【WWE日本公演 見所特集コラムD】事実上のロウナンバーワンタイトルIC王座!7度戴冠の“AWESOME(イカした)"ザ・ミズがやってくる![WWE]

 6月30日(金=18時開場、19時開演)&7月1日(土=17時開場、18時開演)の2連戦、東京・両国国技館で開催される東京WWE日本公演「WWE LIVE TOKYO」でのインターコンチネンタル王座(以下IC王座)戦は、現在のロウブランドで最高峰に位置するタイトルマッチと言っていいだろう。現在、WWEユニバーサル王座を保持しているのが限定出場のブロック・レスナーであることから、タイトル戦の機会がどうしても少なくなってしまう(次回タイトル戦は7・9「グレートボールズ・オブ・ファイヤー」でのレスナーvsケビン・オーエンズ)。そのため、日常的におこなわれているロウでのナンバーワンをめざすには、インターコンチネンタル王者となるのが手っ取り早い。そのタイトル争いが、今回の日本公演でもおこなわれる予定になっている。

 6・4「エクストリーム・ルールズ」ではディーン・アンブローズとザ・ミズの間でIC王座が争われ、ミズが勝利、新王者となった。この試合では前哨戦の段階からミズが心理戦でリード。タイトル戦で王者アンブローズが反則負けでもベルトが移動するという条件をゴリ押しし、優位な状況で大一番を迎えられることとなっていたのだ。通常ルールなら反則で王座が移動することはない。反則絡みで守り抜くというのも王者としての闘い方である。が、それを真っ向から否定したのが元王者のミズだった。「エクストリーム・ルールズ」ではほとんどのカードが特殊ルール。IC戦も例外ではなく、“チャンピオンの反則でも王座が移動"というエクストリーム(過激)な条件を、ミズがあらかじめ勝ち取っていたのである。

 当然、試合は挑戦者有利の展開で進んでいった。王者が反則できない状況をミズが巧みに利用、妻のマリースも使いこなし、闘いを優位に運んでいった。介入するマリースを注意するレフェリー。その背後にアンブローズを投げつけ、レフェリーに激突させたミズ。アンブローズのレフェリー暴行、反則を取るべきかレフェリーが迷う。そして、アンブローズの隙を突いたミズが必殺のスカルクラッシングフィナーレを決めた。これで3カウントが入り、王座が移動。まんまと新王者となったミズは、12年7月の初奪取から数え、実にこれが7度目のIC王座戴冠だった。クリス・ジェリコが2009年6月の「エクストリーム・ルールズ」でスコアした9度に次ぐ、歴代2位の記録である。

 ミズが獲得したのはIC王座だけではない。若手発掘のリアリティー番組「タフ・イナフ」出身のミズは、下部組織OVWを経て06年にスマックダウン昇格。同年11月16日にジョン・モリソンとのコンビでWWEタッグ王者となりWWE初戴冠を果たした。世界タッグ王座と合わせ、チームでのベルトはここまで4人のパートナーと合計6回巻いている。シングル初戴冠は09年10月のUS王座だった。また、WWE最高峰のベルトも手にしており、10年11月21日にはミスター・マネー・イン・ザ・バンクの地位を活用し、ランディ・オートンからWWE王座を奪取した。こちらもルールを巧みに利用しての結果だった。

 WWEであらゆるタイトルを獲得してきたミズとは、プロレスに必要な要素すべてを備えたスーパースターと言えるだろう。もう10年以上、常に第一線で活躍している。現在はヒールのポジションだが、ベビーフェースもこなしてみせる。表情も豊かで、「ミズTV」のコーナーに象徴されるようにしゃべりもできるのだ。また、映画出演もこなすのがWWEスーパースターの証明。ハリウッドキャラは伊達ではない。ジョン・シナからスタートした「ザ・マリーン(原題)」シリーズには5作中3本で主演しており、最新作は「ザ・マリーン5:バトルグラウンド(原題)」。声優も含めすでに10本近い映画に出演しているのだ。それだけにプロレス、いやプロレスを含めWWEスーパースターに必要な要素すべて備えていると断言できるのだ。決めゼリフ「AWESOME(イカしてる)!」理由がここにある。

 そのミズが、IC王者のまま日本公演にやってくる可能性は極めて高いとみていいだろう。たとえ失ったとしてもタイトル戦線に絡むのは必至。ミズのもとには夫人のマリースもついている。元WWEディーバズ王者でもあるマリースとは14年3月に結婚した。昨年の「レッスルマニア32」翌日のロウではザック・ライダーvsミズのIC王座戦に姿を現し、ザックの父親に張り手を見舞う暴挙に出た。これに気を取られたザックは、祭典での歓喜からわずか一日で転落…。久しぶりにWWEに登場したマリースが、夫の5度目となるIC王座戴冠を手助けする形になったのだ。以来、リングでも行動を共にしている。「エクストリーム・ルールズ」でアンブローズを引きずり下ろしたのも、内助の功があってこそ。その仲睦まじい姿を見られるのも、日本公演の楽しみのひとつである。

 そしてもうひとつ、あくまでも私見であるが、なんでもこなすミズだけにヒデオ・イタミが近い将来昇格した際には抗争相手になってもらいたいと思うのだ。スマックダウンでは、中邑真輔の相手にドルフ・ジグラーが選ばれた。ジグラーもまたミズと同様、常にWWEの第一線で活躍しているスーパースター。パフォーマンスも含め、受けっぷりや試合運びには定評があり、中邑のWWEデビューには絶好の相手だった。NXTでの大ブレイクをスマックダウンで継続、さらに昇華できたのも、ジグラーという相手あってこそ。その再現をイタミvsミズに期待するのは先走りすぎるか。とはいえ、今回の日本公演では両者とも同じリングに上がる。将来の日本公演、その夢を描くのも悪くない。

(構成・文:新井 宏)


※来日タレント、対戦カードは変更される場合があります。予めご了承ください。
※王座は5月20日、NXT「テイクオーバー:シカゴ」終了時点でのもの。



■大会名:WWE Live Tokyo
■日時:6/30(金)〜7/1(土)
■会場:国技館 (東京都)

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2017-06-12 17:04 この記事だけ表示