“ローマン帝国の主”ローマン・レインズが頂点に最も近い男なら、“ミスター・マネー・イン・ザ・バンク”ブラウン・ストローマンは頂点への最短距離にいる男なのだろう。
WWEユニバーサル王者は本稿執筆時点(7月20日)でブロック・レスナー(8・19PPV「サマースラム」で防衛戦)だが、次期王者候補筆頭として挙げられるのが、この2人。レインズが数年かけてWWEがプッシュする実力派スーパースターで、ストローマンは身長2メートル3センチ、体重175キロという怪力モンスター。
しかも今年のマネー・イン・ザ・バンクで勝利し、いつでもどこでも王座に挑戦できる権利を保有しているのである。

WWEが8月31日(金)エディオンアリーナ大阪で開催する「WWE LIVE OSAKA」には、レインズとともにこのストローマンもやってくる。
しかもデビュー以来、WWE関連の試合にしか登場していない純血スーパースターの初来日。
そのベールがいよいよ大阪で剥がされることになるのだ。

ストローマンはパワーリフティング出身で、2013年5月に29歳でWWEとディベロップメンタル契約をかわした。
初マットは14年5月26日、ノックスビルでのロウだった。しかし試合ではなく、アダム・ローズ率いるローズ・バズのメンバーとしての出演。
デビュー戦は同年12月、NXTにおけるチャド・ゲイブルとのシングルマッチだった。

15年8月24日、ロウのニューヨーク公演でWWE初昇格。
ローマン・レインズ&ディーン・アンブローズ組vsブレイ・ワイアット&ルーク・ハーパー組の試合中に黒い羊のマスクを被った大男が出現し、ワイアット・ファミリーの新メンバーとしてブラウン・ストローマンを名乗ったのである。
翌週、アンブローズとのシングルマッチでロウ・デビューを飾ると、9・20「ナイト・オブ・チャンピオンズ」でレインズ&アンブローズ&クリス・ジェリコ組とワイアット・ファミリーが6人タッグマッチで対戦。
ファン乱入のアクシデントもあったが勝利を飾り、ファミリーの新戦力として一気に頭角を現したが、16年7月のドラフトによりファミリーは分裂、その後はシングルプレーヤーとして闘うことになった。
サミ・ゼインとの抗争後、翌年にはふたたびレインズに牙を剥く。
4月10日、バックステージでレインズを襲撃し、救急車に押し込むと、その車を自力で横転させたのだ。
有り余るパワーはビッグショーとの一戦でも遺憾なく発揮される。
4・17コロンバスでの一騎打ちでは、ド迫力の肉弾戦からリングが崩壊。
これは03年6月のブロック・レスナーvsビッグショー以来、2度目の衝撃だった。

ストローマンに負傷させられたレインズはカムバックすると反撃に出た。
ストローマンはかねてから痛めていた腕を狙われて負傷し、欠場へ。
それでも予想をはるかに上回るスピードで復帰すると、7・9「グレート・ボールズ・オブ・ファイヤー」でアンビュランス(救急車)マッチを敢行。
相手をKOし救急車に乗せるまで勝ち名乗りを受けられない過酷な闘いは、ストローマンが勝利。
しかし試合後、救急車からレインズが復活しストローマンを乗せると自分で運転、駐車場でトラックに激突させ、重傷を負わせたのである。

ところがそのわずか8日後、レインズvsサモア・ジョーのユニバーサル王座次期挑戦者決定戦に乱入し2人を攻撃、リング上に大の字にしてみせる。
8・20「サマースラム」、王者レスナーにレインズ、ジョー、そしてストローマンが挑戦するフェイタル4ウェイ形式でユニバーサル王座に挑戦。
レスナーを実況席にパワースラムで2度叩きつけるなど大暴れするも、最後はレスナーがレインズをフォールしたことでタイトル奪取はならなかった。

9・24「ノー・マーシー」ではレスナーとの一騎打ちを実現させるが、ここでもベルトには届かず。
しかし今年1月には乱闘中のレスナーとケインを襲撃、2人をセットの下敷きにしてしまった。
この大暴走からカート・アングルGMは解雇を通告するのだが、ケインからの共闘要請を拒否し、1・15サンアントニオでは中継車を横転させる大暴れ。
さらなる大暴走に身の危険を感じたか、ステファニー・マクマホンは解雇を撤回、ストローマンをなだめることになんとか成功した。

1・28「ロイヤルランブル」でもベルトを逃したストローマンは一時方向転換。
4・8「レッスルマニア34」ではパートナー不在のままロウタッグ王座戦に出場すると、なんと観客のなかから10歳のニコラス君を大抜擢。
事実上ひとりで闘い、シェイマス&セザーロのザ・バーから王座奪取に成功した。
が、翌日にはニコラス君の学業優先で王座返上、WWE史に残る珍記録を演出した。

小休止していた怪物性は史上初めてサウジアラビアで開催された「グレーテスト・ロイヤルランブル」で復活する。
メインの50人参加ランブルマッチで15名を排除し優勝したのだ。
そして、各ブランドから4名が選抜された8人参加の6・17マネー戦ラダーマッチを制し、タイトル挑戦権を獲得。
大阪公演までに行使するかはわからないが、ここまでの暴れっぷりや過去の権利者の行使による奪取率をみれば、誰が王者であろうと最短距離にいることは間違いない。
どんな状況でやってきたとしても、大阪公演のストローマンは必見なのだ。

(構成・文:新井 宏)


■大会名:WWE Live Osaka
■日時:8月31日(金)
■会場:エディオンアリーナ大阪 (大阪府)

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2018-07-25 17:08 この記事だけ表示

WWEが8月31日(金)エディオンアリーナ大阪で開催する「WWE LIVE OSAKA」に、頂点に最も近い男がやってくる。
“ローマン帝国の主”ローマン・レインズが1年ぶり4回目の来日。
大阪への登場は、2014年7月12日の舞洲アリーナ、そのメインでケインを破って以来、4年ぶりとなる。

前回の大阪公演でメインを張ったように、レインズはWWEスーパースターのなかでもトップと言っていい存在だ。
サモア系のレインズはレスリングファミリーの出身。
父がワイルド・サモアンズのシカ・アノアイで、リキシ、ウマガの従弟、ロージー(マット・アノアイ)の実弟にあたる。

もともとはアメリカンフットボールの選手だったが、2008年にプロレス転向。
父や叔父のアファ・アノアイのコーチを受けてWWEとディベロップメント契約を交わす。
WWE傘下のFCWでデビューし、12年8月からローマン・レインズを名乗った。

12年11月にセス・ロリンズ、ディーン・アンブローズと3人組のユニット、ザ・シールドを結成。
PPV「サバイバー・シリーズ」にトリオで乱入すると、ロウでも乱入を繰り返し次々とスーパースターたちを合体パワーボムの餌食にしていった。

初来日は13年7月の日本公演で、このときすでにレインズ&ロリンズがWWEタッグ王者、アンブローズがUS王者に君臨。
ほとんど無名の存在から、あっという間にWWEを席巻していたのだった。

なかでもレインズのポテンシャルは高く評価されていた。
ルーツはもちろんだが、その存在感でもジョン・シーナに迫るほど。
WWEの顔と呼ばれる日も近いのでは、と思われていた。
それだけに、上層部が売り出しにかかるのも当然である。

ところが、事は思い通りに運ばない。
15年の「ロイヤルランブル」で優勝を飾るも、観客の期待はダニエル・ブライアンに集中していた。
ザ・ロックのヘルプを得たことも逆に災いしてしまったか、WWEユニバースはブライアンを支持、反レインズという図式ができてしまったのである。

そんな状態はある意味、現在もつづいている。
露骨な売り出し作戦に容易には乗らないというファン感情。
レインズへ向けられるブーイングには想像以上に根強いものがある。
ローマは一日にしてならずと言われるように、キャッチフレーズのローマン帝国も一日では成り立たない、ということか。

とはいうものの、WWEがレインズに賭ける期待値の高さは変わらない。
ロウのメイン出場頻度ならトップクラス。
常にタイトル争いの最前線に位置し、スーパーマンパンチ、スピアなどの得意技で、ド迫力のパワーを見せつけている。
アンチの多さは一時期のシーナと被るものがある。
それだけ、レインズが大物という事実の裏返しでもある。

実際、今年のPPVでも常にメインクラスで闘っているレインズ。
1月の「ロイヤルランブル」で優勝を飾ったのは日本人の中邑真輔だったが、その中邑と最後まで争ったのがレインズだった。
2月の「イリミネーションチェンバー」では、同形式史上最多の7WAYマッチを制し、WWEユニバーサル王座挑戦権を獲得した。
そして4月の「レッスルマニア34」でブロック・レスナーに挑戦。
3年前、レインズはロリンズのマネー権行使により戴冠を阻止されている。
このとき、レスナーは負けずして王座から転落したと同時に、大ブレイク目前で出世試合をかすめ取られたレインズには厳しい目がいまも注がれている。

雪辱のチャンスだった今年の祭典でも、メインで王座奪取はならなかった。
祭典後は、5月の「バックラッシュ」のメインでサモア・ジョー、6月の「マネー・イン・ザ・バンク」ではジンダー・マハル、7月の「エクストリーム・ルールズ」でボビー・ラシュリーを破った。
3大会連続でPPVのメインテーマからは正直はずれてしまっているのだが、着実に白星を重ねているのは次なる目標への準備段階か。
そして、8月19日にニューヨークでおこなわれる「サマースラム」では…。

過去の日本公演でも明らかなように、レインズの闘いぶりは決して悪くない。
むしろ、スーパースターらしいスーパースターであると実感させられるのだ。
悲願のユニバーサル王座を奪取して来日する可能性も残されているが、いずれにしても、大阪公演ではアメリカでの反応に左右されない真のレインズが見られるはずだ。
大阪ではそのたたずまいからローマン・レインズを堪能してほしい。

(構成・文:新井 宏)


■大会名:WWE Live Osaka
■日時:8月31日(金)
■会場:エディオンアリーナ大阪 (大阪府)

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2018-07-25 17:06 この記事だけ表示

東京・両国国技館公演からわずか2カ月、世界最大のスポーツエンターテインメント団体WWEが、今年も大阪にやってくる。
8月31日(金)、エディオンアリーナ大阪で開催される「WWE LIVE OSAKA」に、スーパースター勢が大挙来日するのである。

エディオンアリーナ大阪での公演は、2016年12月のNXT初上陸を皮切りに、昨年9月にはスマックダウン勢がやってきた。
そして今回は、ロウのメンバーを中心にした編成。ロウとは言わずと知れたWWEの中心ブランドである。
それだけに、現在進行形のWWE、その真髄を体感できる絶好の機会となるだろう。

今回最大の見どころは、なんといっても女子格闘界最大の大物ロンダ・ラウジーの日本マット初登場ということになりそうだ。
柔道家のラウジーは2008年北京オリンピック柔道70s級で銅メダリストを獲得、アメリカ女子柔道で初めての五輪メダリストとなった。
2010年の総合格闘技進出後も圧倒的強さを誇り、2012年にUFCと契約し初の女子選手となった。
同年12月に初代UFC世界女子バンタム級王者に認定され、翌年2月にUFC史上初の女子の試合で王座を防衛。
この試合のPPVは女子選手がメインを務めた大会で最高の売り上げを記録するなど、試合結果以外でも数々の記録を樹立している。
人気、実力とも兼ね備えたスーパーアスリートなのである。

元々WWEファンとして知られたラウジーがプロレスと関わったのは、2015年3月29日、カリフォルニア州サンタクララのリーバイス・スタジアムに7万6976人を動員した「レッスルマニア31」だった。

“ザ・ロック”ドウェイン・ジョンソンにエスコートされリングに上がると、トリプルH&ステファニー・マクマホンの“極悪上層部夫妻”と対峙。
ロックと共闘しトリプルHに払い腰を見舞うとステファニーのヒジに関節技を極めて制裁、WWEとUFCが遭遇するというまさかのシーンを現出させたのだ。

あれから3年、プロレス転向のウワサは現実のものとなる。
今年1・28日、PPV「ロイヤルランブル」にサプライズ登場。
女子初の30人参加ロイヤルランブルマッチ終了後、突然姿を現し、「レッスルマニア34」への参戦を表明した。
2・25「イリミネーションチェンバー」ではリング上で公開契約をかわし、WWEに入団。
ここでぶり返したトリプルH&ステファニーとの遺恨からラウジーはカート・アングルとの五輪タッグを結成、WWEデビュー戦となる4・8「レッスルマニア34」で再び制裁に乗りだし、最後はラウジーがアームバー(腕ひしぎ逆十字固め)でプロレスラーではないWWEの登場人物(ステファニー)からタップを奪うというカオス極まりない、かつ、カタルシス満点の名場面をつくりだしたのだった。

年間最大の祭典が終わると、WWEは恒例のヨーロッパツアーへ。
ラウジーは欧州公演でのシングルデビューが計画されていたようだが、ここでは6人タッグなどで持ち越しに。
記念すべき初シングルはあえてPPVでのタイトルマッチに用意されていた。
6・17「マネー・イン・ザ・バンク」で巨漢のナイア・ジャックスに挑戦。王者から指名されての実現だった。

試合ではラウジーが柔道殺法、関節技だけではなくダイビングクロスボディーを敢行するなどプロレスへの適応能力も遺憾なく発揮、腕を極めると初挑戦でいきなり奪取の快挙がすぐそこにまで迫っていた。
ところが、ここでラウジーはプロレス、WWEの罠にハマることになる。
アレクサ・ブリスが乱入し、タイトル挑戦の権利を行使、カードが変更されたのだ。
というのも前の試合でブリスはマネー戦に勝利し、いつでもどこでも王座挑戦が認められる権利を得ていたのである。
マネー権は1年間有効なのだが、まさか当日、しかも獲得から2時間あまりで使ってくるとは。
ダメージの大きかったジャックスはここでベルトをブリスに明け渡した。
ロウ女子王座はラウジーではなく、ルールを有効利用したブリスのものとなったのだ。

怒りのラウジーは翌日のロウでブリスを襲撃。
王者から「評判倒れの新人」と挑発されたこともあったが、アングルGMやレフェリーたちも暴行してしまい、30日間の出場停止処分を食らってしまう。
試合解禁は7・15PPV「エクストリーム・ルールズ」が終わってから。
しかしチケットを買って最前列で観戦したPPVで介入したためか、アングルGMは翌日のロウでさらに1週間の処分延長を言い渡した。
フラストレーションは溜るばかりだ。

さいわい、大阪公演では謹慎処分は解けている。
GMの決定に従えば、8・19「サマースラム」でロウ女子王者のブリスに挑戦できる。
そんな状況下での大阪での対戦相手はベルトを争ったジャックスとあって申し分ないだろう。
ところが、スペシャルレフェリーとして試合を裁くのが、あのブリス。
8・19「サマースラム」後の8・31大阪公演は、いったいどんなシチュエーションで開催されるのか!?

(構成・文:新井 宏)


■大会名:WWE Live Osaka
■日時:8月31日(金)
■会場:エディオンアリーナ大阪 (大阪府)

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2018-07-25 17:05 この記事だけ表示