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12月7日(木)東京・後楽園ホールにて開催される「初代タイガーマスク認定『原点回帰』プロレス大会」の記者会見が10月26日、帝国ホテル内中華料理『北京』帝国ホテル店レセプションルームでおこなわれ、新間寿(リアルジャパン会長)、初代タイガーマスク(佐山サトル=リアルジャパンプロレス)、“大鵬三世”納谷幸男(リアルジャパンプロレス)が出席、コメントを述べた。


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新間  今回、私が言いたいのは、12月7日、この日を原点として、佐山サトル原点回帰で、“佐山サトル引退”、“佐山サトル引退カウントダウン”を12月7日から始めます。佐山サトルがリングにのぼります。そして、12月7日にどういうものがおこなわれるか、スーパー・タイガーのタイトルマッチ(レジェンド選手権試合)、“大鵬三世”納谷幸男の第2戦、相手はまだ決まっておりません。いまこれしか決まっておりません。そしていままでのリアルジャパンでお願いしていた選手は、この試合には一切出ません。新しい試みとして私は12月7日、私と佐山サトルがどういうものを追求していくのだろうか。それを12月7日にお見せしたく思っております。そして、“大鵬三世”納谷幸男は必ず相手を探し、いま交渉中ですが、いい相手といい試合をすると思います。リングサイドには誰もおかず、タイガーマスク、コミッショナー、ありがとうございます。、そして私と平井(丈雅リアルジャパン社長)がリングサイドにいて、この試合を見守りたく思います。よろしくお願いします

佐山サトル(初代タイガーマスク)  本日はお集まりいただきまして誠にありがとうございます。かねてよりプロレスは闘いなんだとリング上で言って参りましたけど、かけ声ばかりで、そうではないのもいっぱいあるじゃないかとの指摘を前から受けていたわけですけども、今回は新間さんもついに怒りまして、いい加減にしろと。これは選手の“排除”ではございません。この1回か2回の(大会で)、我々はこういう姿勢を全国のプロレスファンに示す。こういう機会の場所でございます。原点回帰。なにをするかというと、プロレスというものをもう一回見つめ直して、昭和の時代を見つめ直してみようということです。決して、真剣勝負であるとかガチンコであるとか、そういうことを言うつもりはありません。プロレスを本来の姿、闘いの姿がそこにあるもの、真剣にやってる姿、これを戻していこうという姿です。スタイルの問題です。これを12月の試合でおこなってまいります。この魂をみなさまも一緒になって魂を注いでもらえたらなと思います。本日はよろしくお願いいたします

――佐山サトル引退カウントダウンとは?

新間  1年後か2年後か3年後に、完全にリング上から引退、闘いの場から。佐山サトル、タイガーマスクは、いままで人に多くの夢を与え、多くの人のヒーローであり、多くの人にプロレスとは真剣に闘う、こういうタイガーさんを見たいんだという、全国をいじめ防止でまわったり振り込め詐欺防止でまわったりすると、そういう声がすごく多く聞こえるんです。能登鉄道にいったときに2両編成の電車が満員になって、そこにタイガーマスク・ファンが集まって、そこで私とタイガーのサインと、それから被災者の人たちと一緒に食事会をやって帰ってきたんですけども、みんなそれぞれにタイガーマスクがホントに来るとは思わなかったと。佐山タイガーというのは人のためにそういうことをやった。震災が起こればそういうところに飛んでいく。だから佐山ちゃん、もうそろそろいいんじゃないかと、私は言うんです。自分の夢をこんどは実現しなさいと。私たちは信念を持っている。信念というものは持ち続けることができるんです。だから佐山サトルがいままでやってきた多くの人に夢を与えてきたことよりも、今度は佐山サトルが自分の夢を自分の信念として、多くの人々のためになにか自分がやりたいこと、言いたいことをやってもらう場所を私はつくりたいんだと。そう思って、平井社長の方に、12月7日は、今回は私と佐山サトルでやりますよと。いままでリアルジャパンに登場していた選手たちは一旦お休みいただいて、次の機会にやってもらうようにして、まずは佐山サトルの原点復帰を12月7日から始めましょうと。その代わり、ファンに物足りないところがあるかもしれないけれども、200名の方にタイガーマスク・ワインボトルとか、それからタイガーマスク・タオルとかそういうものをリング上からボールを200個投げて。受け取ったボールはすべてアタリですから、200名の方に佐山サトルの原点回帰をお祝いして、と思っておりましたら、当人はこの頃ゴルフに懲りすぎておりまして、リング上で200個のボールを置いておいてもらって、アイアンかドライバーで打とうかって。危険だ、それこそ危ないからやめてくれってことで(笑)。それはやめてもらうようにしましたけども。200個のボールを投げたい人の中に、私は昭和のプロレスよーくわかるマスコミの人も一緒に上がってください。200個投げきるのは大変ですよ。ですからどうぞ、一緒に投げてちょうだい。新日本プロレス時代はマスコミと会社が一体だったのよね。この頃は、もうそういうことないじゃないですか。なにが言いたいかというと、リングサイドとアウトサイドリングのファンとの境目があったとことろで乱闘してても、鉄柵の前で見ている子たちが逃げもなにもしないで、顔の前でiPhoneを突き付けてバシャバシャ写真を撮ってる。あんなこと信じられないですよ。そういうプロレスがあってもいいかもしれないけども、ボクらの昭和のプロレスを経験してきた者からすれば、あれはプロレスではないと。一度、佐山ちゃんと一緒に、新日本プロレスのむかしの真剣に闘ったプロレスを見てもらいたい。そういう企画を立てましたので、内容は当日までのお楽しみで、タイガーマスク・カウントダウン。その日は、タイガーマスクはリングに上がります。なにをやるかわかりませんけども、トレーナー姿でリングに上がるということです。背広じゃないですよね

佐山  ゴルフウェアでもないです

――引退カウントダウンへの思いは?

佐山  身体が動けるウチに、なにかを残してあげたい。新間さんと同じような気持ちでプロレス界のOBとして残してあげたいものがありますから、その中のひとつの、その中で間に合うようにしっかりと。ただもうプロレスができる、動けるのも相当短い期間かと思います。このうちの中にそれを全部残してあげたいなと思います。なにが違うのかというのを古参のレスラーもわかってるはずなのに、なぜ説明しないのかわからないんですけど、やっぱりこう聞いちゃうんですね、一緒にやっちゃうと。それをボクは聞かないようにして、新間さんのこの機会によって聞かないようにして、ホントにやってしまおうと思ってます。いろんな使い方でここが違うんだ、ここが違うんだというものを全部示していきたいなと思いますね。たぶん、古い記者の方たちもそれを待ち望んでいるんじゃないでしょうかね。いろんな噂を聞いてると


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――リアルジャパンのリングは新日本の初期のリングと同じくらい(の硬さ)?

佐山  いえいえ、新日本ほどやわらかくはないですけども、ある程度は(硬い)。藤波さんのドラディションが使ってたりとか、IGFが使っていたのと同じようなものですね。硬くした方がいい?

――ずっとプロレスを見てきて、プロレスが変わったのはマットのせいだと思う。闘魂三銃士時代にやわらかくした。

佐山  確かに昔よりもすごくやわらかいです

――レスリングがむかしはキチッとあったのに、いまは跳んだり跳ねたり、大技も(多く)出る。安全との気持ちがあって大技も出る。

佐山  それもありますね。ただ一番違うのは思想が違うところですね。やっぱり思想とは大切なもので、力道山先生から培ってきたストロングスタイルというものを身に染みて感じてないわけですね。たとえば、タイガーマスクは佐山さんにとってなんですかと聞かれたときに、新日本プロレスの結晶だと言うんですよ。メキシコに渡る前の3年間、4年間が一番ボクの身になったし。なにも大技を使っちゃいけない、派手なことしちゃいけない、アピールもしちゃいけない。若手の新日本の第1試合らしく一生懸命やりなさいと。そうやってきたおかげが全部それですから。みんなタイガーマスクって飛んだり跳ねたりだと思ってるんですけども、こないだ新間さんが金沢でインタビュー受けたときに、(リポーターが)タイガーマスクさん飛んだり跳ねたりすごかったですねと言ったら怒っちゃってですね、その取材がメチャクチャになってしまった(笑)。そういう基本的なスタイル。おとなしい技でもいいからそこに気迫があるかどうかによってまるで違いますよね。とにかくやってなければできないんですよ。しかしやってる人たちでもヘタな人もいっぱいいるわけですね。そうするとよけいヘタになっちゃいますから。やっぱり、やっててスペクタクルな部分がある人たちが勝ち残っていく世界だと思うんですね。そこが一番大切なことだと思うんで、そこに観客は迫力を感じるし、どっちが勝つかというのもあるし。どっちが勝つか負けるかというのを見に来る。そこの姿勢を見せる、見せられる度量があるか、選手が。その度量をつくっていくのが我々の仕事であるということですね。それを残していきたいと思っています。だからリングの問題もありますけども、思想の問題。なんで新間さんとこうやってくっついてるかというと、思想が2人合うからですね。思想が一番大切だなと思うんですね

新間  (アントニオ)猪木さん、力道山先生が言ったことというのは、プロレスというのは鍛えに鍛えた肉体が6メートル40のリングの中で真剣に闘うことがプロレスなんだよと。真剣に闘えない人間はオレの道場から去れと。だから猪木さんだって新日本プロレス時代にリングの中へ3,4回、竹刀を持って、地方ですけども、駆け上がって若手の試合をメタメタにしたことがある。藤波だって、腕立て伏せの板でもってアタマを叩かれて血だらけになったこともある。神社仏閣に行くと入っただけで自分の身体が変ってくるのがわかると思う。プロレスの会場に入っただけで身の引き締まる思いがある。リキパレスで力道山先生が来たときには、若手の人気レスラーのときには人がパッと寄るんだけれども、力道山先生が階段のところで車を降りると人が引くんですよ。佐山ちゃんは人を寄せる人、タイガーマスクはね。だけどタイガー・ジェット・シンとかスタン・ハンセンとかアンドレ・ザ・ジャイアントは、ハンセンとかシンとかは凶器で人を威圧するから。人を威圧するというのは、上田馬之助さんはすごかった。アンドレ・ザ・ジャイアントもすごかった。そういう雰囲気を持っているレスラーは、いままったくいないじゃないですか。こういう人たちを今一度、佐山タイガーに蘇らせるようなリングを私と昭和のプロレスを知っているマスコミの協力でやってみようじゃないかと。平井には一大会だけ休めと。私がプロデュースをやりますので、どういうものをやるか、見てのお楽しみですけども、絶対に満足していただけるようなものを私はお見せできると思っております

――興行のターゲットになる年齢層は?

新間  老若男女。だってね、私と佐山ちゃんが能登鉄道に行ったときなんて様子見で近寄らないでいるんですよ。そのうち慣れてくると、誰かひとりが話しかけるとパッと来るんです。彼の場合は老若男女だもんね。子どもが多かったし、女の人が増えた。だから、(当時の)新日本プロレスで親子券を販売したことがあるんですよ。レスラーがそういう試合をするなら営業だって営業努力をしようということで

――納谷はデビュー戦の仕切り直しとなるが、それに向けての気持ちは?

納谷  自分は、前回よりも確実にいい試合ができるようにいま練習してますので、そこを見ていただければと思います

新間  私が(デビュー戦を)見て思ったことはですね、80歳を過ぎると人生終末に近づいてくる、いろんな後悔することがあるんですよ。やったことを後悔するのは、大した後悔ではないわけ。何日か経つと意外と忘れる。しかし、しようと思ってできなかった後悔というのは、ずーっとそれを持ち続けるんですよ。それはなにかといったら幸男の試合のときに、いきなりヘンな連中がバーッと入ってきたでしょ。あのときに私はリングに上がるべきだった。平井マイクをよこせって。コミッショナーが上がっていって、佐山ちゃんを呼んでくれ、そしてあの試合を止めて、一試合あとにこの試合を仕切り直ししますと、リングサイド(のセコンド)は全部控室に下がれと。それを何回も言おう、言おうと思ったのに言えなかった。自分自身にものすごく腹が立った。しようと思ってしなかった後悔というのはこんなに残るのかと。私はあの試合を見終わったとたんに怒り心頭に発してウチに帰りましたよ。帰りのタクシーの中で思ったことは、オレが一番バカじゃないかと。新日本プロレス時代だったら私はリングに上がりましたよ。年とったなと思った。新間じゃなくて駄馬よ。新間のマが抜けて間抜けですよ。ホントに自分は幸男に申し訳ないと思った。平井にも怒りましたよ、私は。平井、あの試合を見てなにも感じないのかと。平井は私も止めようかと思いましたと。関係者が止めようと思ってもそれができなかった。しようと思ってできなかった後悔というのは、いまだに持ち続けてますよ。12月7日、タイガーマスクの引退カウントダウンというのは、私が生きてる限り3年間とか1年間とか、そういう期限を決めずに佐山サトルが満足したら、私は完全引退がいいんじゃないかなと。それを残すための努力は自分はすると言う。私は、努力しなくていいって言ったの。いや、努力はしますよ、それが自分の夢だ、ということです

佐山  みなさんお気づきでしょうかね。ボクは試合を見にいかないのを。控室にずっと籠もってて。普通だったら会場に出ていって見にいくと思うじゃないですか。ボクは一切出ないんですよ。ハッキリ言いますけど、見る気がしないからです。格闘技の方も2つのわらじを持ってる人間ですけど、プロレスをストロングスタイルでやって厳しい試合になるとすごい見たい気持ちになるんですけど、それがないんですよね。一切見る気がしない。そのときに新間さんも、これで満足してるのかな、みんなもこれでいいのかな、いろんなこと言ってるけども、ストロングスタイルと言ってるけどもできてないんだけどもこれでいいのかなと思ってると、そういうときの心境ってなにかというと、あきらめなんですよ。あきらめの心境。普通だったら見ますけど、見ないんですよ。見る気もしない。これ言ったら失礼だけども、見る気もしないんだけれども、しかし今回、新間さんが怒ったときに、ボクはニヤッとしたんですね。なぜかというと、新間さんが立ち上がってくれるのか、みたいな。じゃあ新間さんのせいにしちゃえってことで“新間、怒る”にしてもらったんですけども(笑)。ホントに直していきたい。これを最後のボクのプロレス界への贈り物みたいな。一肌脱ぐって言いますけども、ひとマスク被りますので、ストロングスタイルに徹していくホントの、口だけの政治家はいっぱいいますけども、実際にこれからやっていこうと、着手していこうと思います。新間が動くんだから絶対に山が動くと思います。それに乗って、ストロングスタイルに変えていく。新間さんの最後の願いだろうし、ボクもこれを残して、プロレス界に残していってあげたいのがこのスタイルのことなので、これをファンの人たちと一緒になって共有していきたいなと思います。ファンの人が納得できるような会にしますので、それをよくわかっていただければと思います。もちろん記者の人にもわかっていただければ、これ幸いです。もうすでに気づいている方もいっぱいいると思います。学芸会じゃないんだよプロレスは、ということを気がついている方は絶対にいると思います。学芸会が好きな人はそれでもいいと思いますけども、ボクは、ダメですね。見る気もしなくなって。自分がいて新間さんが怒った。これはチャンス、非常にいい機会だと思います

佐山  (納谷)幸男のこの前の闘い方はよかったと思います。何人かが場外乱闘に誘っていって、メチャクチャになった。あのことに関してはまったくよくなかったけれども、それ以外のこと、あのスタイルはものすごい頑張っていい試合を見せた。蹴りも早かったし、ストロングスタイルで入っていったし。そういうのをいまこちらで指導しているところですけども、これは身体で体験していかなくちゃわからないですよね

――もうちょっと時間がかかる?

佐山  たぶん時間はかかるんじゃないかと思いますけど。ボクだって3年間かかったわけですから。意気込みはあると思いますけどね。ヘタを打てないですよ、大鵬というものを背負ってるから。もし大鵬というものをせおっててドッタンバッタンやってたら、これ、貴闘力にも問題になるし、やっぱり背負うものが大きいだけプレッシャーも大きいですしょうし。それがなんなのか、このままの道で育っていけばいいんだと思っておけばいいんだと思いますよ。試合については、場外乱闘以外の部分での評価してます。コイツから場外乱闘にいったわけじゃないし。

新間  人生、デビュー戦とか、プロ野球で言えば新人王とか、そういうことでみんなそれぞれの思い出にしようと思ってた試合とか、自分が(柔道)初段を取ったときの喜びとかあったけど、デビュー戦を他人が自分を売るためにああいうかたちでリングサイドに陣取ってて、ボクは平井には言ったんだけど、ウチのリングサイドにいた連中は誰も手を出さなかった。それをよく我慢させた、誰が止めたか知らないけども。ただ、黒いのがチョロチョロチョロチョロ出てきた。オマエたちが試合でもないのになんで出てきて一緒になって闘うんだと。デビュー戦というのは初めての試合。同じレスラーだったら協力して、納谷幸男を盛り立ててやろうという気持ちにならないのかなと。自分が育ってきた東京プロレスのときなんかメチャクチャやられて私なんか、猪木に告訴されて4年間、山の中に閉じ込められて勘当されたけどね、そういうのと違うね。猪木さんだって、東京プロレスの第1戦なんてすごい試合だった。誰もどんなかたちでもちょっかい出さなかったじゃないですか、ガイジンもそうだし。タイガーマスクというのは自分の宝だからね、いま。タイガーマスクを世に出したのは私と梶原(一騎)先生だという、そういう思いがあるし。今度は大鵬の孫を、自分は佐山ちゃんから言われて平井と一緒になって、リアルジャパンのリングに上げるんだという喜びがあった。金沢へ行って見て、一生懸命話をして、これは30年、40年、50年にひとりの逸材だと思った。そうしたらあんなちょっかいが入って。まあこれ以上は言いませんけども、なにはともあれ、第2戦は本当に鍛えに鍛えた肉体がリングの中で真剣に闘う試合を幸男は、タイガーマスク、佐山サトル指導の下に見せてくれるものと私は確信しております

――(納谷に)リングで活用できる自分の長所はなんだと思う?

納谷  それも含めて自分で探していかないといけないと思います

――その肉体を活用した技をこれからどんどん出していく?

納谷  そうですね

――参戦選手は決まっていないとのことだが、佐山世代のOBも混ぜるかたちにする? 若手という言葉は語弊だが、ストロングスタイルのできる選手を集める?

佐山  説明会というか指導会みたいなものなので、誰を集めるかというのはいま、厳選中ですね。このスタイルの価値観を我々が残していかないといけない。それを説明できる選手を厳選していきたいと思いますね。この試合の中で芸術を見せられる選手、闘いの芸術というか技の芸術もありますけど、それだけではなく迫力の芸術というんでしょうか。プロのもの。そういうものを出せる選手を厳選していきたいと思いますね。ただ闘うだけなら誰でもできるんですね。そのくらいプロレスは難しい世界ですね。みんな不思議がるんですよね。むかしのビデオ見ても、タイガーマスクだけではなく猪木さんのビデオ見ても、なんか見入ってしまうというんですかね。技はいまの方が派手なのに。そこのところなにが違うのかというのを徹底的に説明したいと思いますね。また格闘技をやる立場の人間からいっても、格闘技ともまた見方がまったく違うし。それを徹底的に説明したいと思います。ここまで踏み込むことないですから。12月7日は、ボクはここまでプロレスに対して踏み込むことはないですから、期待していてください。厳選しますので。頑張りますので、よろしくお願いします


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■大会名:新間寿プロデュース 初代タイガーマスク佐山サトル認定 『原点回帰』プロレス大会
■日時:12/7(木)
■会場:後楽園ホール (東京都)

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2017-12-06 12:58 この記事だけ表示


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12月1日(金)、東京・興義館にて12月7日(木)東京・後楽園ホールで開催される「新間寿プロデュース 初代タイガーマスク佐山サトル認定『原点回帰』プロレス」(18時30分開始)の記者会見がおこなわれ、レジェンド選手権試合の対戦カードを発表、タイトルマッチに臨む選手が意気込みを述べた。


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初代タイガーマスク  原点回帰という言葉通りの試合ですが、選手を厳選させてもらっています。何人か候補がいることはいるのですが、ストロングスタイルを実際に体現できる選手を選ぶ責任があります。その一番重要な試合の最後の試合のタイトルマッチ、スーパー・タイガーvsHGZ(不明)、これを原点回帰の代表的な試合にしたいと思います。その選手を厳選させてもらいました。その選手の名前は、HGZ(エイチジーゼット)。本日、HGZ選手を紹介したいと思います。(ストロングスタイルの)代表的試合になると思いますので、ストロングスタイル、これからの日本の試合を引っ張っていけるような試合になると思いますので、なにがストロングスタイルか、ボクが説明していきますから。その中に、この代表的な試合がひとつ入ってくることをみなさんにお伝えしたいと思います。HGZ、期待してください。

平井  では、選手権試合を闘いますお二人に登場していただきます

スーパー・タイガー、HGZが登場。

HGZ  よろしくお願いいたします。佐山総監のおっしゃったプロレスをはずれないように、そして、おっしゃられたことを体現できるように、試合をしていきたいと。そして、このレジェンドチャンピオンシップのベルトを私の腰に巻きたいと思っております

スーパー  2017年、私もスーパー・タイガーとして10周年を迎え、この最後の大会で最強の相手、そして、初代タイガーマスク、佐山総監が前回も言われました、これから先の10年、ストロングスタイルを如何に見せていくか。それの最初の、ここから始まるという相手としては最強の対戦相手が現われたと、覚悟してます。その中でボク自身の気持ちをしっかりこの闘いで見つけて、しっかり防衛していきたいと思います

初代タイガー  スーパー・タイガーは申し分ないストロングスタイルのできる有数の選手ではありますが、HGZ選手も誰にしようかと何人かの選手に目標を定めいて、後は名前をどうするかという段階でした。正式に今日、HGZという名前に決まってこの選手がストロングスタイルのこれから日本の代表になってくるということに私はすごく喜んでいます。ストロングスタイルというものがどういうものか、私もその当日リングに上がってストロングスタイルとはこういうものですよというデモンストレーションを実際にやってみたいと思います。みなさんが納得できるような説明をして、力道山先生、(アントニオ)猪木会長、それから長州(力)さん、藤波(辰爾)さんに伝わってきたストロングスタイルが実は、何なのかということを説明していきたいと思います。このHGZは絶対にそれができる選手です。スーパー・タイガーももちろんできます。この代表的選手によるストロングスタイルの実践、それをこれから10年先まで担ってくれるこの二人が日本をリードしてくれる二人になっていただけるように。まだ他にも何人かその選手はいますけれども、数少ない選手の中でこの二人を今回選ばせてもらったことは非常にボクは説明に納得ができていて、心の中で、今後どんどんやっていけるという内容に迫っています。(ストロングスタイルの)代表的な試合になりますのでよろしくお願いします。


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――HGZ選手がいま被っているのは試合で着用するマスクではない?

HGZ  ハイ、そうです。

平井  試合で着けるマスクはまた別のものがあります

――HGZの特長は?

初代タイガー  くすぶってるところがあるんですけれども、くすぶってると言っても試合の勝敗ではなくスタイル的に。ハッキリしたことが全部できる選手です。ストロングスタイルならストロングスタイルの真髄を持っている選手なので、そのことを表していければウチのリング(リアルジャパン)では常にメインイベンターがつとまる選手ですので、それをみなさんに知らしめてほしいと思います。みなさんも「エイチジー!」と言って声援を送ってあげてください。ホントにストロングスタイルができる選手です。ホントに素晴らしいストロングスタイルができる選手がそれを出さなければ、出すリングがないかもしれないけども、ウチはできます。それをぜひやってもらいたいと思います


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――今回はリアルジャパンの本戦とは違い、新間氏が激怒した中でおこなわれる特別な大会。そういった状況下でタイトルマッチをおこなうのはどうか?

スーパー  私としましてはうれしい限り、新間会長が思う、いまのプロレスに対して怒りを感じる。それは初代タイガーの佐山先生も一緒ですし、そういった部分で大事な役目としてタイトルマッチをやれるというのは、なによりの後押しだと思ってますので、私自身しっかりその気持ちをぶつけていきたい。逆にパワーになってますね

――他団体のベルトも獲得した中でリアルジャパンの頂点であるレジェンド王座をかけることに関してはどうか?

スーパー  レジェンドチャンピオンシップ自体が、ストロングスタイルを背負うためのベルトだと思ってるので、それを代表する選手が持てるベルト、そういった闘いができないとボク自身もまだこのベルトを巻く資格がないと思うので、いまこれを持っているということは、私自身もしっかり自信を持って示していきたいと思っています

――HGZのこのあたりを見てほしいというところは?

HGZ  佐山先生がおっしゃったように、くすぶってるというのか、自分自身の中で、私の中で出し切れていないと、たぶん佐山先生には映っている。そこの部分を自分自身の殻を、ここ数年の殻を破って表現またできればいいなと。そういう意味では、核心にあるものがまたさらに進化した形で表れてるなというものが表現できて闘えればいいなと思っています。そのへんがお客さんに伝わる闘いにしたいと思っております

――“ここ数年”ということは、ほかのリングネーム、ほかのマスクであったり素顔であったりで闘っているということ?

HGZ  そうですね


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――個人的には(HGZは)聞き覚えのある声だが、スーパー・タイガーはそのあたりはどう?

スーパー  そうですね。もう、ボク自身も中の方はわかってますので。ただ表面上どういう形になるのか。もってるものは大先輩として背中を見せていただいているので、どういう形でマスクがあろうがなかろうが、この選手と闘えるのであればボクもまた進化して、次のまたステージへと上がっていけるなと確信してます

――HGZに新しい必殺技はある?

HGZ  もしかすると試合中に見たことのない技が自然と出てくることはあるかもしれないですね。対戦相手の出してくる技に対してどう対応するかで。そこは自分自身もわからないです

初代タイガー  まだ彼がHGMくらいのときに、ボクと対戦しているわけですけど素晴らしい試合をやりました。素晴らしい選手、ストロングスタイルを実証してくれてるような素晴らしい試合をしてくれたことがあります。そのくらいの実力の持ち主ですので、それを開花させてあげたい気持ちでいっぱいです。Zまでいっちゃいましたけども、HGZ選手は素晴らしい選手です

HGZ  ありがとうございます。でも初心を忘れないように、HGAでもありたいと思っています

平井  前回の大会(リアルジャパン9・14後楽園)で激怒した新間会長がプロデュースする試合、そして新間会長、佐山総監が選んだメインの選手がこのお二人です

初代タイガーマスク  相当な試合、ストロングスタイルというものをお客さんたち関係者の方すべて納得していただけるような説明をしていきながら、その内容を醸し出しながら、この二人が最後に闘うということはものすごくいい試合になると思います。この状況の中でこの闘いを見れるということは最高の状態になると思います。それを期待してこの試合をプロデュースさせてもらいました。それだけ素質のある二人、資質を持っている二人が闘うということです。是非当日会場でご覧いただきたいと思います!


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【出演情報】

【初代タイガーマスク ストングスタイル デモンストレーション】
初代タイガーマスク、
スーパー・ライダー、間下隼人、タカ・クノウ、倉島信行

【試合部門 対戦カード】
<レジェンド選手権試合シングルマッチ60分1本勝負>
スーパー・タイガー
(第13代レジェンド王者/リアルジャパンプロレス)
vs
HGZ(不明)

<シングルマッチ60分1本勝負>
“大鵬三世”納谷幸男(デビュー第2戦/リアルジャパン)
vs
雷神矢口(フリー)

<シングルマッチ60分1本勝負>
船木誠勝(フリー)
vs
松本崇寿(リバーサルジム立川ALPHA)



■大会名:新間寿プロデュース 初代タイガーマスク佐山サトル認定 『原点回帰』プロレス大会
■日時:12/7(木)
■会場:後楽園ホール (東京都)

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2017-12-06 12:55 この記事だけ表示


いよいよ1か月後に迫った『RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2017』の、RIZINバンタム級トーナメント、女子スーパーアトム級トーナメント、そしてスペシャルマッチの対戦カードが明らかとなった。

■スペシャルワンマッチ


[RIZIN MMA 特別ルール(72.0kg)]
五味隆典 vs. 矢地祐介


[RIZIN 女子 MMA 特別ルール(95.0kg)]
ギャビ・ガルシア vs. 神取忍


[RIZIN MMA ルール(57.0kg)]
伊藤盛一郎 vs. 朝倉海


[RIZIN 女子 MMA ルール/肘あり(57.0kg)]
真珠・野沢オークライヤー vs. チェルシー・ラグラース


[RIZIN 女子 MMA ルール/肘あり(70.0kg)]
KINGレイナ vs. シンディ・ダンドーワ


[RIZIN MMA ルール(120.0kg)]
ミルコ・クロコップ vs. 阪剛


[RIZIN MMA ルール/肘あり(93.0kg)]
イリー・プロハースカ vs. カール・アルブレックソン

■KICK ワンデイトーナメント



トーナメント1回戦
[RIZIN キックボクシングトーナメントルール(57.0kg)]
那須川天心 vs. TBA


トーナメント1回戦
[RIZIN キックボクシングトーナメントルール(57.0kg)]
砂辺光久 vs. 藤田大和

■バンタム級トーナメント



トーナメント2回戦
[RIZIN MMA トーナメントルール(61.0kg)]
イアン・マッコール vs. マネル・ケイプ


トーナメント2回戦
[RIZIN MMA トーナメントルール(61.0kg)]
堀口恭司 vs. ガブリエル・オリベイラ


トーナメント2回戦
[RIZIN MMA トーナメントルール(61.0kg)]
大塚隆史 vs. カリッド・タハ


トーナメント2回戦
[RIZIN MMA トーナメントルール(61.0kg)]
石渡伸太郎 vs. ケビン・ペッシ

■トーナメントリザーブマッチ


[RIZIN MMA トーナメントルール(61.0kg)]
アンソニー・バーチャック vs. ムン・ジェフン

■女子スーパーアトム級トーナメント



トーナメント準決勝
[RIZIN 女子 MMA トーナメントルール(49.0kg)]
RENA vs. アイリーン・リベラ


トーナメント準決勝
[RIZIN 女子 MMA トーナメントルール(49.0kg)]
浅倉カンナ vs. マリア・オリベイラ


■大会名:RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2017
■日時:12/29(金)〜12/31(日)
■会場:さいたまスーパーアリーナ (埼玉県)

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2017-11-29 19:53 この記事だけ表示


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「新間寿プロデュース 初代タイガーマスク佐山サトル認定『原点回帰』プロレス」の会見が24日、都内ホテルで行われた。

 新日本プロレスのフロント時代、“過激な仕掛け人”と異名を取った新間氏(現リアルジャパンプロレス会長)は、セコンド陣の乱入や凶器が飛び交った“大鵬三世”納谷幸男のデビュー戦(9月14日)に怒りを表明。


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「一度しかないデビュー戦をああいう形で終わらせてしまった納谷幸男にもう一度デビュー戦を組みたい」、そんな思いと「道場で積んだトレーニングの成果を出し合うのがプロレス」という自身の理念を実現するべく、今回の「『原点回帰』プロレス」を開催するに至った。

 いわば再度のデビュー戦を迎えることとなった納谷の相手は、再び9月に続き雷神矢口に決定。新間氏直々に「正々堂々やってもらいたい」と矢口に申し入れたといい、前回敗れている矢口も「今回は叩き潰すつもりでリングに上がる」とこれを快諾。しかし試合については「これは俺のリベンジマッチじゃない。納谷くんのリベンジマッチだと思っている」と、勝敗だけで測れないプロレスの奥深さを示すように力説した。


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 対する納谷も「場外でボコボコにされて、勝ったけどいいところを持っていかれた」と、試合内容については矢口の言い分を認めており、「前回のような試合をする訳にはいかない」と表情を引き締める。デビュー戦の反省を踏まえ「体力と筋力を重点的にやった」と進化した自身を語り、前回は温存して終わった必殺技のファイル・ストーリーズ・ホールドも「今回は確実に使えるようにします」と力を込めた。

 原点回帰したストロングスタイルのプロレスを見せる今大会で行われるのは「厳選に厳選した」(初代タイガーマスク)シングルマッチ3試合。しかし初代タイガー自らによるストロングスタイルの解説が行われるといい、「ストロングスタイルについて全員に納得してもらう」と鼻息は荒い。

 従来にない大会となるのは確実で、初代タイガーは「“本当のプロレス”を期待していて下さい」とコメントを締めくくった。


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(取材・文:長谷川亮)



【試合部門 対戦カード】

<シングルマッチ>
“大鵬三世”納谷幸男(デビュー第2戦/リアルジャパン)vs雷神矢口(フリー)

<レジェンド選手権試合シングルマッチ60分1本勝負>
スーパー・タイガー(第13代レジェンド王者/リアルジャパンプロレス)vsミスターX(不明)

<シングルマッチ>
船木誠勝(フリー)vs松本崇寿(リバーサルジム立川ALPHA)



■大会名:新間寿プロデュース 初代タイガーマスク佐山サトル認定 『原点回帰』プロレス大会
■日時:12/7(木)
■会場:後楽園ホール (東京都)

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2017-11-24 18:42 この記事だけ表示

「かつての敵が、今は同じ夢を追う同志に」


文・撮影:茂田浩司

 11月24日(金)、REBELS.53(東京・後楽園ホール)にてREBELS―MUAYTHAIスーパーライト級王座決定トーナメント決勝戦で「超攻撃型ムエタイ」スアレック・ルークカムイ(スタージス新宿ジム)と対戦する鈴木真治(フジマキックムエタイジム)。

 鈴木を支えるのは、フジマキックムエタイジムの藤牧孝仁会長。二人はかつて、全日本キックのリングで拳を交えたことがある。藤原ジム(鈴木)と、はまっこムエタイジム(藤牧会長)という真逆のバックボーンを持つ二人は、いかにして出会い、REBELSのリングで同じ夢を追いかけるようになったのか。

「もっともっと活躍できる選手。ここで辞めたら絶対にダメだ、と」(藤牧孝仁会長)

 京浜東北線鶴見駅で鶴見線に乗り換え、第一京浜や鶴見川を越えると窓の外に京浜工業地帯の灯りが広がっていく。無人駅の鶴見小野駅で降りると、微かに潮の香りがした。

 駅から海に向かってしばらく歩くと、首都高の高架が見えてくる。その手前にあるビルの4階がフジマキックムエタイジム。中をのぞくと藤牧会長が迎えてくれた。

「遠いところまですみません。今日はたまたま人が少なくて…」

 水曜日19時から21時の「初級〜上級ムエタイクラス」を藤牧会長と鈴木が担当しており、クラスの指導風景の撮影と、クラス終了後にインタビューという段取りだった。この日のクラス出席者は女性2人。日によって出席者の人数が変わるという。

 格闘技ジムといえば夕方から営業を始めるのが一般的だが、フジマキックムエタイジムは平日朝9時半にオープンする珍しいジムだ。

「昨年5月にジムをオープンして『午前中にしか来れない』という人がいるのが分かったんです。主婦の人や夜勤の人、飲み屋で働いてる人、いろんな人が来ますよ」

 藤牧会長は2009年8月9日、はまっこムエタイジム主催「MuaiThai Wave from YOKOHAMA8」横浜赤レンガ倉庫1号館のリングで鈴木真治と対戦した。当時、藤牧会長は全日本ライト級2位。対する鈴木は全日本ライト級3位。デビュー4年目で、次々と上位ランカーを倒してランキングを駆けあがる藤原ジムのホープ、鈴木は序盤、藤牧会長のパンチに苦戦するも、2ラウンドになると得意の右ローで動きを止め、2度のダウンを奪うと藤牧陣営がタオルを投入。藤牧会長は2ラウンドTKO負けを喫した。
「彼に乗り越えられました(苦笑)。ローキックの強さと、何よりも気持ちの強さを覚えています。『必ず、ここからグッと上がっていく選手だな』と思いました。その後、彼は活躍しましたけど、僕からしたら物足りなかったですよ。もっともっと輝かしい場所で活躍する選手だと思ってましたから」

 8年前の「藤牧孝仁対鈴木真治」を検索すると、同じ大会の第8試合には当時鈴木と同じ藤原ジムに所属していた渡部太基(現Golden Globe)、第6試合には梅野源治が出場していることが分かった。

 その後、渡部はKrushやK−1で「激闘派」として名を上げ、梅野はムエタイ王者となり「日本の至宝」と呼ばれる選手となった。鈴木は、いつしか渡部や梅野の後塵を拝していた。

 藤牧会長のラストマッチは2013年12月の「BOM」だった。
「試合の後、すぐ辞めると決めたわけではなくてしばらく練習は続けていました。引退を決めたのはその1年後で、だから特に引退宣言もしなくて、知り合いやジムの中で『引退します』と伝えました。そうしたら、それを知った鈴木君と森井洋介君が『お疲れさまでした』と花を持ってわざわざジムまで来てくれたんです。僕はその場にいなかったんですけど、彼らの気持ちが嬉しくて連絡を取った。それから付き合いが始まりました」

 2016年5月、藤牧会長は「フジマキックムエタイジム」をオープン。そして、2015年7月のハチマキ戦(REBELS.37)以来、試合から遠ざかっていた鈴木をスタッフとして迎え入れ、同時にジムを移籍させた。 「当時、彼はおそらく揺れ動いていたんだと思います。すべての事情を聞いて『あれで終わる選手じゃない。もっと出来るからここで辞めるのは絶対にダメだ』と思いました。彼は元々、藤原ジムの近くに住んでいたので『こっちで一緒にやろうよ』と誘って、家も一緒に探してジムの近所に引っ越してきたんです」

 鈴木は、毎朝40分のロードワークの後、朝7時に家を出て15時まで仕事。16時から19時までフジマキックムエタイジムで練習し、その後は週4日指導に入り、終わると藤牧会長宅でご飯を食べて帰宅する生活をしている。 「鈴木君が来て1年半になりますけど、僕らのファミリーですね。不思議なヤツで、しっかりしているので尊敬してますし、可愛らしいところもありますし。

 一般的な会長と選手の関係とは違います。プロ選手は彼ひとりですし、お互いにディスカッションしながらやってます。僕がやってきたムエタイと、彼が藤原ジムでやってきたことはまったく違うので、そこを上手く融合することをいつも考えていますね。僕はムエタイ式のミットを持ちますが、彼の藤原ジム時代の良さを大事にすることを心掛けています。出稽古も僕の繋がりで行ったり、彼の繋がりで行ったりして。

 ここに来て、初戦(16年12月、ムエタイオープン)はまだ噛み合っていなかったですけど、REBELSさんでコンスタントに試合を組んで貰えたおかげで、彼の力が上がってきた手応えはありますし、自信もあります。

 スアレック対策は色々と話し合っています。前回の梅野選手との試合(REBELS.52)は、僕的にはとても参考になりました。梅野選手とまったく同じことが出来るわけじゃないですけど、僕も鈴木君も自信を持って試合に臨みますよ。


 今は、純粋に彼と一緒にリングに上がれるのが嬉しくて(笑)。ジムを作って1年半で、まさか後楽園ホールのリングに上がれるなんて思ってなかったんで。彼がいるおかげですから感謝していますし、彼がもっともっと夢を追いかけていって、その舞台に一緒に上がっていきたいですね」

 藤牧会長と話していると、指導を終えた鈴木が声を掛けてきた。

「会長もやりましょう」

「ええ…。よし、やろうか」

 藤牧会長と鈴木と会員さん2名で掛け声を掛けながら仕上げの腹筋。それが終わると、使った用具を消毒しながらお喋り。ジム全体が大きなファミリーのようだった。

「結婚を考えた女性もいましたけど、結局キックを選んでしまった。キックの『中毒』です(笑)」(鈴木真治)

 営業を終えたジムで鈴木に話を聞いた。 「地元の宮城県でキックを始めて、高校を卒業してからは就職して少し働いてお金を貯めて、19歳で東京に来て藤原ジムに入門しました。05年8月に入門して、デビューしたのが4カ月後です」

 鈴木のターニングポイントは、2009年8月の全日本キック解散だった。 「全日本キックは3回戦から5回戦に上がり、ランカーになりチャンピオン、そこからタイ人選手と対戦、という決まった形がありましたよね。それが突然無くなってしまって…。

 僕は下位のランカーに勝ってランキングを上げて、その頃は年末の藤原祭りでタイトルマッチをやることが多かったので『次の藤原祭りでタイトルマッチかな』と思っていた矢先の解散だったので本当にショックでした。

 過去にこだわるのは良くないかもしれないですけど、いい時代だったと思いますし、せめて一度は全日本キックのタイトルマッチをやりたかった。僕にとっての『ホーム』は今でも全日本キックなんです。『全日本キックで戦ってきた』というプライドが僕の中にあって、解散してからはずっとフリーで戦ってる感覚です。僕は『全日本キックの残党』ですし、僕と後輩の森井(洋介)君、渡部(太基)君は全日本キックの最後の選手なのかな、と思っています」

 その後、鈴木は様々なリングで戦い、2015年1月には潘隆成(クロスポイント吉祥寺)に6RTKO勝利を収め、J−NETWORKスーパーライト級王座を獲得。キャリア初の戴冠となったが、同年4月のREBELS.35でのゴンナパー・ウィラサクレックジム戦、同年7月のREBELS.37でのハチマキ戦と2連敗を喫し、リングから遠ざかる。
「このままじゃダメだな、見直さないとな、と思っていました。当時、付き合ってた彼女がいて『このままキックを辞めて、結婚とかもいいのかな』と思ったりもしたんですけど、結局、キックを続けることを選びました。言葉は悪いですけど『中毒』です(笑)。キックが大好きで、10年以上やってきてもまだ終わりがないというか『これで完璧』というところがないんです。ゲームなら全面クリアとか最後はやれるところが限られてきますけど、キックはいくらでも掘り下げられるんで」


 2016年、藤牧会長に誘われて、ジムの移籍を決意。勤めている会社にも東京から神奈川への異動を認めて貰い、鈴木は住まいをフジマキックムエタイジムの近くに移して、仕事とキックボクシングを両立させている。
「藤牧会長のおかげで今の形で出来るようになりましたし、会長には自分の欠けている部分を教わりやすいです。今までは自分に近いスタイルの選手と練習することが多かったですけど、会長は本当に真逆のスタイルなので(笑)。僕にとって発見が多いです。ムエタイスタイルの選手に対して『この攻め方だと攻撃が入りやすい』とか『こうやると相手は嫌がるんだな』とか」

 REBELSでは今年3月、6月、9月とコンスタントに試合が組まれ、そのことが「かなり大きかった」と鈴木は言う。
「潘選手に勝ってJ−NETのベルトを巻いてから、今年3月のREBELSで久保(政哉)選手に勝つまで2年2か月も勝利から遠ざかっていたんです。試合前は『勝つってどんな感じだったかな?』という感じでしたけど(苦笑)、試合をするたびに『ああ、こんな感じだ』と思い出して、定期的に試合を組んで貰えたのは本当にありがたかったです」

ダウンした時、脳裏に浮かんだのは「前田尚紀先輩」の姿

 9月のREBELS.52のREBELS―MUAYTHAIスーパーライト級王座決定戦、準決勝の杉本卓也(WSRフェアテックス)戦では、初回に右ハイキックでダウンを奪われた。

 ダウンから立ち上がった時、鈴木の脳裏に浮かんだのは藤原ジムの先輩、前田尚紀の姿だったという。
「周りの音は一切聞こえなくて、完全に自分の世界に入ってました。フッと、頭の中に黒と黄色のキックパンツを穿いた前田さんが浮かんだんです。どんなに追い込まれても、前田さんは絶対に退かなかった。俺も後輩なんだから、絶対にここで退くわけにはいかない、と覚悟を決めたんです」

 パワフルな攻撃で畳みかける杉本に対して、鈴木はガードを固めながら前進。そうして、コツコツとローを蹴り続けた。我慢して、粘り強く、愚直に前へ出て思い切りローを蹴り続ける「前田尚紀スタイル」で、鈴木はとうとう杉本の足を止めることに成功。2Rに右フックでダウンを奪い返すと、最終回もローとパンチで攻め続けて2−0の判定勝利。王座決定トーナメントの決勝進出を決めた。
「上京して藤原ジムに入った頃は、本当に練習がきつくて、練習が終わるたびにじんましんが出てしまうんです。それぐらい、気持ちも体も限界を超えて追い込まれました。

 そんな時、小林(聡)さんを始め、前田さん、中村(高明)さん、山本(真弘)さん、金(統光)さん、そういう先輩たちのいい背中をたくさん見せていただきました。先輩たちに『戦うとはこういうことだ』と教えられて、それが僕の潜在意識に刻まれていて、杉本選手との試合中にフッと浮かんだんだと思うんです。

 練習中も『そろそろ限界か』と思った時は『ここからだ』と気力をもう一度振り絞ります。人間だから弱い方に行きそうになるんですけど、いや藤原ジムではここでやってた、と思い出して。そこで踏ん張れなくなったら終わりですし、僕はまだまだ踏ん張れていますから」

 11月24日、REBELS.53の「超攻撃型ムエタイ」スアレックとの対戦が日に日に近づく。
「チャンスだな、というのと、スアレック選手という強い相手と拳を交えることが出来るのは、恐怖もありますけど、競技者としては嬉しいことだなと思っています。

 勝算、ですか? 僕は藤原ジムのどの先輩に教わったかは忘れてしまったんですけど『勝負はいつも五分五分だ』と聞かされてから、いつも勝負は五分五分だと思っています。お前じゃ絶対に勝てないよと言われる相手でも必死に努力すれば五分五分、たとえ格下と言われる相手でも油断すれば五分五分。それ以来、僕は勝負が終わるまでは五分五分、ずっとそう思って戦ってきました。

 僕の目標は、強いと言われる人と試合をして、どこまで自分を高められるか、です。年を取ってスタミナが無くなっても、その分を経験で補えれば総合力では強いですし、僕自身、過去の自分と比べて今の自分が一番強い、という自信があるから続けているんで、少しでも『一番強い』と感じられなくなったら終わり、ゴールだと思います。

 スアレック選手との試合は、僕にとって全日本キック解散以来の、大きなターニングポイントですね。この試合を勝てばいろんなチャンスが広がると思いますし、ムエタイの現役ランカーや世界中の強い選手と現役のうちに拳を交えてみたい。その夢をかなえるためにも、この試合に勝ちたいです。

 何よりも、僕が勝てば『フジマキックムエタイジム』という名前をもっともっと広められると思うんです。僕が勝利から遠ざかっているにもかかわらず所属選手として迎えていただいた藤牧会長に恩返しするためにも、スアレック選手に勝ってREBELS―MUAYTHAIスーパーライト級のベルトを巻きたいです」


プロフィール
鈴木真治(すずき・しんじ)
所  属:フジマキックムエタイジム
生年月日:1985年11月6日生まれ
出  身:宮城県
身  長:174cm
戦  績:36戦23勝(11KO)9敗4分

フジマキックムエタイジム
〒230-0046 神奈川県横浜市鶴見区小野町37第2協進ビル4F
Tel: (070) 5011-7770
Fax: (045) 345-0291
mail : gym@fujimakick.com


【対戦カード】
メインイベント 第8試合ライト級 3分5回戦 ルンピニージャパンルール
梅野源治(PHOENIX/WBCムエタイ世界スーパーフェザー級チャンピオン、元ラジャダムナンスタジアム認定ライト級チャンピオン)
vs
インディートーン(Inzeethong・Por.Phinabhat)(タイ/ルンピニースタジアム ライト級9位)

セミファイナル 第7試合 REBELS-MUAYTHAI スーパーライト級王座決定トーナメント 決勝 3分5回戦 WPMFルール
スアレック・ルークカムイ(スタージス新宿ジム/元ラジャダムナンスタジアム フェザー級7位)
vs
鈴木真治(フジマキックムエタイジム/元J-NETWORKスーパーライト級王者)

第6試合 REBELS-MUAYTHAI ライト級王座決定トーナメント 決勝 3分5回戦 WPMFルール
ピラオ・サンタナ(オランダ・メジロジム)
vs
良太郎(池袋BLUE DOG GYM/TRIBELATE ライト級チャンピオン)

第5試合 56.5kg契約 3分5回戦 WPMFルール
国崇(拳之会/ISKAムエタイ世界フェザー級チャンピオン、WAKムエタイフェザー級チャンピオン)
vs
炎出丸(クロスポイント吉祥寺/元J-NETWORKスーパーバンタム級王者)

第4試合 フェザー級 3分3回戦 WPMFルール
雅也(T-KIX GYM)
vs
浦林 幹(フリー)

第3試合 60.5kg契約 3分3回戦(延長なし) WPMFルール
小磯哲史(テッサイジム/蹴拳ムエタイスーパーフェザー級王者)
vs
大谷翔司(スクランブル渋谷)

第2試合 フライ級 3分3回戦 WPMFルール
立嶋挑己(ASSHI-PROJECT)
vs
JIRO(創心會)

第1試合 スーパーフライ級 3分3回戦 WPMFルール
佐藤仁志(新宿スポーツジム)
vs
蓮沼拓矢(テッサイジム)

オープニングファイト 第2試合 56kg契約 3分3回戦 WPMFルール
村主直也(HIDE GYM)
vs
三浦 翔(クロスポイント大泉)

オープニングファイト 第1試合 70kg級 3分3回戦 REBELSルール
吉田英司(クロスポイント吉祥寺)
vs
瑞慶覧 長風(テッサイジム)



■大会名:REBELS.53
■日時:11/24(金)
■会場:後楽園ホール (東京都)

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2017-10-23 16:34 この記事だけ表示