2002年3月1日、ザ・ロック(現在ではハリウッドのマネーメイキングスターとして映画界にも君臨!)がやってきた伝説の横浜アリーナ大会から15年。世界最大のスポーツエンターテインメント団体WWEが現体制となって以来、日本公演はこれまで20シリーズがおこなわれてきた。そして2017年、15周年&20回という記念すべき年に、また一つ新たな歴史が加わることになる。

「ロウ」が東京なら、大阪は「スマックダウン」、ということなのだろう。今年6月30日&7月1日に東京・両国国技館大会で開催された「WWE LIVE TOKYO」はロウブランドのメンバーを中心にした構成だったが、9月16日(土)エディオンアリーナ大阪での「WWE LIVE OSAKA」は「スマックダウンライブ」勢が大挙来日する。これは、「NXT」から「スマックダウン」に昇格した中邑真輔の活躍があってこそ、と言っていい。「ロウ」と「スマックダウン」が1年のうちに別々にやってくるのは今年が初めて。「スマックダウン」勢での公演は、12年8月9日&10日の両国国技館以来、5年ぶりとなる。

中邑は昨年12月、「NXT」のメンバーとして初のNXT日本公演を実現させた。そして今回は、WWEの一軍「スマックダウン」のメンバーとなっての凱旋。WWEと契約をかわして以来、中邑にはこれが3度目の凱旋となるのだが、今回のそれがもっとも意味合いの大きいものであることは明らかだ。世界的スーパースターとなった中邑の足跡(そくせき)については次回、詳しく振り返ってみたいと思う。というのも本稿執筆時点ではPPV「サマースラム」が控えている段階。中邑はここで、ジンダー・マハルの保持するWWE王座に挑戦、WWE入り以来最大の大一番に臨むのだ。その結果しだいでは、凱旋の意味がさらに大きくなるとも考えられるのだ。 まずここでは、来日メンバーを知るためにも8月8日に発表された対戦カードを紹介しておこう。

★「WWE LIVE OSAKA」
9月16日(土)エディオンアリーナ大阪

〈対戦カード〉
▼WWE選手権試合ラストマン・スタンディング・マッチ
〈王者〉ジンダー・マハル(withシン・ブラザーズ)vs〈挑戦者〉ランディ・オートン
▼US選手権試合トリプルスレット
〈王者〉AJスタイルズvs〈挑戦者〉ケビン・オーエンズvs〈挑戦者〉ルセフ
▼シングルマッチ
中邑真輔vsバロン・コービン
▼シングルマッチ
サミ・ゼインvsドルフ・ジグラー
▼8人タッグマッチ
ナオミ&シャーロット・フレアー&ベッキー・リンチ&アスカvsナタリヤ&タミーナ&カーメラ(withジェームス・エルスワース)&ラナ
▼シングルマッチ
ティアン・ビンvsエイダン・イングリッシュ

※その他出場予定…ニュー・デイ、ルーク・ハーパー、エリック・ローワン
※来日タレント、対戦カードは当日まで予告なく変更される場合があります。王者は8月7日「アフターバーン」日本放送前のもの。

こうしてみると、現在進行形の「スマックダウン」に現NXT女子王者のアスカも加わるという図式が見えてくる。タイトルマッチがおこなわれる王座はすべて8月20日(現地時間、日本時間8月21日)にニューヨークで開催されるPPV「サマースラム」でも組まれており、大阪公演までにベルトが移動する可能性もあるだろう。ということは、中邑がWWE王者としてやってくる可能性もあるのではないか。また、対戦予定のバロン・コービンは中邑にとって因縁の相手で、スマックダウン昇格時に抗争を展開したドルフ・ジグラーもやってくる。日本でライバル関係にあったAJスタイルズはUS王座をキープしてやってくるのか。そういった意味でも、中邑ありきの大阪公演と言っても過言ではないだろう。

だからこそ8・20PPV「サマースラム」が大注目なのだ。中邑が挑戦するジンダー・マハルは、中邑のスマックダウンデビュー戦がおこなわれた大会のメインイベントでランディ・オートンを破り、頂点に立ったインド系スーパースター。インドと日本の新進スーパースターが最高峰王座をかけてWWE最大級のビッグマッチで激突するのだから、この試合が9月の大阪公演に影響を及ぼすことは必至。中邑がマハラジャ政権を崩壊させることができるのか、「WWE LIVE OSAKA」を前に、必見である。

(構成・文:新井 宏)



■大会名:WWE Live Osaka
■日時:9/16(土)
■会場:エディオンアリーナ大阪 (大阪府)

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2017-08-16 18:41 この記事だけ表示

 6月30日(金=18時開場、19時開演)&7月1日(土=17時開場、18時開演)の2連戦、東京・両国国技館で開催される東京WWE日本公演「WWE LIVE TOKYO」でのインターコンチネンタル王座(以下IC王座)戦は、現在のロウブランドで最高峰に位置するタイトルマッチと言っていいだろう。現在、WWEユニバーサル王座を保持しているのが限定出場のブロック・レスナーであることから、タイトル戦の機会がどうしても少なくなってしまう(次回タイトル戦は7・9「グレートボールズ・オブ・ファイヤー」でのレスナーvsケビン・オーエンズ)。そのため、日常的におこなわれているロウでのナンバーワンをめざすには、インターコンチネンタル王者となるのが手っ取り早い。そのタイトル争いが、今回の日本公演でもおこなわれる予定になっている。

 6・4「エクストリーム・ルールズ」ではディーン・アンブローズとザ・ミズの間でIC王座が争われ、ミズが勝利、新王者となった。この試合では前哨戦の段階からミズが心理戦でリード。タイトル戦で王者アンブローズが反則負けでもベルトが移動するという条件をゴリ押しし、優位な状況で大一番を迎えられることとなっていたのだ。通常ルールなら反則で王座が移動することはない。反則絡みで守り抜くというのも王者としての闘い方である。が、それを真っ向から否定したのが元王者のミズだった。「エクストリーム・ルールズ」ではほとんどのカードが特殊ルール。IC戦も例外ではなく、“チャンピオンの反則でも王座が移動"というエクストリーム(過激)な条件を、ミズがあらかじめ勝ち取っていたのである。

 当然、試合は挑戦者有利の展開で進んでいった。王者が反則できない状況をミズが巧みに利用、妻のマリースも使いこなし、闘いを優位に運んでいった。介入するマリースを注意するレフェリー。その背後にアンブローズを投げつけ、レフェリーに激突させたミズ。アンブローズのレフェリー暴行、反則を取るべきかレフェリーが迷う。そして、アンブローズの隙を突いたミズが必殺のスカルクラッシングフィナーレを決めた。これで3カウントが入り、王座が移動。まんまと新王者となったミズは、12年7月の初奪取から数え、実にこれが7度目のIC王座戴冠だった。クリス・ジェリコが2009年6月の「エクストリーム・ルールズ」でスコアした9度に次ぐ、歴代2位の記録である。

 ミズが獲得したのはIC王座だけではない。若手発掘のリアリティー番組「タフ・イナフ」出身のミズは、下部組織OVWを経て06年にスマックダウン昇格。同年11月16日にジョン・モリソンとのコンビでWWEタッグ王者となりWWE初戴冠を果たした。世界タッグ王座と合わせ、チームでのベルトはここまで4人のパートナーと合計6回巻いている。シングル初戴冠は09年10月のUS王座だった。また、WWE最高峰のベルトも手にしており、10年11月21日にはミスター・マネー・イン・ザ・バンクの地位を活用し、ランディ・オートンからWWE王座を奪取した。こちらもルールを巧みに利用しての結果だった。

 WWEであらゆるタイトルを獲得してきたミズとは、プロレスに必要な要素すべてを備えたスーパースターと言えるだろう。もう10年以上、常に第一線で活躍している。現在はヒールのポジションだが、ベビーフェースもこなしてみせる。表情も豊かで、「ミズTV」のコーナーに象徴されるようにしゃべりもできるのだ。また、映画出演もこなすのがWWEスーパースターの証明。ハリウッドキャラは伊達ではない。ジョン・シナからスタートした「ザ・マリーン(原題)」シリーズには5作中3本で主演しており、最新作は「ザ・マリーン5:バトルグラウンド(原題)」。声優も含めすでに10本近い映画に出演しているのだ。それだけにプロレス、いやプロレスを含めWWEスーパースターに必要な要素すべて備えていると断言できるのだ。決めゼリフ「AWESOME(イカしてる)!」理由がここにある。

 そのミズが、IC王者のまま日本公演にやってくる可能性は極めて高いとみていいだろう。たとえ失ったとしてもタイトル戦線に絡むのは必至。ミズのもとには夫人のマリースもついている。元WWEディーバズ王者でもあるマリースとは14年3月に結婚した。昨年の「レッスルマニア32」翌日のロウではザック・ライダーvsミズのIC王座戦に姿を現し、ザックの父親に張り手を見舞う暴挙に出た。これに気を取られたザックは、祭典での歓喜からわずか一日で転落…。久しぶりにWWEに登場したマリースが、夫の5度目となるIC王座戴冠を手助けする形になったのだ。以来、リングでも行動を共にしている。「エクストリーム・ルールズ」でアンブローズを引きずり下ろしたのも、内助の功があってこそ。その仲睦まじい姿を見られるのも、日本公演の楽しみのひとつである。

 そしてもうひとつ、あくまでも私見であるが、なんでもこなすミズだけにヒデオ・イタミが近い将来昇格した際には抗争相手になってもらいたいと思うのだ。スマックダウンでは、中邑真輔の相手にドルフ・ジグラーが選ばれた。ジグラーもまたミズと同様、常にWWEの第一線で活躍しているスーパースター。パフォーマンスも含め、受けっぷりや試合運びには定評があり、中邑のWWEデビューには絶好の相手だった。NXTでの大ブレイクをスマックダウンで継続、さらに昇華できたのも、ジグラーという相手あってこそ。その再現をイタミvsミズに期待するのは先走りすぎるか。とはいえ、今回の日本公演では両者とも同じリングに上がる。将来の日本公演、その夢を描くのも悪くない。

(構成・文:新井 宏)


※来日タレント、対戦カードは変更される場合があります。予めご了承ください。
※王座は5月20日、NXT「テイクオーバー:シカゴ」終了時点でのもの。



■大会名:WWE Live Tokyo
■日時:6/30(金)〜7/1(土)
■会場:国技館 (東京都)

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2017-06-12 17:04 この記事だけ表示

 ヒデオ・イタミ、戸澤陽、アスカ。日本人スーパースターが凱旋を果たすWWE日本公演「WWE LIVE TOKYO」6月30日(金=18時開場、19時開演)、7月1日(土=17時開場、18時開演)には、日本でプロレスを学んだ日本育ちのスーパースターたちもやってくる。その代表格が、フィン・ベイラーだ。

 アイルランド生まれのベイラーは、英国でレスラーデビュー、プリンス・デヴィットのリングネームで新日本プロレスに留学し頭角を現すと、ジュニアヘビー級戦線で活躍した。IWGPジュニアヘビー級王座を3度獲得し、ジュニアタッグ王座は合計で6度戴冠、ジュニアの祭典「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」でも2度の優勝経験と、実績もトップクラスと言っていい。

 そのデヴィットが新日本を卒業しWWEと契約をかわしたのは、2014年5月のことだった。リングネームをフィン・ベイラーとすると、同年10月にヒデオ・イタミと結託しNXTデビューを飾った。NXTではネヴィル、イタミを破りシングル王者へのチャンスを得るも、初挑戦での奪取はならず。しかし翌年7月4日の日本公演でケビン・オーエンズを破り、一軍昇格のないまま海外のハウスショーで王座を移動させるという快挙を思い出深い両国国技館のリングで達成してみせた。WWE初戴冠となったここからNXTブランドの王者として君臨、新興ブランドを牽引していくこととなる。同年終盤からはサモア・ジョーとの抗争を展開し、NXTのベルトをかけて何度も闘った。

 今回の日本公演に参戦するジョーもまた、日本のファンになじみあるスーパースターだ。TNAのトップスターとして活躍していたジョーは、ZERO1への初来日以来、日本のスタイルから多くをインスパイアされた大型レスラーである。NOAH参戦時には故・三沢光晴さんとGHCヘビー級王座をかけて闘い、GHCタッグ王座も保持していた。

 ベイラーがWWE昇格を果たしたのは、16年7月におこなわれたドラフトだった。ベイラーはロウの一巡指名によりNXTから移籍。セス・ロリンズ、シャーロット(WWE女子王者=当時)との同時指名からも期待の高さが伺えた。

 注目のルーキーには、新設されたWWEユニバーサル王座への挑戦がいきなり課せられた。まずはロマン・レインズとの王座決定戦出場者決定戦を制し、「サマースラム」でのセス・ロリンズ戦に進出。そしてそのロリンズをクー・デ・グラ(ダイビングフットスタンプ)で破り、いきなり一軍初戴冠という快挙を成し遂げた。ロウの中心人物に躍り出ることは間違いない。そう思わせるに十分な劇的PPVデビュー戦だったのだ。

 ところが、ベイラーはこの試合中に右肩を脱臼していた。手術が必要とのことで、翌日のロウで王座返上が発表された。しかもこの日に手術がおこなわれたことからも緊急を要する事態という事実が明らかになった。以後、ベイラーは長期欠場となる。彼が失ったベルトを獲得し第2代王者となったのは、NXT時代にしのぎを削り合ってきたオーエンズだった。

 懸命のリハビリを経てリングに戻ってきたのは今年3月10日のハウスショー。ロウの4・3オーランド大会でクリス・ジェリコの代打としてサプライズ復帰を果たし、ロリンズとのタッグを結成、因縁のジョー&オーエンズ組を撃破してみせた。

 返上を余儀なくされたベルト奪回をめざすベイラーは、4・24カンザスシティー大会でルーク・ギャローズ&カール・アンダーソン組と対戦。クラブを名乗っていたギャローズ&アンダーソン組とはもともと新日本でバレットクラブを組んでいた仲である。期せずして実現した再会マッチはロリンズ&ビッグキャスとのトリオで相手はジョー&ギャローズ&アンダーソン組。試合はロリンズがアンダーソンからピンフォールを奪い、ベイラー組の勝利となった。4月におこなわれた「シェイクアップ」(再編成)ではベイラー、ギャローズ、アンダーソンともロウ所属が決定。これにより、今後も元バレットクラブ対決が組まれていく可能性がある。

 事実、日本公演では初日にベイラーvsアンダーソンの一騎打ちが組まれている。アンダーソンにギャローズが加勢するのは確実。さまざまな駆け引きが繰り広げられるなかで、ベイラーは日本のリングでブラディサンデーを披露するか、また、反則お構いなしに合体攻撃を仕掛けてくるであろうアンダーソン&ギャローズのマジックキラーをどうかいくぐるのかが勝負のポイントになりそうだ。

 また、2日目には6・4「エクストリーム・ルールズ」でディーン・アンブローズからザ・ミスに移動したインターコンチネンタル王座にフェイタル4WAYマッチで挑戦する予定。奪回をめざすユニバーサル王座は現在ブロック・レスナーが保持しており、7・9「グレートボールズ・オブ・ファイヤー」でジョーが挑戦することがすでに決まっている。レスナーが限定出場のため、挑戦権を得るのはなかなか難しい状況だろう。それだけに、現在のインターコンチネンタル王座は事実上のロウナンバーワン王座と言っても差し支えない。ここでベイラーが勝つようならば、日本でふたたびベルトを巻くのと同時に、ユニバーサル王座奪還への足がかりにもなるだろう。2年前のWWE初戴冠が再現されるのか、ベイラーの闘いを見逃すな!

(構成・文:新井 宏)


※来日タレント、対戦カードは変更される場合があります。予めご了承ください。
※王座は5月20日、NXT「テイクオーバー:シカゴ」終了時点でのもの。



■大会名:WWE Live Tokyo
■日時:6/30(金)〜7/1(土)
■会場:国技館 (東京都)

チケットの詳細はこちら

2017-06-12 17:02 この記事だけ表示