパンチとローキックが得意なファイターだ。

 タイトルマッチも2試合組まれた。WPMF日本ヘビー級王座決定戦としてKOICHI(バンゲリングベイ・スピリット)と天田ヒロミ(デジタルスピリッツ)、WPMF日本ミドル級王者決定戦として我龍真吾(ファイティングマスター)と小又大貴(フリー)がそれぞれ対戦する。

 天田はK-1でデビューし、ミルコ・クロコップや武蔵らと対戦。2004年にはK-1 JAPAN GPで優勝してK-1 WORLD GPにも日本代表として出場している。アマチュアボクシングをベースに持ち、最近はキックボクシングのリングを中心に闘って現在8連勝中(3連続KO)。2008年8月16日にはPRIDEやK-1で活躍したゲーリー・グッドリッジを判定で破り、2009年7月18日にはHEATキックルールヘビー級王座も獲得した。

 対戦相手のKOICHIはK-1で“青い目の侍”として活躍していたニコラス・ペタスが手塩にかけて育てたヘビー級の新鋭で、現在M-1ヘビー級王座を保持している。K-1参戦を目指しているだけに、K-1で実績を残した天田を破ればいいアピールになるだろう。どちらが勝っても二冠王となることもあり、ヘビー級ならではのド迫力な殴り合いが期待できる。

 KOICHIは「天田選手のことは格闘技を始める前から見ています。そんな相手を思い切り殴って、蹴れるのが楽しみです。絶対に勝ちます」と挑発し、天田は「KOICHI選手の試合は見たことがなくて、情報も何もないです。ただ最近は調子がいいんで倒して勝っちゃうと思います」と余裕タップリにコメントしている。

 現在M-1ミドル級、WMF世界ライトヘビー級、UKF世界ライトミドル級と3本のベルトを保持し、今回WPMF王座を獲得すれば過去に保持していたベルトも合わせて計7本のベルトを巻いた男となる我龍。「いい試合…というか喧嘩しに行きます。相手の小又選手のことは見たことなくて分からないんですけど、1回スパーしたことがあるらしいんですよね(笑)。でもその時の印象がなくて、印象がないんだから大したことないなと、たかをくくっています」と、小又を格下扱いしている。

 それに対して小又も「自分も喧嘩したいと思います。喧嘩上等で1Rから倒しに行きます」と売られた喧嘩は買い、記者会見では激しい睨み合いを展開した。

 また、藤原祭りの恒例として毎年行われている、藤原会長が大暴れするスペシャルプロレスマッチが今年も決定!初代タイガーマスク(佐山サトル)、藤原喜明らとタッグマッチを行う。藤原会長が文字通り身体を張ったパフォーマンスで毎年観客を沸かせるこのスペシャルマッチ、藤原会長のパンチ&キックのえじきとなるのは誰か? 藤原会長のやられっぷりや、パートナーの裏切りなどにも注目だ!

今年も『Fujiwara Festival 〜藤原祭り』から目が離せない!