電流爆破の返答を待つ“邪道軍”雷神矢口が「納谷幸男のデビューを血の海に沈める」
初代タイガーマスクの返答は…!?


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リアルジャパンプロレスが8月18日(金)、東京・興義館において記者会見をおこない、レジェンドチャンピオンシップ王者・船木誠勝と挑戦者・スーパー・タイガーが出席、9・14後楽園ホール大会「リアルジャパンプロレス佐山サトルプロデュース 初代タイガーマスク黄金伝説2017 LEGEND OF THE GOLD [」でのメインイベントで争われるタイトル戦に向けて意気込みを語った。また、邪道軍の雷神矢口が会見前に出したコメントを受け、初代タイガーマスクが見解を述べた。矢口は「大仁田厚からの電流爆破マッチの要求に初代タイガーマスクが応じたにもかかわらず進展がない」と怒り心頭。9・14後楽園大会に乗り込むことを宣言し、同日デビューする元横綱・大鵬の孫、元関脇・貴闘力の息子である納谷幸男を「オレ流の祝福で血の海に沈めてやる」と挑発、対戦要求と取れる声明を出している。

<メインイベント レジェンド選手権試合 60分1本勝負>
[第12代王者] 船木誠勝(フリー)
vs
[挑戦者] スーパー・タイガー(リアルジャパン)

納谷幸男(デビュー戦)
生年月日:1994年8月17日/血液型:B型、出身地:東京都/身長:197p/体重:130kg、
出身校:埼玉栄高校/格闘技歴:相撲、総合格闘技(元横綱大鵬 孫、元関脇貴闘力 長男)

初代タイガーマスク「リアルジャパンのストロングスタイルを実践できる2人が闘ってくれる。いま楽しみでしょうがありません。王者船木選手と、船木選手の指名のもとに辿り着きましたスーパー・タイガー選手、両者ともに機が熟している素晴らしい闘いになると思いますので、いい闘いを期待して、ここにレジェンドチャンピオンシップを宣言したいと思います」


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スーパー・タイガー「前回のリアルジャパンで船木選手から指名を受けたのですが、それを初代タイガーマスクが認めていただき、ボク自身、初代タイガーの佐山先生も言っているように、ここ1,2戦のリアルジャパンでまた新たな進化を自分自身感じて、その部分でも船木選手に認めていただいた部分もあるのではないかと。そういった部分でいまいろんな団体で経験を積み、その力をこの船木戦に向けて、しっかりとぶつけていきたいと思います」


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船木誠勝「ちょうど2年前ですね、自分がフリーになってすぐにタイトルマッチに挑戦した、その相手がスーパー・タイガー選手だったんですけども、あれから2年、いろんな選手と闘っているので、自分は遠くから見てました。ちょうどいまスーパー・タイガー選手は40歳ですね、40歳。自分が48歳。40歳、自分が8年前の40歳のときを思い浮かべると、それは自分がプロレスに復帰した歳だったので、まだまだここから上に行けると思ってます。40歳で復帰をして全日本プロレスの三冠ヘビー級王座を巻いたのが43歳ですので、まだこれからスーパー・タイガー選手は上に上がってこれる、まだまだプロレス界で上に上がってこれる歳だと思ってます。自分がいま48歳になりまして、50歳を手前にもう一踏ん張り勝負をしたいということでフリーになったんですけども、まだちょうどその年齢で言えば40歳と48歳で、20歳と28歳のときはたぶん28歳のほうが全然強いと思います。30歳と38歳、40歳と48歳で、だいぶこう年齢と体力ですね、体力が似通ってくる時期があります。もしかしたら2年前とはまったく違う変化を遂げてますので、今回かなり自分が苦しい闘いになるかもしれませんけども、前回の6月にやったタイトルマッチを思い起こして、まだ、それでもまだいける、タイトルマッチをやっていけるとの実感がありますので、今回も全力を尽くして防衛に挑みたいと思います」


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初代タイガー「機が熟してる、スーパー・タイガーもこれから、船木さんもこれから、というイメージとしては、ストロングスタイルにとっては神のような闘いであると、神の闘いであるとここに宣言したいなと思います。若い選手にもこれを見てほしい、こういうものが理想のプロレスなんだよ、これからはということを。昭和のプロレスがどうのこうの言われてますけども、これからのプロレスはこれなんだよということを見せつけてあげたい。お客さんにもわかっていただきたいのは、この試合は神のプロレスであるということですね。それくらい洗練された者同士が闘うようなかたちになってきました。この闘いをぜひ楽しみにしてもらいたいと思います」


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――船木選手は前回の2年前に闘ったときに「こちらの力量が吸い取られている感じがする。次に闘うのは恐い」と言っていたが、この2年間でスーパー・タイガーのどこが一番成長したと思うか。

船木「プロレスのキャリアを積んだことで、ものすごい引き出しが多くなったと思います。自分がほかの団体に上がっていたときのそこのトップの選手と30分ドローとかもやってますので、いま一番、技術とスタミナと気持ちが乗ってきてる瞬間がきたのかなという感じがします。なので、まったく前回の闘いとは比較にならないような感じになると思います」

――とくにどの部分を警戒する?

船木「前に闘ったときは技を使うタイミングとかが、なんとなくですけども、単発、単発で雑なような感じがしたんですけども、おそらくいま、あれから2年間、いろんな団体でたくさんの試合をこなすことによって、どこでどの技を使えばいいか、タイミングとか試合の流れ(の見方)がすごく変わったような気がします」

――引き出しの意味では、前回の大谷晋二郎戦で欧州式の丸め込みという新しい引き出しを開けたが、自分にもまだまだ新しいとことがあると思う?

船木「そうですね、あれはちょっと自分でも意外だったんですけども。引き出し自体はまだあるとは思いますけども、その引き出しは今回は引かなくてもいいと思いますね。そういう闘いではない、いま初代タイガーマスクが言われたようなストロングスタイルの闘いの象徴という、そういう試合になると思います」

――初代タイガーが神の闘いと言っていたが、期待を込めての言葉だと思うが。

初代タイガー「プロレスが衰退している、衰退していないところもありますが、それはむかしのプロレスとは全然違うし、ファンが望んでいるものとは、従来のファンが望んでいるプロレスではないということは、みなさん明らかなことだと思います。そこがひとつ残ったのが船木選手であり、そしてそこに追いついてきたのがスーパー・タイガーであり。しかもそれが最後の牙城というのではなくて熟した2人が闘うという、当時の新日本プロレスの全盛期時代であっても引けを取らないような選手になった2人が闘うということに対して、神の領域であるというふうにボクは思えてしょうがないんです」

――この試合にかける期待はかなり大きい?

初代タイガー「大きいです。やっぱり、ストロングスタイルの牙城を守ってもらいたいというのがありますね。またそういう選手をどんどんつくっていきたいなという、いい選手に現われてもらいたいなということもありますし」

――いまの言葉を聞いて、挑むスーパー・タイガーとしてはどう?

スーパー「そうですね、もういま、船木選手、初代タイガー先生が仰いましたが、たぶん2年前のボクだったらいまの期待にちょっと臆する部分があって、でもいま正直、プロレスラーとしていま闘いがものすごく楽しいです。それでいて、燃えるもの(もある)。そういう情熱の部分も、格闘技だけではない、プロフェッショナルレスリング、ストロングスタイルをやっぱりほかのプロレス団体に対しても、しっかりと見せつけていきたい。そういった気持ちがいま一番昂ぶっているので、胸張ってすごい闘いをやるんだというものを見せていきたいと、思えています」

――船木の考えるストロングスタイルとは?

船木「自分は新日本プロレスから始まって、UWF、藤原組、パンクラスというかたちで、やっぱりそのバックボーンには格闘技があるというのがずっと新日本プロレスに入門したときからずっと教えられてきたことなので、そこがまず芯になってて、そこからプロレスの技に発展していく。基本、プロレスという大きな一括りであったとしても、闘いからそれるとやっぱりいけないと思いますので、ずっとこれはむかしから言ってるんですけども、第1試合、第2試合、という名目でやってることなので、試合をしないといけないと思ってます。だから闘い。そのなかで矛盾のある闘いになるといけないなという気持ちがありますので。自然なそのかたち、すごく言い方は難しいんですけども、理にかなった技の攻防という試合をめざしたいなと思います。それが自分のなかのストロングスタイル。闘い。闘いがあってそこからいろんな技が集まってきて、その技の攻防が理にかなって動いていく試合が一番いいと思います」

――いまのプロレスとはちょっと違うものというか、もともとあるもの?

船木「なんかその不自然な、相手が合わせて、対戦相手同士が合わせて、ひとつの動きになるというかたちではない試合ですね」

――格闘があると?

船木「ハイ。格闘技がベースです」

――そのうえで技を見せる、受けるということ?

船木「ハイ。どう見てもおかしいだろというような技はあまりないほうがいいと思います。闘いという、闘いを見てるんだという気持ちになる試合が一番いいと思います」

――(同日におこなわれる)納谷幸男のデビュー戦、対戦相手については、どんな状況?

初代タイガー初代タイガー「まだ決めてないですけど、なんか大仁田のほうの矢口がどうのこうのという話を聞いて、そんな危険なことさせられるわけないだろ、というのが正直な気持ちです」

――矢口は納谷を「血の海に沈めてやる」と言っているが。

初代タイガー「一応デビュー戦なので、納谷選手もストロングスタイルをめざしてますので。危険なんですね、アイツらの闘いというのは。そういう目に最初から遭わせるわけにはいかないんじゃないかと。そんなこと受けるわけないだろ、というのがお返しの言葉ですね。まだわかりませんけどね」

――大仁田厚との電流爆破について、矢口から「なしのつぶて」との言葉もあったが。

初代タイガー「約束はしてないですけども。電流爆破とかそういうのも、自分の体調次第で考えて、いろんな計算をしながら考えてますね」

――受けたわけではない?

初代タイガー「受ける、受けないかはタイガーマスクの動きができるかできないかによって自分が決めますので、上がる以上、無様な格好で上がるわけにはいかないので、それだけはファンのイメージを守っていきたいと思いますけどね。先程の話のように、かつてプロレスっていうのは尊敬されていたんですね。プロレスラーっていうのは。そこのところは非常に重要だと思いますので。そういう体調になるまでボクはやるつもりはないし、尊敬されている対象になっている闘いというのがこの2人の闘いでありますし、そこのところの牙城は守っていきたいなと思いますね。それがボクの答えですね、大仁田に対しての。体調が整いしだい、たとえば一発でローリングソバットでKOしてみせるような、そういう体調に戻ってきたら、やりたいと思いますね」

<メインイベント レジェンド選手権試合 60分1本勝負>
[第12代王者] 船木誠勝(フリー)
vs
[挑戦者] スーパー・タイガー(リアルジャパン)


■大会名:初代タイガーマスク リアルジャパンプロレス 佐山サトルプロデュース 初代タイガーマスク黄金伝説2017 『LEGEND OF THE GOLD VIII』
■日時:9/14(木)
■会場:後楽園ホール (東京都)

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2017-08-21 16:43 この記事だけ表示

2002年3月1日、ザ・ロック(現在ではハリウッドのマネーメイキングスターとして映画界にも君臨!)がやってきた伝説の横浜アリーナ大会から15年。世界最大のスポーツエンターテインメント団体WWEが現体制となって以来、日本公演はこれまで20シリーズがおこなわれてきた。そして2017年、15周年&20回という記念すべき年に、また一つ新たな歴史が加わることになる。

「ロウ」が東京なら、大阪は「スマックダウン」、ということなのだろう。今年6月30日&7月1日に東京・両国国技館大会で開催された「WWE LIVE TOKYO」はロウブランドのメンバーを中心にした構成だったが、9月16日(土)エディオンアリーナ大阪での「WWE LIVE OSAKA」は「スマックダウンライブ」勢が大挙来日する。これは、「NXT」から「スマックダウン」に昇格した中邑真輔の活躍があってこそ、と言っていい。「ロウ」と「スマックダウン」が1年のうちに別々にやってくるのは今年が初めて。「スマックダウン」勢での公演は、12年8月9日&10日の両国国技館以来、5年ぶりとなる。

中邑は昨年12月、「NXT」のメンバーとして初のNXT日本公演を実現させた。そして今回は、WWEの一軍「スマックダウン」のメンバーとなっての凱旋。WWEと契約をかわして以来、中邑にはこれが3度目の凱旋となるのだが、今回のそれがもっとも意味合いの大きいものであることは明らかだ。世界的スーパースターとなった中邑の足跡(そくせき)については次回、詳しく振り返ってみたいと思う。というのも本稿執筆時点ではPPV「サマースラム」が控えている段階。中邑はここで、ジンダー・マハルの保持するWWE王座に挑戦、WWE入り以来最大の大一番に臨むのだ。その結果しだいでは、凱旋の意味がさらに大きくなるとも考えられるのだ。 まずここでは、来日メンバーを知るためにも8月8日に発表された対戦カードを紹介しておこう。

★「WWE LIVE OSAKA」
9月16日(土)エディオンアリーナ大阪

〈対戦カード〉
▼WWE選手権試合ラストマン・スタンディング・マッチ
〈王者〉ジンダー・マハル(withシン・ブラザーズ)vs〈挑戦者〉ランディ・オートン
▼US選手権試合トリプルスレット
〈王者〉AJスタイルズvs〈挑戦者〉ケビン・オーエンズvs〈挑戦者〉ルセフ
▼シングルマッチ
中邑真輔vsバロン・コービン
▼シングルマッチ
サミ・ゼインvsドルフ・ジグラー
▼8人タッグマッチ
ナオミ&シャーロット・フレアー&ベッキー・リンチ&アスカvsナタリヤ&タミーナ&カーメラ(withジェームス・エルスワース)&ラナ
▼シングルマッチ
ティアン・ビンvsエイダン・イングリッシュ

※その他出場予定…ニュー・デイ、ルーク・ハーパー、エリック・ローワン
※来日タレント、対戦カードは当日まで予告なく変更される場合があります。王者は8月7日「アフターバーン」日本放送前のもの。

こうしてみると、現在進行形の「スマックダウン」に現NXT女子王者のアスカも加わるという図式が見えてくる。タイトルマッチがおこなわれる王座はすべて8月20日(現地時間、日本時間8月21日)にニューヨークで開催されるPPV「サマースラム」でも組まれており、大阪公演までにベルトが移動する可能性もあるだろう。ということは、中邑がWWE王者としてやってくる可能性もあるのではないか。また、対戦予定のバロン・コービンは中邑にとって因縁の相手で、スマックダウン昇格時に抗争を展開したドルフ・ジグラーもやってくる。日本でライバル関係にあったAJスタイルズはUS王座をキープしてやってくるのか。そういった意味でも、中邑ありきの大阪公演と言っても過言ではないだろう。

だからこそ8・20PPV「サマースラム」が大注目なのだ。中邑が挑戦するジンダー・マハルは、中邑のスマックダウンデビュー戦がおこなわれた大会のメインイベントでランディ・オートンを破り、頂点に立ったインド系スーパースター。インドと日本の新進スーパースターが最高峰王座をかけてWWE最大級のビッグマッチで激突するのだから、この試合が9月の大阪公演に影響を及ぼすことは必至。中邑がマハラジャ政権を崩壊させることができるのか、「WWE LIVE OSAKA」を前に、必見である。

(構成・文:新井 宏)



■大会名:WWE Live Osaka
■日時:9/16(土)
■会場:エディオンアリーナ大阪 (大阪府)

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2017-08-16 18:41 この記事だけ表示


『特別興行ウルティモ・ドラゴン 30周年記念 〜Lucha Fiesta 2017 supported by AJP〜』
8/19(土) 後楽園ホール 18:30試合開始

――今年5月27日、メキシコシティーの大会場アレナ・メヒコで闘龍門メヒコ恒例の「ドラゴマニア」がウルティモ・ドラゴンデビュー30周年記念大会として開催されましたが、8月19日(土=午後6時30分開始)に、日本(東京・後楽園ホール)で「ウルティモ・ドラゴン30周年記念〜Lucha Fiesta2017 supported by AJP〜」がおこなわれます。20周年記念、25周年記念とも後楽園ホールで開催していますよね。

「はい、やってますね。ただ、年々、自主興行というのが難しくなっていくなか、全日本プロレスさんの全面協力の下、お互いに面白そうだということで開催する運びになりました。全日本プロレスさんは興行数も多いですし、そのなかで自分がそこに乗せていただいたと。これは秋山社長をはじめ、選手、スタッフ、すべての全日本プロレスの人たちに感謝ですね。全日本プロレスのお客さんもたくさん来られると思うんですけど、自分が久しぶりに(日本で)いいプロデュースをして、お客さんにこんなのもあるんだと、プロレスの別の面のおもしろさを披露できればなと思っています」

――現在、ウルティモ選手は全日本プロレスを主戦場にしています。全日本にウルティモ選手が上がる意味とは?

「最初は、木原文人リングアナウンサーに声をかけられたんですよ。過去に分裂問題とかあったじゃないですか。秋山社長たちがNOAHから合流したりとか。 そんな時に“(全日本に)ぜひどうですか?"と声をかけていただいたのですが、最初はちょっと…」

――躊躇した?

「全日本プロレスって伝統ある老舗団体じゃないですか。自分が行って全日本に求められる闘いが出来るのかなっていう思いがあったんですよね。とりあえず1試合だけという形で出ることになったんですね。当時は白石社長で、白石さんからも実際ちょっと反対の声が出ていたらしいんですよ。“そんなロートル使ってどうするんだ?”みたいな。でもまあ、試合後すぐ控室に来てくれて挨拶してもらって。そこはそれだけで終わったんですけど、その後、会社のなかで、もっと長期参戦してもらえないかという風に変わったみたいなんですよね」

――試合を気に入ってもらえたと。

「そうですね。たぶんボクのことが最初はわからなかったんでしょうね」


――当時は知らなかったのかもしれませんね。

「そうですね。そこから定期的に参戦するようになって、運良くチャンピオンにもなれた。でも、秋山社長とはまったく接点がなかったんですよ。彼は全日本でデビューした全日本育ちで、NOAHにいて。ボクは新日本道場にいて、メキシコに行った。まったく畑が違うんですよ。そんななかで最初に入ったときは挨拶を交わすくらいで接点もないし、試合もヘビーとジュニアなので絡むこともない。ただある日、なにかのきっかけで、お互いがシガー(葉巻)をやることがわかって、それでちょっと意気投合して」

――葉巻つながり。

「そうそう。そういうのでメキシコに来てもらったりとか、キューバに一緒に行ったりとか、リング外で共通の趣味があるということで、お互いにスタイルもバックボーンも違うけれども、お互いがお互いを尊敬できる、いい関係になれたんですよね」

――興行においても足りない部分を補えるとか。

「そうですよね。あとは全日本には諏訪魔君をはじめ、全日本プロレスの王道の流れを汲む素晴らしいレスラーがたくさんいるし、自分とはいい意味でイデオロギーのぶつかり合いとかもない。ジュニアの子たちも自分の試合を見て育った子たちなので、いろんな話をボクに聞きに来たりとか、自分にはすごく居心地がいいというか、みんな人間的にいい子たちなんですよね。巡業中も居心地がいいですし。ただまあ、それはリングの外であって、試合になると内容はやっぱり全日本プロレスですから、内容はかなり激しいことになりますし。本当に素晴らしい団体ですよ。自分もプロレスラーとしてもたぶん最後(の団体)だと思うんですけど、いい幕を閉じられるんじゃないかなと思っています」

――王道を体感することがある意味、ウルティモ選手の集大成でもあると。

「集大成に入ってるんでしょうね。いつ引退するか、いまは明言できませんけど、年齢的にも今年(12月で)51歳になりますから、ここ2,3年でしょうね、(ファイト)できて。長くできれば、それは長くやりたいですけど」


――正直、参戦当初は、“え、ウルティモ・ドラゴンが全日本!?”という感じはありました。

「そうでしょうね。最初はボクも、全日本プロレスじゃないだろと思ってました。でも木原リングアナから誘われて。実は木原リングアナとはもっと前から交流があったんですよ。自分がSWSのとき、彼がボクのマンションに遊びに来たりとか。でも仕事は仕事、プライベートはプライベートで分けてたんですよね。でも、そのときからいつか仕事したいね、とお互いに話はしてたんですよ。それがまあ、こういう全日本プロレスのゴタゴタがあったなか、なんとか上がってくれませんかと言われて。人間っていろいろ縁を感じますよね。それはもう木原リングアナもそうだし、秋山社長もそうだし、全日本という団体もそう。ここに縁を感じますよね。あと自分がいることによって、若い子たち。自分が直接練習とかはやらないですけど、いろいろ試合を通じてこういうスタイルもあるんだと覚えてもらいたいと思ってやっていますよ」

――全日本のなかにプロレス学校闘龍門がある、みたいな?

「いや。自分は最近いろんな人から、教えたりしないんですか?と言われたりするんですが、自分が教えると全日本プロレスではなくなるんですよ」

――なるほど。

「全日本プロレスとはあくまでも力道山先生、ジャイアント馬場さんの流れで、秋山社長は最後の弟子じゃないですか。大森隆男さんもそうだし。その辺の人たちが引き継いできたものが、ボクは王道・全日本プロレスだと思うんですよね。自分がやってきたものというのはベースがルチャリブレであって、そこに新日本プロレスとかアメリカWCWとかの流れがあっての闘龍門のスタイルじゃないですか。いま、全日本プロレスの看板でやっている以上、勿論、アドバイスはしますけど、そのど真ん中は全日本の王道スタイル。それは秋山社長とか大森さん、諏訪魔君、青木篤志君たちが継承して教えていくのが本道だと思いますね」


――ウルティモ選手が全日本に上がるのは、日本のマット界のジュニアのレジェンド、象徴としての意味合いが大きいような気がします。

「そうですね。いまの全日本のジュニアの選手たちって、どうしても地味だと思うんですよ。ジュニアって華やかに、派手にやった方がいいと思う。そのなかで自分がいることによって、新しい風というかね。最近、TAJIRIが入ってきてすぐに世界ジュニアのチャンピオンになったと。王道マットに毒霧かよと思いましたけど、それはやっぱり彼がWWEで培ってきたスタイルなので、まあ、彼だったら許されるのかなと。彼が登場することによって、また活性化されてジュニアヘビー級がまたおもしろくなれば、それはそれで素晴らしいことだと思いますから」

――そのTAJIRI選手とは30周年記念大会後の8・27全日本両国国技館大会で対戦しますよね。ウルティモ選手が世界ジュニアに挑戦するかたちです。そのタイトルマッチに弾みをつけるためにも、19日の30周年記念大会は成功させたいですよね。

「そうですね。今回、30周年のコンセプトは、ドラゴマニアがそのまま日本にやってくる、なので、5・27と同じようなメインのカードなんですけど、ふつうにメキシコの選手だけでルチャリブレをやるよりも、こないだの5・27のメインがすごいよかったんでね、それに近いカードをやってみたい。自分がすごいなと思ったのは、秋山準もジョー・ドーリングもメキシコのリングで素晴らしい順応性を見せてルチャリブレのスタイルそのままこなしてたんですよ。それを見て凄いなと思ったし、是非、日本のファンの前でもみせるべきだと思ったんですね。秋山は秋山、ドーリングはドーリングなんですけども、アレナ・メヒコのリングで違和感がなかったんです。借りてきた猫みたいな感じになってしまう人もいるけど、そんなこともなく、本当にお客さんに受け入れられたし、普通にこなしてたんで、凄いなと本当に思ったんですね。今回はサム・アドニスとかカリスティコも来てくれるし、そのなかでどんな融合があるのか、日本のファンの前でどうなるのか。プロレスってお客さんがいて初めて成り立つもの。メキシコのファンと日本のファンの反応は違いますけども、それでどういう化学反応が起るのか、楽しみですよね」


――ウルティモ選手のトリオは、5・27とまったく同じメンバーですからね。

「そうです。自分と秋山準とカリスティコ。みんなやっぱり、それぞれタイプが違う方がおもしろいと思うんですよ。みんながみんな同じようなスタイルだとファンの人たちにもわかりづらいと思うんです。とくに今回の「ルチャフィエスタ」に関しては、ふだんあまりプロレスを見ていないようなお客さんもいらっしゃると思うので、ボクはわかりやすいプロレスをやりたいと思うんですよね」

――相手のドーリングは全日本でおなじみですが、エル・ディアマンテ、サム・アドニスは日本のファンにはほぼ無名です。どういう選手ですか。

「サム・アドニスというのは、アメリカのトランプ大統領の旗を持ってくるんですよね。いいところに目をつけたなとボクは思ってます。なかなかのアイデアマンですよね。カラダも大きいですし」

――サイズ的には全日本向きかもしれません。

「そうです、全日本の外国人黄金時代にいたような選手。本人も憧れてるみたいで、これを機に定着できたらいいんじゃないですかね」

――現在はメキシコのCMLLに上がっているようですが、アメリカ人で珍しいですよね。

「ハイ。やっぱり彼は、アメリカだとノーマルなレスラーになってしまうかもしれない。でもメキシコに行ってトランプ大統領の旗を振ることによって、観客のブーイングを浴びられる。あえてそういうことをやってみる。彼の目の付け所がよかったんだと思いますよ」

――なるほど。では、エル・ディアマンテという選手は?

「ボクはまったくわからないです。ただ調査をしているなかで、カリスティコのライバルだと。カリスティコが闘って、カリスティコが光る選手がほしいですからね。ボクは実際にディアマンテを見たことはないんですけど、そういった意味でカリスティコの対戦相手としていいんじゃないですかね」

――カリスティコとは初代ミスティコ。メキシコのスーパースター中のスーパースターですからね。

「そうです、象徴的なルチャの選手です。日本でこういうのがあると話したらぜひ行きたいと言ってくれた。忙しいのにいいのかと聞いたら、OKだと。お祝いに駆けつけたいと非常にうれしいことを言ってもらいました」


――ほかにもいろいろなカードが組まれています。第1試合が岩本煌史vs岡田佑介。

「全日本プロレスの若手のガチガチの王道スタイルになると思いますよ」

――第2試合、渕正信&X組vs田中稔&丸山敦

「渕さんのベテランの味と、X。もちろん、ボクはXが誰なのかは知ってますけど、彼が渕さんと組むことによって、渕ワールドがさらに広がるんじゃないかと」

――それがヒントですか?

「ハイ」

――Xは?

「当日発表になりますね」

――第3試合は女子プロレス。安納サオリ&万喜なつみ組vs旧姓・モンゴル&ブス・モンゴルwithミス・モンゴル。

「ボクは実際、この4人、誰も見たことないんで(笑)。木原リングアナに旬な女子レスラーをお願いしたんです。見たことないけども、こういったフィエスタ的な大会には女子選手に出てもらって華を添えたいんですよ。木原リングアナからこの子たちがいいんじゃないですかということで、任せてあります」

――ドラゴマニアでも女子の選手が入るのは恒例ですからね。

「そうですね」

――第4試合はドラゴンスクランブル。

「ドラゴンスクランブルは時間差式バトルロイヤルです。12人参加で、2人ずつ入って闘います。フォール、ギブアップ、オーバー・ザ・トップロープで勝敗が決まる。トップロープから落ちただけで負けてしまうルールなので、これは本当に、大物が早く消えてしまう危険性もありますから」

――誰が勝ち残るか予想が難しいですよね。

「小さいからって不利でもないし、これは非常におもしろくなると思います」

――第5試合が宮原健斗&青柳優馬組vsKAI&野村直矢組。

「これは全日本プロレス一押しのタッグマッチですね。これぞ全日本プロレスというのを見せてもらいたいなと」

――そしてメインの6人タッグ。ウルティモ・ドラゴン&秋山準&カリスティコ組vsジョー・ドーリング&エル・ディアマンテ&サム・アドニス。これは3本勝負になるんですよね。

「ハイ。メキシコルールの3本勝負になります。やっぱりこのメンバーで1本勝負というのは短すぎると思うんですよ。カリスティコにも思いっきり飛んでもらいたいし、秋山準にも思いっきり相手をぶん投げてほしいし。そのためには1本じゃ足りないです」

――3本勝負にすることによって全員の持ち味を存分に発揮されそうだと。

「そうです、そうです」

――ドラゴマニアがそのままやってくるとのことですが、ドラゴマニア系の大会でウルティモ選手はよくマスクを剥がされますよね。

「ああ、そうですねえ(笑)。今回も予備のマスクを3枚くらいもっていきますよ。破かれるのも定番だし、破かれると思ってもらっていいと思いますよ(笑)」

――破かれるのを覚悟で用意しておくと。

「ハイ」

――相手方はルードだからマスクを狙ってくるのも当然ですよね。

「たぶん、ディアマンテあたりがそういうのよくわかってるんじゃないですかね」

――メキシコのルードであり、ウルティモ選手のマスクを剥いだら、おいしいですからね

「ええ。だからまあ、破かれてもいいかな、くらいの気持ちでやりますよ(笑)」


――ほかに演出的なところでは当日、なにかありますか。

「マリアッチ・サムライという素晴らしいマリアッチの楽団が(日本に)ありまして、その人たちに出てもらってメキシコのマリアッチを披露してもらおうと思ってます。当日は内容盛りだくさんになると思いますよ」

――ドラゴマニアは毎年5月にメキシコで開催されています。メキシコはもちろん、現地の日本人ファンにも喜ばれるような工夫が常にされているイメージがあります。今回はドラゴマニアがそのままやってくるというコンセプトですが。

「メキシコのルチャをそっくりそのまますべて持ち込むことはできないですけど、観客あってのルチャリブレ。メキシコのプロレスはこういう雰囲気のなかでやるんだと少しでも伝わればいいなと。あとメキシコへの直行便ができて、メキシコがちょっと近くなったんですよね。それで少しでもメキシコに興味を持ってもらえたらいいなという思いがあります。自分は30年間、メキシコにお世話になってるので、これをきっかけにメキシコまで来てもらえたらうれしいですしね。ちょっとでも日本の人にメキシコという国を知ってもらえれば。それが一番の目的ですね。もちろん自分の30周年で、お祝いもありますけど、この30周年興行を通じて日本の人にメキシコという国をもっと知ってもらいたい。とくにいま、サッカーの本田(圭佑)君もメキシコ(パチューカ)に行ったりとかしてメキシコ自体が注目を浴びているじゃないですか。だからもっともっと興味を持ってもらえたらね、メキシコに30年住んでる人間からしたらうれしいですよ」

――30年間、日本とメキシコを行き来して、いま振り返ってみていかがですか。メキシコに渡って以来、日本にはユニバーサルを通じてルチャリブレを持ち込み、海外ではメキシコ、アメリカのメジャー団体を制覇したと言ってもいいと思います。

「自分は日本でプロレスラーになろうと思ったけど、身体が小さいという理由からメキシコに行って、そこから運命が変わった。運命が変わっただけじゃなくて運気が乗ったんですよね。自分のなかでは、自分の人生イコール・メキシコ。アメリカで腕をケガしたじゃないですか。自分の人生のなかで、アメリカの選択肢は最初なかったんですよ。でもアメリカに行きました、WCWでまあまあいい活躍ができました。でもたぶん、そこで神様からちょっとストップがかかったんじゃないかと思って」

――オマエの居場所はアメリカじゃないよと。

「そうなんですよね、それでメキシコだと。それでメキシコに戻って闘龍門を始めて、(生徒たちが)素晴らしい選手たちに育ってくれた。その後も自分はメキシコで自主興行を続け、最後の集大成で全日本プロレスで試合をさせてもらってる。その間もすべてボクはメキシコというベースは変えてないわけです」

――そうですね。

「やっぱり、人生というのはいろいろありますけど、自分の信念でそういうのを曲げない、そういうふうにやってきたのがよかったんじゃないかなって。だからメキシコという国があっていまの自分がある。それに関しては、メキシコに行けてラッキーでしたね」

――選手としてはもちろん、後進を育てプロデュースするという意味でもプロレス界に多大な貢献をしてきました。この30周年は、闘龍門を設立して20周年でもありますよね。

「そうですね、そうです。メキシコの学校はいまクローズして、興行だけやってるんですけど、1年に1回がドラゴマニア。年に4回の定期戦」

――プロレス学校の闘龍門から巣立っていった選手たちが現在、日本のあらゆる主要団体で活躍しています。たとえば新日本プロレスの“レインメーカー”オカダ・カズチカ選手も闘龍門出身です。いまやプロレス界の救世主的存在でもある。プロレス界にカネの雨を降らすレインメーカーですが、各選手にキャラクター付けしていくのも、闘龍門が先駆けでもありますよね。

「そうですね。やっぱり入口だと思うんですよ。プロレスを最初に教わるとき、プロレスに対する最初の洗礼を受けるわけですよ。世界にはいろいろな宗教がありますよね。たとえばカトリックの洗礼を受ける、仏教の国もある。それによってアイデンティティーって変わるじゃないですか。それを後から変えることはできないんですよ。だからたぶん、言い悪いとかそういう問題じゃなくて、最初に教えたことが、ずっとついて回る。これだけ色々な団体で、自分の生徒だった選手が活躍しているということは、自分がやってきたこと、伝えたことが良かったのかなと。やってきたことは間違いじゃなかったかなと、今になって言えるのかなと思いますね。ただ、オカダがいま大活躍してますけど、ボクからしたらオカダも松山勘十郎も同じなんですよ」

――同列に見ている?

「ボクからしたら一緒です。みんな一緒です。 たまたまオカダが活躍したと。もちろん身体も大きいし、この子はこうなるなというある程度の予測はありました。それは松山勘十郎にもあった。オカダが入ってきたときには、将来は新日本プロレスとかに行ってもらった方がいいと感じたし、だからそういう路線でいかせました。松山勘十郎には新日本には行けないと思うじゃないですか、でも別の松山勘十郎としてのスタイルでやりなさいと。レベルは違いますけど、松山勘十郎は自分で興行をやってるしね。実際一度(興行に)呼んでもらいましたよ。アイツはアイツで活躍してるんで、自分は嬉しいです。選手によって差をつけることはないですね。ふつう、自分の子に差はつけられないじゃないですか」

――そうですね。

「長男がかわいいとか次男の方がいいとか多少はあったとしても、子どもは子どもで、みんな可愛いんですよ。そういう意味でボクにとって弟子(生徒)はみんな一緒ですよ」

――本当に多くの選手を輩出し、それぞれが活躍している。ウルティモ選手がいなかったら現在の日本プロレス界はどうなっていたんだろうというくらい影響力があります。


「それはまあ、結果ですよね。結果がたまたまそうなっただけ。あとは、自分には日本のいわゆる昔から続いてるマット界の悪い部分、たとえば道場論とか根性論とか、自分の場合そういうのは一切ないんです。どちらかというとメキシカンスタイル、向こうのやり方。だいたい(プロレス)学校って日本にはなかったじゃないですか。だけど向こうは道場じゃない、みんな学校なんですよ」

――(レスリング)スクールですよね。

「そう、(メキシコ)それが当たり前なんですよ。どんな仕事でもそうだと思うんですけど、最初に新しいものを始めるといろいろ批判があるじゃないですか。自分はたまたまメキシコに住んでて、メキシコにプロレスの学校があるから、それを普通にやって、日本に取り入れたんですよね。別に特別なことはしてないんです」

――なるほど。では最後に、あらためて30周年記念となる8・19後楽園大会への意気込みをお願いします。

「ルチャフィエスタのタイトルでやりますので、ルチャリブレのお祭りですよね。みなさん会場に来て、メキシコの本場のルチャリブレを体感してみてください。メインでは、ボクは最強トリオでいきます。メキシコの英雄カリスティコ、全日本の秋山準、そして自分。万全で臨みますので、期待してください」 (聞き手:新井宏)


【対戦カード】
<ウルティモ・ドラゴン30周年記念試合ルチャ・リブレルール6人タッグマッチ60分3本勝負>
ウルティモ・ドラゴン&秋山準&カリスティコ
vs
ジョー・ドーリング&エル・ディアマンテ&サム・アドニス

<タッグマッチ>
宮原健斗&青柳優馬
vs
KAI&野村直矢

<ドラゴンスクランブル時間差バトルロイヤル>
【参戦決定選手】
青木篤志、大森隆男、諏訪魔、ゼウス、
中島洋平
※その他豪華参戦選手もお楽しみに!



<女子プロレス タッグマッチ>
安納サオリ&万喜なつみ
vs
旧姓・モンゴル&ブス・モンゴル
with ミス・モンゴル

<タッグマッチ>
渕正信&Xvs田中稔&丸山敦

<シングルマッチ>
岩本煌史vs岡田佑介




■大会名:特別興行 ウルティモ・ドラゴン 30周年記念 〜Lucha Fiesta 2017 supported by AJP〜
■日時:8/19(土)
■会場:後楽園ホール (東京都)

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2017-08-15 19:17 この記事だけ表示